一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ先にスピンオフのアンティミテを読んでからこちらを読んでしまった。
どっちが好きかと言われたら・・・アンティミテかなぁ。
でも、こちらもおもしろかった。
母の再婚相手がメガネフレーム会社の社長で、結婚してからヒットをとばし急にお金持ちの息子になった。そのあとすぐ母が死亡。
義理の父と自分だけになった。義父は羊(よう)にとてもとてもよくしてくれ、関係は良好。だけど、とても忙しいので、広すぎるタワマンで独りぼっち。
母と二人暮らしの時は高校にいけるかどうか・・だったのに、今はお金持ちばかりの高校に通っている。
そんなとき、クレジット会社のコンシェルジュに世話になることがあり、一色と知り合う。
一色は「明日取引先の中国人の息子がどうしても欲しいというスイカミルクフレーバーのキャラメル千個を用意してほしい」という要望にしっかり応えた。
それどころか、彼らが乗る飛行機に955個を受託荷物の手続きをしてすでに乗せ、5個は飛行機内で食べられるように・・と直接手渡すという配慮まで。
羊はその完ぺきぶりに、「お金があったら何でもできるんだな」とちょっとあきれる。
が、空港で義父と別れてトイレにいくと、先ほどのコンシェルジュ、一色が顔を洗っていた。さっきは完ぺきなコンシェルジュだったのに、ちょっと砕けて人間味があるのをみてしまう。
一色は「口止め料ですよ」と羊の口にキャラメルをいれた。
羊は今の学校には行ったのは、中学まで友だちだった和楽が入学するから。
昔、ボロアパートに母と住んでいた時に同じ校区で小さいころから友だちだった。
和楽の祖父が日本画の大家で、父母とも絵描き。生粋の絵描き一家だったが、和楽自身は絵を描いて生計をたてようとは思っていない。
中学までは一般庶民と同じ暮らしを・・ということで公立中学だったが、高校からはこの両家の子息しか入れない学校に行く予定だった。
羊はある理由からそこに入れてほしい、和楽と同じ高校に行きたいと頼んで入れてもらった(もう、義父の事業が目まぐるしく成功して家のランクとしては入れた)
が、周りは生粋のお金持ち。話がなかなか合わない。
ちゃんと回りも分かっていて、でも羊をからかうこともなく、「庶民っぽいキャラ」という感じで扱われていた。
その感じがとても・・・しんどい。
よくわからないこのしんどい感覚になると、一色に無茶を言う電話をするようになった。
興味のないプレミアチケットを急に用意させたり、
レアでなかなか入手できないフィギュア(興味なし)を用意させたり・・
それをきっちりこなす一色。
ある時父が、うちのランクだとコンシェルジュは父の要望は聞いてくれるが家族からの要求までは聞いてもらえないという。
なぜ?一色はいままで自分のいう事をきいてくれていたんだ?
一色に問い詰めると、無茶をいう事で羊の気持ちがすむのであれば付き合っていただけ・・という。
それからちょっと一色は砕けた雰囲気に。
そして、会社の電話ではなく(こちらは全て録音されている)、個人的な電話番号を伝える。
羊は一色に会いたくて、いろいろ会う口実をつくる。
いっぽう、それを身近で見ている和楽。彼は羊が好きだった。
でも、そもそも羊がゲイやバイな訳はないと、告白もせずにいた。
一色にはその気持ちはばれていたが。
ある日、実の父親が羊のところに現れた。お金を工面してくれという。
もちろん、断ったが、しつこくつきまとう。
一緒にご飯をたべようとついていたが、薬をいれられたのか軟禁?誘拐?の状態になっていることにびっくりし・・・
本編?らしきものがおわってからは、
一色と羊がくっついた後の話がありまして(和楽の告白は最後のお話のなかにある)
ラブラブでよきですなぁ~って感じですかね。
この高校生の和楽が、大人になりキュレーターになって「アンティミテ」では主役としてでてくるんです。
羊に振られてからは、なかなかな生活だったようですよ。特定の人はつくらずにあちこち・・・って感じで?
それを知りながら読むと、和楽もつらいなぁ・・って思ってしまった。
先にアッチを読んだので、どっちかって言うと、和楽に感情移入してしまった -
Posted by ブクログ
男性にしかわからない思考、女性にしかわからない思考がはっきりと対比して見せつけられ、同じ人間でありながら、違う種のように感じる1つの理由が、はっきりとした描写で書かれていて、新しい経験をした気がしました。人(社会の一部)として、恋人として、家族として、兄弟として、同僚として、加害者・被害者として、多くの感受がとてもリアルに感じ、フィクション作品でありながら日常生活において何か考えさせられました。相手を理解しようとすることが、解決になるとは限らないけれど、それは努力なしには成功がないことと一緒で、何もしなかったら、好転するはずがないことと同義だと思います。私は、周りの人を幸せにする力をつけたいと思ってはいますが、なかなかそのモチベーションと技術は長年つきません。そのチャンスが来た時に、すぐに一歩踏み出せるようにこのような本を今後も読んでいきたいです。
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Posted by ブクログ
ノンケ・ストレートを口説き落として受け堕ちさせた挙句に相思相愛という腐女子垂涎のBLストーリー。
一穂ミチ好きが高じてとうとう BL にまで手を出してしまった…というわけではなく、角川文庫に入っていたので一般小説かと思って読んだというのが本当のところ。こういうのはルビー文庫に入れておけよ、と思ったら、初版はフルール文庫ブルーラインというBLレーベルで、長らく絶版だったものを昨今の一穂ミチの活躍を見て角川文庫で復刊させたものらしい。普通に同一レーベルで復刊すればいいのに。
まあ、出生をめぐってあっと驚く展開もあり、濡れ場もたっぷりあり(まったく興奮せんけど…)、舞台となる海辺の町の雰囲気も良く、面白いは面白かった。 -
Posted by ブクログ
恋と食のある10の風景
個性豊かな短編とエッセイがぎゅっと詰まった一冊
収録作品は以下のとおり
一穂ミチ 「わたしたちは平穏」
古内一絵 「ワタシノミカタ 」
君嶋彼方 「ヴァンパイアの朝食 」
錦見映理子 「くちうつし 」
奥田亜希子 「白と悪党」
尾形真理子 「SUMMER STREAMER 」
原田ひ香 「夏のカレー」
《エッセイ・掌編》
田辺智加 「初恋と食事」
山本ゆり 「ゆかりとバターのパスタ」
山田詠美 「恩響の彼方のトマトサラダ」
私は特に、錦見映理子さん、尾形真理子さん、原田ひ香さんの作品が好みだった。
ある作品では、涙がじんわり浮かんでくる。
またある作品では、言葉のセンスが上手すぎてニンマリしてしまった。尾形さんの背徳行為とか。笑
どの作品も、恋と食がテーマという以外は、全く趣が違っていて面白い。其々の個性が光っているので、気になった作家さんの他作品も読んでみたいと思った。
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Posted by ブクログ
大阪の民放テレビ局で働くアナウンサー、報道デスク、タイムキーパー、ADたち、華やかそうに見える裏側にある悩み、葛藤、辛さ、ままならない思いなど。小説の題材としてはいかにもではあるし、一穂ミチの描き出す物語は傷ついた心を少し癒すような、労わるようなところがある。
お話としてはしょうもないなあ、まあそうね、でも何とかなるよ、とか思いながら読み進めたが、この作家の傑作を読んできたところからすると、かなり物足りない。というか、この軽さやよく言えば優しさが、この作者の真骨頂なのかもしれない。大阪とマスコミという自分が好きでない題材による評価は必ずしもこの小説への正当な評価とは言えないが。