ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本作品もテーマが著者オーウェルの代表作「1984年」の中で描かれる「ニュースピーク」に重なる。
それは「全体主義の恐怖政治」において、法(作中では7つの掟)や歴史の解釈(作中では追放された元リーダーのスノーボールが活躍した事実)がこっそり政治の中枢で改訂され、それが知識人らによって流布され、大衆が簡略化されたスローガンを連呼して全体主義が浸透していくという流れ。
資本家の象徴として描かれる元荘園主を追い出して動物による動物のための農場を作ったリーダーのナポレオンだったが、最後は隣接する農園主の人間と密会を重ねるうちに豚のナポレオンが2本足で歩くようになり、服を着るようになり、人間と見分けが -
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Posted by ブクログ
『1984年』のジョージ・オーウェルの随筆および書簡集とあったので読んでみた。
これを読むと、ごくありふれた生活感情の持ち主だったことがわかる。紅茶の淹れ方のこだわりや、ビール大好きなところなど、何だか微笑ましくさえ感じられる。だからこそ、『1984年』や『動物農場』がこの人によって書かれたのだということに意味を感じる。当たり前の生活感情を持った一個人だからこそ、当たり前でない「何か」が生活の中に忍び込んでくることにアンテナを立てられたのかもしれないということ。そして、当たり前の生活感情と非凡な表現能力は乖離しないものなのだということ。当たり前に暮らしながら、当たり前でない何かを残せることに、 -
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Posted by ブクログ
ジャック・ロンドンと違い、著者はイギリス人=ヨーロッパ人であること、そして、必要に迫られて貧乏暮らしをしたことなど、貧しさが他人事ではない印象。
そして面白いのは、母国については批判的なのに、パリに対しては友人のような気安さがある。
「金が人間を労働から解放してくれるように、貧乏は人間を常識的な行動基準から解放してくれる」
そして、考えないようになっていく。
本当の貧乏の中で、革命は生まれないのではないかという気づきが新鮮だった。
そういう意味で、今の日本は全体的に貧しいと思う。誰も自分で考えず、誰かが考えてくれるのを待ち、それが気に入らないと「批判」する。
そんな仕組みの中で、埋もれな -
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Posted by ブクログ
ネタバレついにジョージ・オーウェルの1984を読んだ。いや、厳密には読んでいないが、森泉岳土による漫画版「オーウェルの一九八四年」を読んだ(オーウェルの、と付くところが良い)。
救いがないとは聞いていたが、本当に。
でも何より救いがないのは、読み終わったときに「ああ良かった、怖い話は終わった、"あんなんとは無縁の"現実へ戻ろう」と心から思えないところだ。
あとは備忘メモ。(ネタバレもあり)
・舞台はロンドン、ただしイギリスではなく「オセアニア」という国。オセアニアを率いるイングソック党の党首ビッグブラザー(BB)がすべてを監視し、好ましくない兆候があれば「思想警察」に連 -
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オーウェル、鋭いっ!
と言いたい場面が多々あった。
『スポーツ精神』では、スポーツとは本来的に競争であって銃撃戦のない戦争と変わりないとバッサリ言い切られる。オリンピックに浮かれる日本に水を差されているみたいだがその通りかもしれない。韓国とこんな風になっている時にオリンピックをすることにいささか恐怖を覚えた。
「サッカー場での清く健康的な対抗意識や、国民を統一するためにオリンピックが果たす多大な役割について戯言を言うよりも、現代のスポーツ崇拝がどのように、そしてなぜ、起こったのかを問うてみることの方が有益だろう。」
なぜかというと、スポーツは
「自分自身をより巨大な権力の単位と同一化して全てを -
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ネタバレ動物たちが反乱をおこして人間を追い払う。
そして独立した「動物農場」はどのような共同体になっていくのか?
1945年に出版された作品で、
ソビエト連邦の真実をあぶりだしたようなおとぎ話だということです。
以下、ネタバレありです。
人間に完全に支配されている動物たちの蜂起は、
はじめ平等と平和という理念のためでしたが、
反乱が成功してからはちょっとずつ変容していく。
知識階級が牛耳るようになっていくのが
悪い方向へ行く徴候なのだけれど、
外敵がいるから知識階級が指示をだしたり計画を練る立場に
ならざるをえないんですよね。
そして、知識層の「ぶた」たちには公共心が薄いところが、
他の動物たちに