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街の灯ひとつにも登場する葛井の話だと知って、すごく楽しみにしていた作品でした。
読み終わった後は、いつものように一穂ミチさんってすごいな~と。
専門的な内容に、しっかりとキャラクターの設定が絡んでいるところがよかったです。
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街の灯ひとつ、のスピンオフ。初鹿野の同僚葛井さんのお話。
他人に関心が薄く、恵まれた環境にいて頭も良い葛井のキャラクターは一穂ワールド的というか、どしゃぶり(ナイトガーデン)の和章を思い起こします。
新はBLにありがちな重いバックグラウンドを抱えたキャラクターですが、悲壮感が強すぎず、傷を抱えながらもひたむきにまっすぐ生きている健やかさの持ち主であるところに好感を持てました。
考えも生き方も違う二人が静かに穏やかに心を寄せていく様が言葉運びの軽妙さと繊細な感情描写で丁寧に穏やかに思いを育てていく様が心地よい。
派手さはないのですが、静かな灯火のように心に灯るぬくもりが優しかったです。
個人的に一穂ワールドの「理屈も苦悩もなく本能のまま恋に堕ちる」人間像は男同士の恋を悲劇に仕立て上げない居心地のよさがあって好きです。
家庭がほしいという新の苦悩を知っているから踏みとどまる築と、それでも良いと軽やかに築を選ぶ新の嫌味のなさがとても良かった。
地味にやられました(笑)
「街の灯」より断然良かった!(あっちの小難しい名前がどーもねェ、、って感じだったけど本作のは馴染みある名前で良かった。笑)「発展性のない」蚕の飼育と体の「欠け」を修復する仕事の同性愛との対比みたいのが世知辛くも面白く、全く恋になんて発展しそーになかった築と新だったのにスルスルっと恋愛に落ちちゃう展開に、さすが一穂さんっと毎度同じ科白吐かされました(笑)無機質通り越して乾き物みたいな築ですが温度低いヤツだな〜と思ってたら中盤の新のための凄一大猿芝居(?)には胸が痛熱くなりました、恋しい誰かの本当の幸せのために出来る最善。。ほんと地味に泣かされますよ、本作。良い意味で新の気の抜けた大らかさと築の物言いはキツくも裏がないってゆー2人の人間性も好きでしたね。「先を考えすぎるから不安になる。じゃー毎日好き付き合ってって言う、で毎日更新して」ってゆー新の発想には脱帽!いや感動のシーンなんですけどね、プッときました(笑)あと初Hのとき現場でネット検索→物資調達って件はやけにリアルであるある的に笑えました。全然エンタメって名のオブラートに包まれてないけど、、みたいな(笑)。
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「何事にも意味はないけど理由はある。意味はそこにあるんじゃなくて自分で与えればいい」というような主人公のセリフが気に入った。
ノンケの友情いい・・・たまらん。
攻めが受けに見せる好意が恋愛感情によるものなのかと思ったら本当にただの友人としてのものだったのに、受けが攻めに惚れてしまう展開がよかった。すき。
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こういう空気の、淡々とすすんでいく静かなBL小説は好きです。そして、登場人物の背景やキャラクターがしっかりしていて読みごたえがあります。甘さはないけれど、恋愛小説として楽しめるし、きゅんとします。
ー齢三十、生まれて初めて、キスというのをしたー
そんな、人付き合いの苦手な、築(きずき)のキャクターが好きでした。
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「街の灯ひとつ」スピンオフ
技師製作・灰谷新×遺伝子研究・葛井築
人づき合いのいっさいを面倒とおもってきた築。
痴漢にあった高校生を庇う新と出会い、しかも近所住まいで。
仕事に真摯に向き合う姿勢が丁寧に書かれていて、くどくなく、しかも専門的な説明もGOOD。会話も、なにげない日常の切り取り方の上手さも健在。
新のトラウマを「見せられない耳」と表現する言葉の妙。
好きな女性がいながら築に惹かれていくのは、なんとなくイヤなんだけど、それすら許せてしまう流れのよさが悔しい。
これはこれで良いわ〜
築の少し変わったというか、素直じゃないところが、あまり可愛くないわ!と思いながら読みましたが、気付けば『こーゆー子っているよね⁉︎』目線で読んでました。
お互いノンケだったけど、築と新は、お似合いだと思いました。
全体的に好きですが、二人が惹かれ合った理由がいまいちわからないというか…。
もともと異性愛者の二人が気の合う友達でなく、恋愛感情として見るようになったきっかけがわからなかったです…。
あと初鹿野をわざわざ出す必要あったのかな?と疑問です…。
ストーリーのきっかけを作ってるわけじゃないし、ただ顔出ししてるだけで、セリフも前作と同じなわけで…。
うーん…不思議…。
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前作が良いとスピンオフにはあまり期待しないのが常だけどこれは良かった。どうしても前作と比べてしまいそうになるので、独立した話だったらもっと良かったかも。
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『町の灯…』があんまり好きな路線ではなかったのでどーしよっかなぁと思いつつ読んでみた。
別にスピンと謳わなくてもアレだったな。ほとんど接点ないしw。
あの性格の受けさんが電車で肩を貸してしまうあたりで、もうすでに何かを許してしまっているのでしょうが、なにかいきなり恋愛スイッチ入りました?
……まぁ、恋なんていきなりおちるものだから仕方ないにしても。好きだからこそのその方向・・・なのかぁ?やっぱこの受けは理解の斜め上の行動。そこを受け入れられるかどうかでこの本の感想って違うんだろうなwww
Posted by ブクログ
『街の灯ひとつ』のスピンオフ。時間軸もかぶってるので、初鹿野も時々登場します。受の葛井が前作で自分のことを“草食男子通り越してただの草…”とか言ってたので、どんな無機質くんが来るのか楽しみにしてました。もしかしたら栫先輩ばりに病んでるのかなとかww
読んでみたら、『街の灯』の時の印象とは全然違った。
もっとずっと健やかな子だった。
自分に他人にも正直で超ストレートな物言いをする。そのてらいのなさは、どんな自分でもありのまま受け止めてくれる家族との絶対的な信頼関係に裏打ちさるているんだと思う。
一方、攻の灰谷は正義感が強くて、他人の気持ち、痛みに恐ろしく敏感だ。一見物凄く健やかに見えるのに、家族に暴力を振るった父親と自分もいつか同じ轍を踏むかもしれないと強迫観念にとりつかれている。
対照的なふたり。
灰谷にとって、葛井はいつも欲しい言葉をくれる人。発した言葉と内にこめられた意味はきっかり同量で、余分な気遣いや同情なんてしない。だから安心する。
葛井にとっては、灰谷は悉くペースを乱す人。灰谷と会うたびに、ベタ凪ぎだった葛井の感情に揺らぎが生まれる。
葛井が灰谷を遺伝子の呪いから解き放とうと画策するくだりが好き。
灰谷が夢見る暖かい家庭の灯をあげたいから。男の自分にはあげられないものだから。
でも灰谷は葛井を選ぶ。欲しいのは家庭という入れ物じゃなくて、帰っていい場所、心が帰る場所だと。
今ここにいてくれる君とこれからも
一緒にいたい。
もしこれが夢なら、一生目なんか覚めなくていいっていう潔さみたいなモノに胸がキュッとなった。
お互いの気持ちの変化までは丁寧だけど、即エッチは一足飛びな気もする。
Posted by ブクログ
前作同様、受けの印象良くないというかさいあく(苦笑)見て見ぬ振りするとか人としてどうよ…。今回はきっとこの印象のまま終わるかなって思ってたのに…終わってみればそんな印象はどこへやら(笑)なんか一穂さんの書かれるお話は不思議です。新に出会い恋をしたことで、こんなに変わるのかっていう(苦笑)新の為に嘘を付く築がいじらしかったー。今回もいいお話でした。