プラトンのレビュー一覧
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不正な死刑判決なんてうっちゃって逃げようとアドバイスする友人すらも淡々と論破する真の論破王ソクラテス。
終始ソクラテスが突き抜けてサイコパス(ロジカルすぎて感情とかプライドとか置き去りまくる)だし発言の一つ一つが裁判官煽ってて(正しくても)そりゃ反感買うよなーとか、若者がソクラテステンプレ使って社会問題になるのとか現代と同じやん…とか、ここからのプラトンの『国家』か…とか、いろいろかなり楽しめる本でした。結構声出して笑った。
ソクラテスの一貫性、言行一致の態度は本当に見事。でも、普通の人はあなたほど理詰めでは生きられないことにも気づいてほしかったよ… -
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興味本位で哲学関連の本を手に取りました。
イデア論で知られるプラトンの一書で、愛を司るエロス神を様々な登場人物の口から賛美させるというもの。
ただ、結局は師であるソクラテスを称賛する形で締められており、愛を哲学するというには、潔さに欠ける構成だと感じてしまった。
西洋哲学の源流ともされる古代ギリシャ哲学ですが、ギリシャ神話を前提にしているために、その視点にとらわれるのは致し方の無いところで、「愛」に対する普遍的・本質的な解釈にまでは当然昇華しきれていないですが、それでも古代の制限された知識のなかでここまでの議論がなされていることは興味深いです。
なお、古代ギリシャと現代との社会通念の乖離 -
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プラトンはなぜ「ソクラテスの弁明」を書いたのか?
ソクラテスの無実を訴えたいのだとすると、普通にソクラテスの無実を訴えればよい。つまりいかに嫌疑が誤っていたか、裁判員がなぜ判断を誤ったかについて書けばいい。
プラトンの選択は異なる。訳者によると「ソクラテスが裁判で実際に語った内容の記録ではなく、また、その言葉の忠実な再現でもない。ソクラテスの裁判とは何だったのか、ソクラテスの生と死とは何だったのかの真実を、「哲学」として弁明するプラトンの創作」だという。
プラトンはソクラテスの弁明によってというより、その死から哲学的な刺激を受けたのだ。ソクラテスが無罪放免になっていたら、プラトンはこの -
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ネタバレ3人のソフィストたちによって告発されたソクラテス。
弁論に長けたソフィストたちを対話によってその矛盾を突き、自身や社会、あるいはこの世の全てを知らないと思うソクラテスの営みこそ彼自身が裁判にかけられることとなった理由である。
もちろん、「弁明」とはその裁判におけるソクラテスの主張のことであり、ソクラテスは当然これらの容疑について善きものであると捉え、憎まれていることこそが真実を語っている理由であるとしている。
古典的名著である作品は多くの分析がなされ、その重要点についてあらゆる箇所で論じらている。私は自身が印象に残った点を取り上げたい。
ソクラテスがいかに論じることでその矛盾をついたのか -
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わかったようなわからんような…「エロス」神についてソクラテスがいろんな人に語らせて、最後おいしいとこ持っていくみたいな感じ。
でもソクラテスのような「知」を愛する哲人には簡単にはなれないんだよ、っていう。
本書の裏表紙の紹介文では「なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか?」とあるけど、実際には当時のギリシャの「少年愛」が主題。解説ではそれは男女の恋愛にも通じる、とはあったけど。この点を含めて訳者による解説は充実。訳も読みやすい。
「エロス神」と聞くと「ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々」をつい思い出しちゃう…。自分は到底哲人の「て」にもなれませんわ。 -
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ネタバレ「アルキビアデス」は、うぬぼれ屋のアルキビアデスの「国家の支配者になりたい」という野望のためにという触れ込みでソクラテスの話が始まる。その野望が実際どういうことなのか、何を目指すのかについてのアルキビアデスの無知を対話によって明らかにし、「魂の配慮」へと意識を向けさせるという流れだ。「クレイトポン」はとても短く、ソクラテスは徳を育てることの重要性について目覚めさせる事はできるが、実際に徳をどのように養えばいいのか教えてくれない、というクレイトポンの非難のみで終わってしまう。
「アルキビアデス」「クレイトポン」は、プラトンの真作かどうかは議論があるらしい。学術的には大議論で結論はついてない(とい -
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アガトンのコンテスト優勝を祝う宴席の場で、出席者がそれぞれ愛の神エロス(解説によればキューピッド)を賛美するお話。
構成が凝っていて、出席者アリストデモスが宴会の様子をアポロドロスに話し、アポロドロスは、その話を聞かせろ、とせがむグラウコンに一度話をしたので、お安い御用と今からもう一度その話を読者に対してする、という設定(でプラトンが創作している)。プラトンが哲学者になる前のお話だから口頭伝承の形にしてしたのだろうか。
いろんな説が出る中、最も有名なのは、古代、人類は男・女・アンドロギュノスの三種類があって、神の怒りを買って真っ二つにされた、失われた片割れを求めて人類は愛し合う、というもの -
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前に読んだ倫理学の本(の中の登場人物)がプラトンの「国家」を絶賛してきたので、じゃあ読んでみようかと思ったら、とんでもない大作だったので、もう少しライトなものからにしようと、「饗宴」と本作を手にとった。
以前、岩波かなんかで読もうとして、たったの100ページちょっとなのに挫折したことがあるが、いつものように光文社古典新訳文庫だととても読みやすくて助かった。
東大総長が卒業式で「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」と言ったとか言わなかったとか諸説あるが(JSミルの言葉を不正確に引用した式辞原稿のこの箇所は結局は本番では読まれなかったが原稿を紙で貰っていたマスコミが本番発言と照合もせずに誤報 -
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ネタバレ「ティマイオス」は前に現代書館のやつで読んで正直全然頭に入ってこず、読み直す気力もわかない…と言う感じだったのだけど、これはちゃんと話の内容が分かって嬉しかった。
デミウルゴスによるイデアを模した宇宙の生成と、神々による宇宙を模した人間の生成を見て、そして三角形の組み合わせで作られる土・水・空気・火による物体の成り立ちの話をし、物体としての人間の体の構造をつぶさに見ていく。
ちょっと分かりづらいと感じたところでは註でざっくり内容をまとめてくれていたり、文章で分かりづらい三角形や多面体の話なども註に図を出してくれていたりしてとても親切。解説の「必然」の話もとても参考になった。「ティマイオス」二冊