プラトンのレビュー一覧
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愛についての本。運命の人ってフレーズは、元々2人がくっついていたけど、切り離されて、片割れを探しているって話が由来らしいよ。
純粋な愛は男性同士の愛ってのは面白いね。性的な何かも含めてなんだろうけど、それより人として好きって感覚なのかな。人まで見て好きになれるのが一番いいよね。
ソクラテスとアガトンの一説で、エロースは美を求める美しい神という主張に対して、美を求めるってことは、美を持たない。→対象に対して欲求する愛を持っているなら、それは、欲求する段階ではそれを持っていないことになる。
なぜなら、持っていないものを求めることだから。かけている物を欲求する感じ。
人間もエロースも、知恵と無知の -
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男女の恋愛ではなく、少年愛が主なテーマ。
ギリシャ時代、少年愛こそが崇高なもので、女性に興味を持ってるような男はまだまだ人間としてレベル低いやつ、というような考えだったよう。
フェミニストとしては、この時代で既に女性は男性に都合の良いように定義づけられてきたのか、、と悲しく思った。
ただ、愛というものは、最終的には1つの対象に対するものではなく、広い後世の世代に対しての教育意欲を掻き立てる=社会全体への貢献欲に繋がる、という点は、
自分自身の感覚や、アドラー心理学とも共通していて、やはり、人の欲求は最終的にそこに至るのだなと再確認できた。
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ネタバレエロスとは何か、
エロスを讃美するとはどういうことか、
次々にいろんな人が語る饗宴。
エロスを語るのに、
一緒に飲みながらという場面は、適切なのかもしれませんね。
愛と美に魅せられ、
酔い、
熱くなり、
ほめたたえる。
愛に溺れるのでもなく、
酒に溺れるのでもなく、
美そのものへと到る道を行くがごとく。
ソクラテスは、
自分がいかにエロスを知らなかったかを説き、
そしてさらにはエロスのなんたるかを語る。
この世界で、いま、エロスの神は賛美されているだろうか。
”なぜといって独力でもしくは他の誘導によって愛の奥義に到る正しい道とは次のようなものであるからです。それはすなわち地上の個々 -
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「○○とはなにか?」と問いがたてられ、いろいろ議論したあげく、「○○ということについて、わたしたちは知らない」ということが確認される、ソクラテス対話シリーズかな?
こうした「知らない」対話篇は、初期プラトンの特徴なんだけど、解説によると、中期に近い性質もあるとのこと。
たしかに、議論の展開が複雑というか、精緻で、いろいろな角度から問題にアプローチして、それぞれが論理的に間違っていることが証明されていく。
その手際は、なぜかデリダの脱構築を思い起こさせる。
プラトンのなかでは、比較的マイナーな作品とのことだが、議論されているのが「愛」とか、「知」で、知を愛するという意味の「フィロソフィー -
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プラトンが、ソクラテスとプロタゴラスの対話を描いた本。
大いに繁栄していた紀元前5世紀のアテネ。これだけ抽象的、哲学的な対話がされていたというのは流石だなぁと、今更ながら思いました。
対話のテーマは、人間としての「徳(アレテー)」とは、人に教えることができるものなのか?というもの。
ソクラテスは「教えることはできない」立場、プロタゴラスは「教えることはできる」立場で対話が始まって、徳(アレテー)の性質について論じていたのですが…、最後は確かに意外な結末で終わってしまったなぁと感じました。読者にバトンを渡したってコトなのでしょうか。
文章は新訳のおかげで意外なほど読みやすく、ストレスに感じる箇 -
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常日頃、反「プラトン主義」をキーワードにしている私であるが、プラトンを読むのは結構すきである。
それは、別に反論する相手を良く知ろうということではなくて、純粋に読んでて面白いからである。
というのは、プラトン自身は、いわゆる「プラトン主義」に収まらない過剰なものがある思想家だと思うし、仮にプラトンが「プラトン主義」を主張しているときでも、「いやいや、それは違うんじゃないか」と思考をとても活性化させてくれるからだ。
というわけで、「知識とは何か」という問いを巡る対話篇「テアイテトス」であるが、これは、他の対話篇に比べると、なんだか、すごく難しい。議論の大筋を追う事はできても、ひとつひ -
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ネタバレ「お金の所有が最大の価値をもつのは、ほかならぬこのことに対してであると考える。……たとえ不本意ながらにせよ誰かを欺いたり嘘を言ったりしないとか、また、神に対してお供えすべきものをしないままで、あるいは人に対して金を借りたままで、びくびくしながらあの世へ去るといったことにないようにすること、このことのためにお金の所有は大いに役立つのである。」(26頁)
個人と国家の共通項を探し、一方を他方に当てはめている。
演繹のし過ぎ、というのは現代的な感覚だろうか。
優れた国家に必要な三つの徳…知恵、勇気、節制。
勇気と知恵は、国家のある特定の部分に存在するが、節制は国家の全体にいきわたっていて、支配 -
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ソクラテスの弁明Episode0の巻。
全体的には、道徳についての内容。
タイトルはゴルギアスだが、
ゴルギアス→ポロス→カルリクレスと、
ソクラテスの対話相手は交代していく。
ゴルギアスとは弁論術について、
ポロスとは不正と幸福の関係、
最後にカルリクレスと道徳について議論し、
結論として、ソクラテスの弁明において、
彼がとった行動が道徳に基づいた行為とされる。
解説ではプラトンによるソクラテスと、
プラトン自身の弁明だとしている。
弁明による彼の行動の根拠に対する、
弟子のプラトンの考えが分かるという意味で、
ソクラテスの弁明の副読本として読むのが良さそう。