喜多喜久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「このミス」受賞の恋愛小説。ミステリーというよりもファンタジーという方が適当な気がしますが。
大学の有機化学研究室を舞台に、恋愛免疫の無いまじめ学生くんが美人秘書に一目惚れ。そこに何故か死神が絡んで、彼の恋と研究生活はどうなっていくのか・・・
背景設定は異色ですが、全体的にはオーソドックスにまとまっており、ほのぼのした空気の作品でした。
私自身が有機化学研究にも従事していたので、研究室に関する諸々の事柄が刺さりましたが、一般読者には分かりにくいであろう専門描写も少し出てくるので、そこで引っかかると物語を楽しめないかも。
ストーリーは安心の展開です。 -
Posted by ブクログ
読書録「死香探偵 連なる死たちは狂おしく
香る」4
著者 喜多喜久
出版 中央公論新社
p162より引用
“「そもそも、人が人を大切に思う気持ちに
性別は関係ない。自分にとって相手はどんな
存在なのか。そして、相手にとって自分はど
んな存在なのか。重要なのはその双方向の関
係性だけだ。そこに他者の意見が入り込む余
地はない。私はそう考えている」”
目次より抜粋引用
“歪んだ愛が招く死は、ほろ苦い香り
湯けむりに霞む死は、青葉の香り
艶やかな香り、自由の彼方の死より来る
安らかな死は、蠱惑的な香り”
得意体質を手にしてしまった特殊清掃員と
分析化学に情熱を燃やす准教授を主人公とし -
Posted by ブクログ
読書録「死香探偵 尊き死たちは
気高く香る」4
著者 喜多喜久
出版 中央公論新社
p257より引用
“製造業の現場では、初心者やベテランでは
なく、入社三〜五年目程度の中堅社員が一番
事故を起こしやすいという。当初の緊張感が
緩み、自分の腕を過信しすぎて失敗をするの
だそうだ。”
目次より抜粋引用
“交わり合う死は、高貴な和の香り
君に捧げる死は、甘いお菓子の香り
毒に冒された死は、黙して香らず
裁きがもたらす死は、芳ばしき香り”
得意体質を手にしてしまった特殊清掃員と
分析化学に情熱を燃やす准教授を主人公とし
た、SFサスペンス短編連作小説。
八月の暑さの中、密閉 -
Posted by ブクログ
死の香りと書いて「しこう」と読む。
死臭がいい香りなら、こう呼ぶべきだと言われた。
世界には様々な臭いがある。
世間一般的に臭いと言われるもの。くさや、シュールストレミング、納豆、チーズ、魚、ドリアン、パクチーetc...
臭いと言われているのに、それらが完全に消える事はない。なぜなら、それらを好んで食べる者がいるからだ。
初めて食べた時は臭いと感じていたのに、食べ続けることによって、その人にとって「臭いがいい匂い」に変化する。
主人公である潤平もそんな人達と同じく、ある臭いがいい匂いに感じてしまう体質になってしまった。
そう、死臭だ。
特殊清掃というアルバイトを初めてからその体質になってし -
Posted by ブクログ
四宮大学の庶務課に就職した、七瀬舞衣が在校生の悩みに乗ったり、
事件に巻き込まれたりして、理学部科学科の准教授の沖野晴彦、通称Mr.キュリーと
解決していく連作短編集の第5巻。
化学サークルによる「甘い物質」合成対決。
サ行がおかしくなった七瀬舞衣の学生時代の同級生の秘密。
数年前にパソコンで流行ったフラッシュゲームの脱出ゲーム的な展開。
など5編となっている。
数年ぶりに会った同級生の異変を察知して解決しようとする話と
名門高校に通う学生の突然の不登校に対して助けを求められる話は、
個人的にジーンとしてしまった。
脱出ゲーム的話は、面白おかしく読めした(笑)。
劇的な今後に関わるかもな展開 -
Posted by ブクログ
第3弾!
いつのまにか、分室から、大学の講座になってる。
で、学生募集して、事件解決!まぁ、自由参加という事になってるけど、そんなの出来るのかな?
全ては、科警研のホームズこと土屋准教授を科警研に戻す為に…
科警研の所長の荒技発動やな。
事件は4つ(短編4つ)。
しかし、解決方法が、土屋さんオリジナルというか、なんというか…
証拠とか、分析結果が、揃った瞬間に長考状態に入って、速攻解決!
多分、解決までの道筋が見えるねんな!
でも、学生2人は、凄い!っと感心はするやろうけど、この人のやり方が勉強になるんかな?
なんか、天才にしか出来ん技みたいな気がして…
まぁ、それがええんやけどね。