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合コンで出会った彼女は「猫ファースト」。付き合い始めて半年、やっと会わせてもらった愛猫は……(「エンパイアライン」)。濃い味と濃い感情が苦手なふたりが、それぞれ冷凍庫に隠しているもの(「わたしたちは平穏」)。名前の付けられない、でも誰もが共感できる感情の綻びに寄り添い、心を解放してくれる6つの物語。
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Posted by ブクログ
楽しみにしていた、一穂ミチさんの短編。 みんなそれぞれに「かけがえのない存在」がいて。それに気付くことが出来ること、その存在がいることってすごい幸せなことなんだな。 "燃える思いも焦げるせつなさも、わたしたちの間には存在しなかった。ふたりとも、そういうのに向いていない。ささやかな意見の一...続きを読む致を見出した時の喜び、共感のほのかな温もりを互いに持ち寄り「恋人」という箱の中に詰め込んで成形した、それでいいと思う。" "始まりたての人生に用意されていたたくさんの扉は、いつしかぱたんぱたんと閉じられていく。自分で閉める時もあるけれど、ほとんどはタイムリミットによって、登校時刻を過ぎた校門みたいに問答無用で施錠されてしまう。" "世間、社会、時代。どんどんアップデートされていく。結婚してもいい、しなくてもいい、出産してもいい、しなくてもいい。お茶汲みとかクリスマスケーキに喩えられた婚期とか、数々の不自由と闘ってきた先人たちのおかげで、いま、緋佐子は自由でいられる。" "お前の母ちゃんも、俺たちも、大人なんかみんなバカだから、お前だけ賢くいる必要はないんだよ。" "そうですね。でも、言いたくなければ言わなくてもいいんです。言わないことで伝わるものもあるでしょう。知らなかった悔しさは来歌さんのもの、言葉にしない痛みはそれを抱えた人たちのものです" "通じているのにわかってもらえない。わかるはずなのに通じない。言葉、難しすぎる。"
爽やかな小品集。とても良かった!! 第1話 通勤電車で透明人間と会話しているおじさんを見かける。合コンで出会ったマリは猫を溺愛している。つきあいだして半年後に家に招かれた。行ってみると猫はいなかった。エア猫だったのだ。同棲を始めた。マリはエア猫セッコのために猫タワーを組み立てる。ある日子猫を拾う。...続きを読む連れて帰ったら、セッコがびっくりすると言われる。セッコが原因でマリと喧嘩して出て行ってしまった。 第2話 井子は若月さんと同棲を始めた。若月さんの家は平屋の一戸建てだ。そして女の人が現れる。アルバムの中にその人はいた。若月さんの元妻らしい。離婚届を残して出奔した。 第3話 すごい月経過多だった。レディースクリニックを受診。特に問題はなし。更年期とか人生の終わりとかを考えているのに、保にプロポーズされる。 第4話 単身赴任の夫が帰ってきて、なんだか目頭の切開を美容整形でやっているのでは?との疑惑を抱く。娘に言ってみると、あんまりみてないからわからないと言われた。 第5話 インターホンが鳴って、出ると甥っ子の一が立っていた。新幹線に乗ってやってきたらしい。一の母親は蒸発していて行方がわからないが、会いたいのだそうだ。テレビに映り込んでいるのを見つけたらしいが、奈良しか手掛かりはない。彼女の藍も加わって奈良に行くことになる。 第6話 来歌はおばあちゃんだと思っていた人物が大叔母であることを知り、なんとなく心の距離が遠ざかっていた。施設の人から電話があり、大叔母の指笛がうるさくてどうにかして欲しいと言われる。
1番最初のお話で惹かれた。 初めての感覚だったけど、共感もできるし 新たな発見だったり。 読んでてとても面白かった。 かけがえのない存在ってなんだろう。
大好きな一穂ミチ先生の短編集。 ちょっと不思議な感覚のお話たち。 一穂ミチ先生の軽妙な文章や会話劇で、深刻だったり不穏だったりするシーンも生き生きしたセリフにクスッとしたり、軽やかに進んでいってとても読みやすいし、嫌な気持ちになることがなかったです。 一番好きだな、と思ったのは 「月を経る」共感だ...続きを読むったし、保さんがすごく素敵。 「エンパイアライン」も好き。ちょっと不思議で共依存っぽい感じが好みだった。 「すげえ泣くじゃん」は余韻が残って、なんとも言えない気持ちになりました。 全部良かったです。 「たぶんそんな感じ」自身も親のこととか、大人になって初めて知ることとかたくさんあって、当たり前だけど、歳を重ねた分だけそれ相当の色々なことがあったりして。人生について、ちょっと思ってしまいました。
読みやすかったです。 恋愛小説中心の短編集。 それぞれの短編集に付けられてる表題の意味が分かると更にこの本が愛おしくなります。 それこそ「たぶん、恋しい」という気持ちに自分自身がなっているんだ思います。 一穂ミチさんのこういう繊細な文章がやはり好きです。
生きているといろいろある。 言葉にしなくても伝わる気持ち、言葉にしない、 出来ないやさしさや痛み… 説明できないあらゆること、折り合えない気持ち。 「たぶんそんな感じ」という曖昧さに、救われた。
「あなたがいてもいなくても、 私は上手に息ができない。」という一文に強く惹かれた。 「通じているのにわかってもらえない。 わかっているのに通じない。」 いつまでも消化できない、白黒つけられない感情を 優しく救い出してくれる最高の短編集だった。 いるけど、いない。 いないけど、いる。 人と人との...続きを読む関係性の曖昧なグラデーションを 温かい光で包んでくれる6編でした。 今までの一穂ミチ作品の中でも 抜きん出てて愛しくて優しい一冊です! タイトルも読後感にぴったりで秀逸!!
6つ(ノベルティ作品を入れると7つ)の作品に共通してピュアな感情を装った人の怖さが隠れている。 ホッコリするようで、捉え方を変えると恐怖をを感じるものばかり。
《人は、言葉にならない想いと生きていく》 楽しみにしていた一穂ミチさんの新刊✧*。 かけがえのない存在に気づかされる6つの物語が収録された短編集。 一穂さんの短編ってサラッと読めるのに、心にズシッと残るんですよね。 きっとそれは余白があるから。 一篇を読み終える度にその作品のことをじっくり考え...続きを読むたくなるような、心に染みる短編集でした✧*。 「エンパイアライン」 現実として同じものを見ていても、それがただの情報なのか、支えなのか、救いなのかは人によって全然違う。 人が大切にしている物事を、一緒に大切にできるかどうか。 そこが合わないと同じ場所にいても孤独になるし、逆にそこが合うと事実がどうであれ関係は成立するのかもしれない。 「わたしたちは平穏」【再読】 以前アンソロジーで読んだので再読。 自分にとっての平穏な生活を守るためなら、相手の穏やかでない側面が見えたとしても、目を瞑って生活できるのかも。 ♥「月を経る」 歳を取ることってタイムリミットによって可能性の扉を閉められることでもあるけれど、それって悪くないことなのかも。 タイムリミットは残酷なだけじゃなくて、自分の人生を少しずつ形作ってくれるものでもあるのかもしれない。 「あなた」 離れて暮らした時間が長いと、知っているはずの人が知らない人のように見えることもある。相手は昔のままではないし、自分も昔のままではない。 それでも、その人が大切にするものや、人への向き合い方といった本質は変わらない。 だからこそ、形が変わっても関係は続いていけるのだろう。 「すげえ泣くじゃん」 私の想像を遥かに越えてきた短編No.1! 傷つけられた記憶は、自分が同じことを繰り返してしまうのではないかという不安に繋がる、というのが痛いほど分かって胸がギュッとなる。 気づかないうちに失っているもの、気づいた時にはもう戻らないものがある世界で、人はそれでも日常を続けるしかないんだよね。 やっぱり関西では「めっちゃ泣くやん」が自然かも。でも「すげえ泣くじゃん」も良き◎ ♥「たぶんそんな感じ」 人と人が心を通わせるには言葉は大切だ。 でも、言葉だけが心を通わせる方法ではないのかもしれないし、すべてを言葉にすることが誠実さとも限らない。 黙っていること、大切にしまっておくことにもその人なりの愛情や思いやりがあるのだと思った。
一穂ミチさんの『かけがえのない存在』を描く短編集。どの短編集も内容が濃くて面白い。 一穂ミチさんは長編も良いですが、短編がとてもお上手。『月を経る』は、人生の扉が閉じられていく感覚が痛いほどよくわかる。主人公・緋佐子が経験する"生理が爆発する"という描写もさすがです。 『あなた』...続きを読むは、単身赴任して帰って来た夫の違和感をグロテスクに描いていて、その違和感が生々しく伝わってきました。 やはり、一穂ミチさんは最高だなぁと感じた一冊。
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たぶん、恋しい
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一穂ミチ
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