あらすじ
合コンで出会った彼女は「猫ファースト」。付き合い始めて半年、やっと会わせてもらった愛猫は……(「エンパイアライン」)。濃い味と濃い感情が苦手なふたりが、それぞれ冷凍庫に隠しているもの(「わたしたちは平穏」)。名前の付けられない、でも誰もが共感できる感情の綻びに寄り添い、心を解放してくれる6つの物語。
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Posted by ブクログ
一穂ミチさんの「アフターユー」が良すぎてファンになりました。
一穂さんの文章は、どこか生っぽくてしっとりしているのが魅力的。
掴めないものを掴みたくなるから、どんどん文章や世界観にのめり込みたくなる不思議な魅力があります。
すごく愛おしい、いろんな「恋しい」が詰まっている1冊。
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一番最後の『たぶんそんな感じ』が一番好きでした。なぜ、認知症になった大叔母が口笛(というか指笛)を吹くようになったのか?の謎がとけて、ホロッとしました。
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全6話からなる短編集。
飼い猫を溺愛する女性と交際をはじめた男の話『エンパイアライン』。
食の好みも暮らし方も恋愛も淡泊、という共通点のある男と交際する女の話『わたしたちは平穏』。
更年期に入り突如出血量が増えた月経に難儀する一回り年下の彼氏のいる独身48歳『月を経る』。
23年にわたる単身赴任生活を終えた夫に違和感を覚える妻の話『あなた』。
27歳の青年のもとに、突然小学六年生の甥っ子が行方知らずの母親に会いたいと訪ねてくる『すげえ泣くじゃん』。
不本意ないきさつで仕事を辞めた女性の元に海外を飛び回る母親から連絡があり、急遽高齢者向けマンションにいる大叔母を迎えに行く『たぶんそんな感じ』。
よりどりみどりの6話で、全て心に残るストーリー。どれも一穂さんの持つ平穏なんだけど最後に心にズシンと響く世界観が広がっている。
最後の「たぶんそんな感じ」は、今日、8月9日に読み終えてよかった。高市さんにも読んでほしい。
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とても読みやすい文章でいて、心に刺さる描写も多い。『そうだったのか』で物語が一つの線になった時の快感が随所に。
特に同世代の『月を経る』は自分と重ねた。
40代、今まで許されていた扉が一つずつ閉まっていく。今でもときめくのに、それらの扉は閉められていく。ミニスカート、ふわふわの巻き髪…その代わりに開けられていく扉って白髪、シミ、ほうれい線…なんだか虚しい。そんな表現にひどく共感した。
若い頃にワクワクした扉と同じときめきを得られる扉はこれから見つけられるだろうか。
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絶妙なバランスを保っている装画のように、男女関係も保たれているのかも······。そんなふうに思えた短編集。タイトルも絶妙。一穂ミチさんの表現力もさすがだった。
【エンパイアライン】
人には見えないものが見えても、心のバランスを保つためなら、それでいいと思えた。
【わたしたちは平穏】
平穏な気持ちで暮らせることが一番。過去はもう終わったことだから、気にしないのが一番と思った。
【月を経る】
月のものをこんなふうに言ってくれる人となら、きっとうまくいきそうな気がした。
【あなた】
単身赴任帰りの夫に聞きたいけど聞けないこと。あるあるだけど、これから少しずつ聞けそうな感じがした。
【すげえ泣くじゃん】
「怖い」という気持ちを押しのけるように、茶化すような言葉を言ってしまうこと。そういうときもある。でも、その本当の気持ちを伝えてもいいと思える人に出会えてることに気づけてよかったと思った。
【たぶんそんな感じ】
言葉って難しい。伝えるのって難しい。でも、気持ちが伝わっているとわかったときはすごく嬉しい。そんな感じ。
Posted by ブクログ
短編集。私はかなり面白く読んだので★5寄り。万人向けの内容ではない(面白かった!と思う層が片寄る本)。恋しくてたまらない、のではなく、多分、好き…かな?どうだっけ?みたいな感情が詰まってます。
「エンパイアライン」
エンパイアラインとは洋服の形のことだが、その単語をたまに電車で見る、空想パートナーを引き連れた界隈有名おじさんのエアー会話で聞いた僕はその日、合コンでマリと会った。かなり気に入ってアタックして、ようやく恋人になれたマリにはセッコという飼い猫がいる。
「わたしたちは平穏」
友達の紹介で若月さんと同棲している。マンションのオーナーチェンジで立ち退きを要求されたとこぼしたら、じゃあ、うちに住む?って言われたから。住み始めて一週間位した頃、私は華やかな容姿の幽霊を見始めた。彼女は若月さんが7年前に離婚した元妻のようだ。
「月を経る」
48歳。月経が乱れ、激しく出血することがある。同居している一回り年下の保とのことを考えると心がやや不安定になる。
「あなた」
夫の哲郎は風力発電に関わるような仕事で、赴任先はいつも田舎。ついていくつもりだったが出産と育児でへばっていた私は単身赴任をしてくれた夫に甘え、つい都会暮らしを続けて、23年後、ようやく夫は帰ってきた。夫のある変化に気づいたことをきっかけに関係を改めて考えたりする。
この話、娘がすごく安定感をくれて良かった。
「すげえ泣くじゃん」
色々良いこととかでも溜まってくると出奔癖ある母に捨てられた一(はじめ)は、その母の弟(一にとっては叔父)である俺を頼って越谷から大阪に突然来た。パンダが日本を去るニュースにたまたま写っていた母が奈良から来たと喋っていて、探したくなったみたいなのだ。号泣してるよ。すげえ泣くじゃん。じつはこのセリフを吐くのは最近2回目だ。
途中、えっ、どういうこと?と思って何回か読み返してしまったけど、結構好きな話だった。最後の俺の決断が心地良い。出奔女はダメだけどね。
「たぶんそんな感じ」
大叔母が口笛吹きまくって困っていると施設の人から連絡あり、日本にいるのは私だけなので一旦引き取って自宅に連れていく。自宅は最後に一緒に暮らしていたらしい橘五朗が住んでいて、訪れることができた。そして大叔母はやはり全ての会話を口笛で返す…。
姪孫(てっそん)も大叔母も単語は知ってたけど、使い方わかってなかったから、その意味を教えてくれた小説ってのと、口笛会話が印象強すぎて、これから指入れた口笛聞いたら多分これ思い出すな。
大人の話なので中学校以上。基本は高校以上向け。
Posted by ブクログ
3.6
なんだかんだで一穂みちさん初めての1冊!
いろんな人がいるんだなぁ〜と
最後のおばあちゃんの話と、出奔した母親を追いかける息子と叔父の話が個人的には好きだった
認知症が入ってきても、大好きなおじいちゃんとの口笛で会話したかったって本当の本心なんだろうなぁ
出奔した母親は自由すぎるけど、息子たちがよく育っててよかった
Posted by ブクログ
人間関係によって、様々な物語が生まれる
人生は関わる相手によって情という感じ方が変わってくるのだと思う
それが感情だったり愛情だったり受け取り方は様々だ
Posted by ブクログ
『たぶん、恋しい』
タイトルの「、」がもたらす余白のように、言葉にできない感情や深い愛情が丁寧に描かれた6つの短編集
どの作品もなんとも言えない余韻のある終わり方がいい
中でも最後の短編「たぶんそんな感じ」は終盤のおばあちゃんと孫(正確には少し異なりますが)の山でのシーンが圧巻で、作品全体を締めくくるにふさわしい余韻があり、心にじんわりと響く名作だった
「ツミデミック」や「アフター・ユー」など、一穂ミチさんは、タイトルのつけ方が秀逸!
Posted by ブクログ
恋人、カップル、夫婦、親子、祖母と孫‥2人の関係性の中にふと足を止めた時、「やっぱりこの人のこと好きだなぁ」って自覚するような瞬間があって、そんなひとときをすくい取るような物語です。
タイトルの「たぶん」という曖昧なことばの方がしっくりくる恋しさや、愛しさ‥。
お互いの性格や過去や生き方を丸ごと受け入れるには、絆のような強固なものではなくて、日常生活の中の『たぶん、恋しい』という気持ちの積み重ねなんだろうなって思えました。
著者の『スモールワールズ』や『ツミデミック』などのピリ辛な筆致とは趣きのちがう、静かな温もりを残す短編集です。
Posted by ブクログ
読み終わった瞬間「良かった!」と叫びたくなる作品も良いけど、こういう後からじんわり良さが伝わってくる作品も良いよな。
エア猫ファーストの彼女も口笛で会話する大叔母も、戸惑うし不思議なんだけど魅力がある。
『わたしたちは平穏』の井子と若月のような穏やかな関係性が羨ましい。
でも一番良いなあと思ったのは『月を経る』の緋佐子と保。
二人のやり取りがあまりにも理想的で本当に素敵だった。
Posted by ブクログ
アフター・ユー以来の一穂ミチさん♪♪
フレンドさんの感想から、読みたい登録✨
『《掛け替えのない存在》を描く希望の物語』
と書かれた帯に期待が膨らみます (˶ᵔ ᵕ ᵔ˶)
六つの短編からなる作品で、どれも、ストーリーにスッと入り込める読みやすさ✨
読み進めるうち、個性的な感性と価値観を持つ登場人物たちに対して当初抱いていた違和感は薄れ、むしろトキメク…たぶん、恋しいくらいに♡(˘︶˘)♡
言葉、難しすぎる
通じているのにわかってもらえない。
わかるはずなのに通じない。
どうしようもない無力感
口笛ならもしかして通じるのかな
伝えたい人にさえ届いたらそれでいい✨
人には、自分にしか分からない「恋しい」がある。たとえ誰かに理解してもらえなくても、自分だけの「恋しい」があること自体が幸せなのかもなぁ…と、思わさった一冊✨
Posted by ブクログ
一穂さんの新作
一穂さんっていうだけで予約してたら短編集でした!笑
連作でもないやつです
短編苦手ですが、最近割と読めるようになってきてました。
お盆でなかなかがっつり本を読む時間がないので、今回は特にちょうど良かったかもしれません(o^^o)
今回はちょっと変わり種?なのにどこか共感してしまうような短編たち
短い中に、気づきやグッと来る言葉、何度も読みたくなる言葉がありました
それぞれ感想残しておきますー!
◯エンパイアライン
娘にも同じようなたかぎなぎさという友達います(^◇^;)
◯私たちは平穏
自分たちがいいと思ってるんだから放っておいてほしいよね
2人の関係好きだけど井子の人付き合い方って実は怖い
◯月を経る
女の人にとって歳を重ねることって
なんか荷物を下ろしていく感じがして
なかなかいいなって思うかも
ちゃん呼びの扉の存亡っていうのがあって
確かにちゃん呼びされる機会は減ったけど
確実にちゃん呼びしてくれる友達は存在してくれるから大事にしなきゃな
◯あなた
単身赴任の夫と23年ぶりに一緒に暮らすってどういう感じなんだろう、、、
でも結構ありえることだよな
そこで気づいた変化に
私は追及できるかな、、、
◯すげえ泣くじゃん
いやーそれはないだろ、それは、、、
、、、え?そういうこと?
◯たぶんそんな感じ
不思議と染みてくる話
会話なんていらないのよね〜
でも今は言葉が欲しい!!!
それがあっての、、、って思う!!
Posted by ブクログ
一穂ミチ先生の何気ない文章が好きです
理解できていないわけじゃないのに、何回も同じ文章を繰り返し読んでしまいます
何回か読むとすーっと自分の中に落ちてくるというか、さーっと染み込んでいく気がして
初めて本にふせんを貼りたい、マーカーを引きたいと思いました
Posted by ブクログ
王様のブランチでも紹介され、一穂ミチさんの作品は個人的に外したことがないので、迷わず手に取った。
合コンで知り合い、交際をはじめた僕とマリ。マリは飼い猫・セッコを溺愛し、猫のために夜は早めに帰り、旅行もしない。つきあって半年、ようやくマリが自室に招いてくれたのだが…
巻頭の『エンパイアライン』を含む6話からなる短編集。どこか不思議でファンタジーテイストなものから、大人の恋愛、家族もの、どんでん返しまで、多種多様な物語。
それでいて、全体を通してじんわり沁みるような、ほっこりするような、優しい気持ちになれるような… たぶん、恋しい空気感が漂っている。
中でも、個人的には『すげえ泣くじゃん』が好き。テンポのいい会話にクスッとさせられ、意外な結末もあり好みだった。
短編の中でも話が短めで、もう少し読みたいと思わせられる。一穂さんの作品をこれから読む人にはおすすめかも。
Posted by ブクログ
誰もが思いあたりそうで、でもうまく言葉にできない繊細な感情。その正体が「たぶん、恋しい」なのか。一穂ミチらしい心の機微の描き方が、なんとも絶妙。
Posted by ブクログ
一穂ミチさん。短編、良いなぁ
日常のちょっとした事が、作家さんの脳みそを通ると、印象深い作品になる。
言葉にしない痛みはそれを抱えた人たちのもの
Posted by ブクログ
全ての短編がよかったけど、特に「すげえ泣くじゃん」がよかった。短い話なのに全て濃密。
自分が理解できない人を排除してはいけないと強く刻む必要があるし、そのためには心理的な余裕も必要と感じる。
Posted by ブクログ
お話毎に登場人物の性別、物語のテイスト、表現の仕方全てが様々。一穂ミチさんの読者を引き込ませる圧倒的な筆致に魅了されつつ、全6篇を堪能。
湿り気がなく、心に爽やかな風を吹き込んでくれるお話たち。次作も必ず読むし期待せずにはいられない。
壮大な長編小説も好きだが、テンポ良く話が進む短編集も同じくらいに好き。一冊で複数のお話に出会えてお得感もあるし。
為書きを書いていただいた思い出も含めて大切な一冊になりました。一穂ミチ先生ありがとう!!
Posted by ブクログ
一穂ミチさんの作品はどれも素晴らしい…
6つの作品の中で特に私が好きだったのは、
・エンパイアライン
・すげぇ泣くじゃん
・エンパイアライン
自分の目に見えるものしか信じられない
当たり前を疑える考え。
たまに電車で出会う人達に…
私には見えていない物が見えてるんだな
って優しくなれる物語でした。
・あなた
がどうゆうことか分からず…
誰か教えて欲しいです。笑
Posted by ブクログ
【収録作品】
エンパイアライン
わたしたちは平穏
月を経る
あなた
すげえ泣くじゃん
たぶんそんな感じ
自分らしくいられるように生きていく。
ささやかなことなのになぜ難しいのだろう。
「たぶんそんな感じ」の母親と大叔母の生き方が好ましい。
Posted by ブクログ
4話目の「あなた」が訳分からんすぎて微妙かな、、と思ってしまったけど5話目の「すげえ泣くじゃん」で私もほろっと涙が出てしまった。
わぁ、まさか、、オチ読めず。
「すげえ泣くじゃん」→「たぶんそんな感じ」の並びもいいかも。
読んでよかった。
一穂さんの作品、また読んでみよう。