あらすじ
合コンで出会った彼女は「猫ファースト」。付き合い始めて半年、やっと会わせてもらった愛猫は……(「エンパイアライン」)。濃い味と濃い感情が苦手なふたりが、それぞれ冷凍庫に隠しているもの(「わたしたちは平穏」)。名前の付けられない、でも誰もが共感できる感情の綻びに寄り添い、心を解放してくれる6つの物語。
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短編集。
とても良かった。
最近は、何でも言葉にして表現することが多くなっていて、自分の中のモヤモヤした部分を言い表してくれるのが痛快で好んで手にしてきたけれど、これは、全てを言い表さない、余白があるみたいな。含みを持っている感じがとても良かった。
みんな色々あって色々抱えているけど、私を含め、きっと大抵の人はこんな風に自分を守って生きているよなあ。とどこか安心できた。
そんな風に感じるのは、今だからなのかもしれないけど笑
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短編集。やっぱりぐっと惹きこまれて、面白い。ただシンプルに面白いのでなく、ストレートじゃない面白さ?
全く同じ価値観じゃないけど、わかるような気もする。じわっとくる面白さが好き。
すげえ泣くじゃん
って言葉もなんかいい。簡単には使えなさそうだけど、ちょっと使ってみたい笑
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日常のすぐ隣にある狂気と喪失を描いた、ビターで美しい短篇集。
短編集ならではの終盤のどんでん返しや秘密の暴露がある。しかし、この作品では、爽快な伏線回収ではなく、読者の足元をすくい、胸をざわつかせる。「エンパイアライン」における架空の猫の危篤は関係の終焉を拒む切実な脅迫となり、「あなた」では二十三年ぶりの同居で夫に覚える「入れ替わり」のようなSF的恐怖が、不在が生んだ暗い溝を突きつける。
どの短編も真相が明かされた瞬間、下手なホラー以上の寒気を覚えさせるが、物語は決して答えを出さない。結末の解釈は読者に委ねられており、スッキリと解決しないからこそ、本を閉じた後も余韻が残り続ける。
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全て自分の気持ちを言語化できて他者に伝えられたらいいけれど、実情は言葉では言い表し難いし正確に伝わらないことも多い。だけど無理に表す必要もないのかなと思った。
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一穂さんらしい、優しさの中に少し物悲しさのあるお話しが詰まっていました。
帯文にある通りの「これは私が生きていくために必要なもの」とゆう言葉、説明が、とてもしっくりきました。
どの話しも好きだったけど、最後の「たぶんそんな感じ」の世界観と、出てくる人、特に橘さんのセリフで好きな所があって、とっても気に入りました。
読後感がいいってゆうのはこうゆうことかな、と久しぶりに思えました。
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短編小説がいくつか、みたいな感じでどれも読み応えがありました。同じ著者が描いている作品だなーと感じることが多々ありました。描き分けを期待する方には向いていません。
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「突然いなくなられると、実態より気配が恋しいんだ」「日毎に新しい扉が開く年月を折り返せば、今度は戸締りの連続が待っている」など、好きな言葉が沢山あった。どの短編も良かったけど、一番好きなのは「すげぇ泣くじゃん」最後のビックリする展開も好き
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ちょっと個性的というか、変わってる人がいっぱい出てくるんだけど、こういうのってどこで思いつくんだろう
後出てくる男の人って、多分女性から見て魅力的だと思う性格とか行動パターンの人達なのが興味深かった。
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すごく読みやすくてスイスイ読み進められました。
いろんな人がいて、いろんな事情があって
今があるんだなと改めて感じました。
特に「すげぇ泣くじゃん」が心に残りました。
人って考えてることも違うし、
ある言葉で傷つく人もいれば傷つかない人もいる。
人ってそれぞれ。タイミング、相性なのだなと。
切なくて、ほんのりあったかくて素敵な本でした。
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エンパイアラインに引き込まれた。そういう人いる、どこか分かり合えないと思っていた人でも、分かり合えることはある。少し変わった?二人の世界。恋愛、家族、男女の短編集。
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「たぶんそんな感じ」が一番好きだった。
「言いたくなければ言わなくてもいい。言わないことで伝わるものもある。知らなかった悔しさはあなたのもの。言葉にしない痛みはそれを抱えた人たちのもの」というフレーズが深く、何度も読み返した。
世の中は言語化ブームだが、誰にでもなんでも話せばいいってもんでもない。
「言葉にしないとわかんないじゃん」と思っていたけど、言葉にしたところで真意が完璧に伝わるわけでもないし…
話したくなれば話すだろう、という余白を持ち合わせた人間でありたいと思った。
さぁ、次は何を読もうかな~!!
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一穂ミチさんの短編集ということで手に取り読んでいたのですが、感想の書き忘れがあったため、うろ覚えですが記載します。本作は恋愛に関わる短編集ではありますが、題材が割とニッチと言いますか、少し変化球気味かなと思いました。というのも、やはり私の中では巻頭の「エンパイアライン」が強烈でして、猫を溺愛する女性のお話かと思えば、全然角度の違うお話で印象に残りました。人と共に生きるため、お互いの価値観と向き合うことを教えてくれるような作品だったかなと思います。
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「たぶん、恋しい」というタイトルが絶妙。
あからさまに恋しいんじゃなくて、自分でも「たぶん」というはっきりしない感覚。誰かのことをかけがえのない存在だと、ふいに気づいてしまうような感覚。そういうことって、確かにあるなと思いながら読んだ。
短編6つはどれも、ありそうでなさそうな…のぎりぎりラインが一穂ミチさんらしくて面白かった。
一番好きだったのは「あなた」。これから人の目の粘膜が気になって見てしまいそう。
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読みやすい短編集でした。
個人的には「あなた」と「たぶんそんな感じ」が好きでした。小さく溢れるような恋しいさを感じられて、愛しく感じられました。
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さらっと読みやすくて、どれも個々の可笑しさがあって楽しめた。
短編6篇。
「エンパイアライン」〜合コンで出会った彼女は猫ファースト。その猫とは…。
「わたしたちは平穏」〜濃い味が苦手な二人。氷まくら二つ持つ者同士。
「月を経る」〜48歳の緋佐子は、生理が微妙になってきていて…一回り下の恋人からのプロポーズは?
「あなた」〜結婚生活の大半を単身赴任先で過ごした夫が、定年を控え帰ってきたが、目がおかしい⁇
「すげえ泣くじゃん」〜甥が、3年前に失踪した母(姉)を探してほしいと尋ねて来て…。
「めっちゃ泣くやん」じゃなかったのは…。
「たぶんそんな感じ」〜施設で暮らす大叔母の口笛が、止まらなくなったのは…。
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スラスラ読める短編集。読んでるときは先が気になり一気読みしたが今、レビューを書いていると印象が薄くなっている。再読する機会があれば再読しよう。
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一般的な恋愛、結婚、家族とは違う関係性を描き、固定概念を少し揺らしてくれる6編の短編集。どの話も冒頭で「ん?」と興味を引き、中盤では不可解さに首を傾げるのに、読み終える頃には不思議と腑に落ち、味わい深い読後感が残る。 特に「たぶんそんな感じ」が好き。
Posted by ブクログ
個人的に一穂ミチさんは長編の方が好みです。
大人の恋愛=不倫もしくは婚活小説になりがちという現状にげんなりしている方にオススメ。
短編集のこちらでいちばんすきだったのは「わたしたちは平穏」お豆腐みたいな薄いご飯が好きで、混雑しない美術館の常設展が好きで、体があまり強くない若月と井子。
燃えるような恋ではなく、そっと寄り添っている、と言う感じの同棲生活。
でも二人の温度感は周りにあまり理解されない。
そんな中、井子は華やかな女性の幽霊を見るようになり…と言うお話。
島本理生作品ほど女性が遭う理不尽や不愉快さが強くない所も読みやすいと思う。
(結婚していないことに親族が嫌味を言うとかはある)
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6篇を収録した短篇集。連作ではないが、どの作品も妙にもやもやしたものが心に残る。そのもやもやは、人が人と関わることで生まれる違和感をテーマにしているからか。しょせん他人は他人。家族だろうが、恋人だろうが、自分以外の人の心の中なんてわからない。とはいえ、突き放すわけではなく、寄り添おうとしている姿に妙な安堵を感じたりもした。
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かけがえのない存在を描く、希望に満ちた6つの短編集。恋人や家族の日常生活を描いた物語。個人的には、「わたしたちは平穏」「月を経る」「あなた」が印象に残った。その後が気になる話もあった。
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10冊目の一穂ミチさん。6編からなる短編集です。
いやぁ〜やっぱり一穂ミチさんの短編はいいですね。どのお話もちょっと不穏だったり憂いだったりをはらんでいて、とらえどころのない曖昧さを繊細に紡いでる感じ。
6編ともそれぞれ良かったですが、「月を経る」と「たぶんそんな感じ」が好きでした。
「すげえ泣くじゃん」がめちゃめちゃ一穂ミチさん!やられました。
あと「あなた」…えっ、ここで終わる?めちゃめちゃ気になる〜真相が知りたい。
読み終わって余韻に浸りながら改めて表紙を眺めてました。タイトルの曖昧さや、「たぶん」が漢字ではなく平仮名だったり「、」が入っているところとか、「恋」の文字だけちょっと傾いているのも、絶妙なバランスのイラストも、背景のミントグリーンの色も、すべてがこの一穂ミチさんのお話たちにピッタリなんですよね。本当に素敵でした。
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家族、恋人のそれぞれの日常の中の非日常を描く短編集。
私は「たぶんそんな感じ」が好きです。
自分のおばあちゃんが施設に入っていて、
施設から連絡が来たと思ったら
「急に指笛でしか意思疎通をしなくなって困っている」と言う。
しかも、感心しちゃうほど見事な音色で、
結構なボリュームだという。
読み進めるとその理由がわかるのだが、
とても愛しいお話だった。
それぞれの人たちの、日常の中の非日常な出来事を
平熱な感じで書かれている1冊。
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面白かったです。筆者、というか女性目線での物語が新鮮です。最後の「たぶんそんな感じ」は静かに優しくほっこりウルッとこの一冊をより素敵なものにしてくれました。
Posted by ブクログ
「エンパイアライン」
「わたしたちは平穏」
「月を経る」
「あなた」
「すげえ泣くじゃん」
「たぶんそんな感じ」
6話収録の独立短編集。
本のタイトルから、切ない恋愛物語を想像していたが、実際には現実から少し距離のある、どこかふうわりとした世界が広がっていた。
第1話の猫ファーストの彼女との物語は、彼女の内側に潜む闇が少しずつ姿を見せはじめ、行き先の読めない展開に引き込まれる。
登場人物に自分を重ねることはなかったものの、それぞれが大切にしているかけがえのない存在への優しいまなざしを感じ、やわらかな思いが残る短編集だった。
Posted by ブクログ
短編集。日常を切り取ったような心地よい話なのに、それぞれ設定は尖ってるのが面白い。
「月を経る」
歳を重ねるたびに、目の前の扉が閉まっていくという感覚がとてもよく分かる。今しか開かれていない扉は確実にある。
でも、思いがけずもう一度開く扉もあると信じたい。
「多分そんな感じ」
言葉で伝えるのって難しい。『通じているのにわかってもらえない。わかるはずなのに通じない』ということは沢山あって、そこで諦めるというか相手に諦められてしまうことが多かったな、と思い出した。
『言う言わないはあゆみさんが決めることですから。』 他人に明け渡したくない思い出って、宝物でしょう。』
『でも、言いたくなければ言わなくてもいいんです。言わないことで伝わるものもあるでしょう。知らなかった悔しさは来歌さんのもの、言葉にしない痛みはそれを抱えた人たちのものです。』
Posted by ブクログ
一穂ミチ先生の作品は神様みたいに優しくて寛容で、どの年代の人にもよりそうことができる親しみのあるようなものばかりで、素晴らしいです。
読みやすい言葉の中で丁寧に文を書かれていることが想像できます……。
短編6篇からなる小説で、どれも、言葉にできない気持ちや、受け入れ難い気持ちをひとつのストーリーとして消化し、各主人公がその気持ちを自覚し、受け入れていく過程を描いているように感じました。
最後の物語は警句も含め、1番おすすめです。
Posted by ブクログ
こんな形もあっていい。人って、自分の知らないところで、自分が1番になっていることに気がつかない。だから、擦れ合って傷がつく。その傷こそが、成長の証。そんな気持ちが生まれた作品。