ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーウェルは、自らルポルタージュの為にパリ、ロンドンの底辺の世界に身を置いたらしい。
そこで、貧乏のどん底で心の平安を見いだす。
絶望ではなく、平安をである。
『貧乏のどん底に近づくとあることを発見して、後は大抵どうでもよくなってしまうからである。退屈で、家のやりくりに俺の家に、目が決まってればくるものの、貧乏には同時に大きな救いがあることを発見するのだ。
将来と言うものが、消えてしまうのである。金がないほど心配も少ないと言うのは、確かにある程度まで真理である。100フランでも持っていれば、気が狂いそうなほど心配になるだろう。
だがたった3フランしかないとなれば話はまるで違う。
3フランあれば翌日までは食える。
そしてその先のことは考えられない。退屈ではあっても怖い事は無い。「明日は餓死すらだろうーえらいことだな」とぼんやり考えはする。だがそれっきり、また別のことで気が紛れてしまうのだ。マーガリン付きのパンと言う食事は、それ自体である程度の鎮静剤にもなるのだ。
このほかにも、陰謀なとき大きな慰めになる感情がある。どん底に落ちたことがある人なら、誰でも経験していることだろう。それは、自分がついに本当にどん底に落ちたと悟った開放感というか、喜びといってもいいほどの感情である。零落すると言う話は始終していたわけだけれども-ついに、いよいよ零落して朝にどん底まで落ちたと言うのに、それに耐えられるのだ。そう思うと、不安はあらかた消えてしまう。』
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Posted by ブクログ
「1984年」で知られるイギリスの作家である著者の、有名になる前の経験を下敷きにした作品。
名門校を出て公務員になったのに、安定した人生を捨ててパリとロンドンの貧民街で暮らす人生に。結構悲惨な暮らしなのですが、その中でも彩り豊かな登場人物や著者の余裕のある語り口が読みやすい作品にしています。
例えば、「いたるところで、買い手のない山のような食べ物がわたしを侮辱する」という表現、困窮している割に何ともユーモラスです。
時代感をあまり意識せずに読み始めたら、暮らしぶりの酷さに「産業革命後かな?」とも思ってしまったのですが、メトロもタクシーも走ってるし、1927年からの世界恐慌前夜だったんですね。
GEが電気冷蔵庫を作り始めていた時代にも、着る物も満足になく、寒さに凍えながら寝る人々が多くいたというのは、きっといつの時代でも多かれ少なかれこういう要素は残っているもので、もちろん今でも同じことで、忘れてはいけないことなのだと思います。
ちなみに、表紙のあらすじには「自らに窮乏生活を課す」って書いてあるのですが、読んでいて受けた印象としては、どうにもやむにやまれずに貧民街に腰を落ち着けて、そのうち抜き差しならなくなったようにも見えます。。
しかし、47歳の若さで結核で亡くなられた著者。どうにもこの生活が影をさしていたのではないかと…。 -
Posted by ブクログ
戦後の間もない1950年ころに未来を描いたSF小説のマンガ版。
長編をコンパクトにまとめているため、背景の理解に手間取ったが一気に読めた。
戦後間のないこの頃に、これだけ未来を予測できた作者の眼力は見事である。
本の世界では、権力に服従させるプロパガンタの浸透、テレビジョンによる監視、奴隷階級の利用、言論弾圧、歴史の改変によって権力を集中させ、戦争も正当化している。
現代ではどうどうだろう。ネットを使えばある程度監視できるし、海外では盗聴、広がる格差、報道規制、歴史認識の変更など話題になっている。このまま、戦争も正当化されたら、プチ・オーウェル世界になるのだろうか?