プラトンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ソクラテスの弁がいかに凄まじいことがこのプロタゴラスでよくわかった。ソクラテスの弁明では、何かのテーマに対する実際の弁はなかったから。
ソクラテスとプロタゴラスとの対話が展開されていくのだが、読み進めていくと頭脳がが筋トレされてムキムキにバルクアップされていくような感覚になっていく。
一つ心に刻みたい事が語られていた。
それはソクラテスがある若者に忠告する言葉。
「君が体を大切に思っているのはわかる、しかし心はどうだろう?目に見えない知識や情報などは物よりはるかに危険が大きいのだよ。なぜなら心に一旦入ったら物と違い、突き返すことができないのだから」 -
Posted by ブクログ
「西洋の全ての哲学はプラトン哲学への脚注に過ぎない」という有名な言葉がある。この『国家』を読んだだけでも、なるほど確かにそうなのかも、と思わされてしまう、それほど広範かつ重要なテーマを扱った本である。
ただ、完全無欠の神のような人間の存在(ないしは創造可能性)を前提とした国家設計は許容しがたい。個人より国家を優先して思考を突き詰めれば当然の帰結なのかもしれない。
プラトン曰く、理想的な哲人政治もいつかは落ちぶれる運命にあるという。しかしそれがなぜかを説明する箇所は意味不明の数式で煙に巻く。そもそもプラトンが説くような、完全無欠な哲人が統治を続ける限り、その国家の衰退はありえないはずではない -
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古代ギリシアの哲学者プラトン(前427-347)の主著。副題「正義について」。
真/偽、善[正義]/悪[不正]、美/醜、存在/生成、同一性/差異、概念/個物、一/多、内/外、イデア[界]/仮象[界]、知識/臆見、彼岸/此岸、秩序[cosmos]/混沌[chaos]、必然/偶然、精神/肉体、理性/感性、観想/実践 ・・・。世界をこうした階層化された二項対立的図式によって解釈し、ヨリ価値の低い後者の現実とヨリ価値の高い前者の理想とを区別して(現実とは、イデアを分有しただけの不完全な代物である)、後者から前者への階層移動を志向する、そういう機制としての西洋形而上学は、プラトンによって見出され、そ -
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ギリシャ神話と哲学を少しだけちゃんと読みたい今日この頃。
哲学やってた友達に、「ソフィーの世界よりはももう少し深く
知りたくて、初心者でも読みやすい本ってある??」
と聞いたところ、プラトンの対話篇をお薦められました。
ソクラテスとの対話の流れで書いてあるから読みやすいよー、と。
本屋さんで物色してみて、これともう一冊を購入。
確かに読みやすい!!
大学時代、ニーチェのツァラトストラを読んで10ページで挫折した私、
先にこれを手にとってたらもう少し哲学に触れることができてたかもなぁ。。
えにうぇい。
この本のテーマは、「徳」について。
徳とは何か、そして徳とは教えられうるものであるのか。
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正義とは何かという問で本書は始まる。
脚注によると、古代ギリシアでは「友を益し敵を害するのが正しいことだ」という考えが広く正義ととらえられていたようだが、プラトンはそうは思わなかったようだ(p42)。人を害することは不正なことだと言っている(害することによって、相手は正しくなるのではなく、不正になるから)。
個人にとっての正義を考える上で、より包括的な存在――国家――にとっての正義を考えていく。
そのために「理想的な国家」を創りだした。
この「理性的な」というのは、「国の全体ができるだけ幸福になるように」(p261)ということ。
理想的な国家には4つの性質があるらしい:「知恵」「勇気」「節制 -
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正義とは何かという問で本書は始まる。
脚注によると、古代ギリシアでは「友を益し敵を害するのが正しいことだ」という考えが広く正義ととらえられていたようだが、プラトンはそうは思わなかったようだ(p42)。人を害することは不正なことだと言っている(害することによって、相手は正しくなるのではなく、不正になるから)。
個人にとっての正義を考える上で、より包括的な存在――国家――にとっての正義を考えていく。
そのために「理想的な国家」を創りだした。
この「理性的な」というのは、「国の全体ができるだけ幸福になるように」(p261)ということ。
理想的な国家には4つの性質があるらしい:「知恵」「勇気」「節制