無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
一穂作品としては強烈なインパクトはないんだけれど、繊細さと感情の機微がじわじわと染みる良い作品でした。どの作品もだけれど、地の文に印象的なはっとするフレーズがとても多くて、大学入りたての思春期の男の子ならではの瑞々しさと煌めきがもたらしたものなのかな、と。
家族や友人関係、育ってきた環境、人と人との距離の描き方がとても繊細でリアルな機微に溢れていて、はっとさせられたりドキドキさせられたり
等身大できらきら眩しい、純度100パーセントのまっすぐな男の子たちだなぁと。
モチーフとなるオセロの使い方、友達→恋人に変わってからのすれ違いともどかしさがなんともキュンキュンさせられました。
Posted by ブクログ
一穂さん作品群の中で特に好きかと言えばそうでもないけれど、嫌いかと言われれば全然そんなことはないという感じ。
大学に入学したばかりの4月、これから出会うすべてのものへの期待、恐れ。それら全部で、つい体が浮き足立ってしまうような季節。塁は突然知らない誰かに『ヒカリ』と呼び止められる。もちろん自分は『ヒカリ』なんぞではなく、きょとんとする塁に人違いだったと謝ってきた男。自分と同じ新入生の槙志だった。見た目通り浮ついたところのない誠実な人柄の槙志と塁は本来の気安さを最大限に発揮してすぐに打ち解ける。
塁は『ヒカリ』に似ているのだという。人違いだと頭ではわかっているのに、つい声をかけずにはいられなかった、あの切羽詰まった感じが塁はいつまでも忘れられない。何事にも慎重で落ち着いた槙志に似合わないと思ったから。
気になって気になって、それが単なる好奇心なのか、いっそ自分が『ヒカリ』の代わりになりたいのか、塁はだんだんわからなくなる。いつまでも槙志の心の一部を占めている『ヒカリ』
知りたくて仕方ないのに、でも本当は何も知りたくないような、ひとりで空回る気持ち。
そして何の前触れも言葉もない、突然のキス。
えっ何いまの…と戸惑いながらも、塁の気持ちはごくごく自然に恋愛感情にシフトしていく。
そしてようやく明かされる『ヒカリ』の秘密。
外見のしっかり者っぽいイメージの下に隠されていたナイーブで怖がりな槙志。
男と付き合った経験こそ皆無だけれど、そんな槙志への気持ちを募らせていく塁。
素直に高まる気持ちをぶつける自分とは対照的にどこか理性的な槙志につい焦れったくなってしまう。
かみ合わないことが、さらなる焦りを生んでお互い誤ってばかり。こんなことになるくらいなら、好きだけど元の友達に戻ろうと告げる槙志。
こういう展開デタ━━(゚∀゚)━━!!!
慎重で臆病で相手を想うあまり、かえって相手の気持ちを置き去りにしてしまうパターン。
槙志の過去を思えば致し方ないと頭ではちゃんとわかっているはずのに、心が納得できなくてついていけない。
最終的には塁の屈託のなさが、臆病な槙志の心を融かすから、まぁいっか、なのだけどさ。
とにかく塁が嫌みのない、健やかないい子だった。あのご両親あっての塁なのだと強く思う。
槙志も表面的にはしっかり者でそつがないのに、内面に脆さを持っている、そのギャップ感が、塁とは対照的でまた良かった。
一穂さんにはめずらしめの等身大の大学生のモダモダ恋愛してる感じが新鮮で悪くなかったけども、だからこそ尚更『イマジナリーフレンド』なんて特異な設定じゃなくてもよかったんじゃないかな~とも思った。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。