一穂ミチのレビュー一覧
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ネタバレフードスタイリストの卵・日高知明×翻訳家雨宮慈雨
叔母実華子の死を慈雨からの電話で知った知明は、居心地の悪い実家を出て、慈雨のところで居候をはじめる。
知明の家も慈雨の家も、理解のない情の薄い家族であるような印象を持ってしまうが、多分ごく一般的な人達が営む家庭なんだと思う。我が子のすべてを許容するってよく言われるけれど、世間の目を良く知る大人がそれらから、当人、自分、周囲の人を守りたいのは当たり前。
知明が母親からの愛情を感じられなかったと思うなら、自分の欲しがったものと与えられたものが違ったんだろうな、それはそれで母子の悲劇ではあるんだけど。そこがかみ合ってる母子ばかりじゃ無いと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ大学生 入江暁行×柘植遙
遙から「好き」と告げられた暁行は、その困惑をブログに綴り…。
感想を言葉にしにくい。情景とか心情とかが、難しくないけれど、独特の角度から表現されているのが素敵。ありふれたものが魅力的になる。
いつもそうだけど、仕事や立場がキレイごとでなく、でも真摯に扱われているのが好き。
「自分だけにしっぽがついてるって思いこんで生きてたら、ほかにもしっぽ生えてる人がいて、そしたら見せ合って安心したいじゃん。」なんか分かる。人と違う自分に恐怖するってか、臆するってか、なんかそんなの。
一人でも平気だからって、なにも感じない訳じゃありませんもの。
だれが悪いのでもない真希の失恋 -
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潔癖症の連。
特殊清掃員の長谷川。
なんともアンバランスな二人の恋愛。
一穂さんの作品にしては分かりやすい内容だなと思いました。
この作品を面白いという人は多い。
それにつられて、私も挑戦してみようと思った。
テーマ、ストーリーは結構面白かったです。
連は可愛かったし、長谷川も一生懸命だったし。
しかし、文章の違和感はやっぱり拭えない。
セリフでやっと人物の性格が分かる。
連のお見合いになぜ長谷川が怒ったのかが理解できなかった。
☆あらすじ☆
製薬会社でオゾン消臭剤の研究をしている連は、同僚の代理で無理矢理合コンに参加させられる。潔壁症ぎみなせいもあり、悪酔いしたところを、やはり代理 -
購入済み
人の悪意.ダメなところを描く
7篇の短編からなるがすべて描き方 語り口が違う。多彩な語りができる能力を持った作者だなと感じる。7篇の中で「魔王の帰還」のみが明るく 前向きな話である。それ以外は、人の悪意.ダメなところを執拗に描いている。描き方は悪くはないのだが、どうにも主題が合わなくって読みにくかった。あとがきに辻村深月の評が載っていたが、辻村深月の作風と似たところがあるのかな。