ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
全部で16篇のエッセイ。良かったのは、以下の5篇
Ⅰ
あなたと原爆
復讐の味は苦い
Ⅱ
象を撃つ
Ⅲ
イギリスにおける反ユダヤ主義
Ⅳ
ガンジーについて
1945年10月19日にトリビューン紙上に発表された表題作は、原爆投下の僅か2ヶ月後に、米ソ両超大国間の冷戦を予言したもので、冷戦(Cold War)という言葉自体、このエッセイが世界で初出らしい。フランス革命に対するエドマンド・バークの省察といい、イギリス人知識人の先見性は大したものだと思う。
「ガンジーについて」では、聖人視されることの多いガンジーは、聖人ではなく、イギリスからのインドの平和裡の独立を最終目的とする政治家である、という前提で評論している。その中では、イメージとは随分違う言説も登場し、自分のガンジー像を修正せざるを得なかった。
(以下、「ガンジーについて」より抜粋)
P270
普通の人間にとっては、特定の人を、他の人間以上に愛するからこそ愛なのであって、そうでなければそれは愛ではない。
P274
ドイツのユダヤ人は集団自殺をするべきだ、そうすれば「世界の人々とドイツの人々がヒトラーの暴力に目を覚ますことになっただろう」
-
Posted by ブクログ
毎年8月は太平洋戦争(第二次大戦を含む)とりわけ原爆について書かれたものについて読むことにしてるんです
と言っても今年で2年目ですがw
8月になると急にそんなこと言い出すのは偽善的な匂いもしちゃいますが、まぁなんにも考えずにいるよりは、はるかにマシかなとも思うのですよ
ちなみに去年は『ある晴れた夏の朝』を読みました(これは本当に良書なんで特に中高生にはもう強制的にも読ませたいです)
で、今年はその段階で本書を読もうと決めてたんですが、ちょっと思ってたのと違った
もっと原爆についてたくさん書かれてるんかと思ったら違かったです
それでも、第二次大戦前後に書かれた評論集は戦争について多くのことがさすがのオーウェル的視点で書かれていて凄く考えさせられました
でも、多分半分もわかってないと思う
分かってないんだけど『光文社古典新訳文庫』シリーズの素晴らしい解説でなんとなく分かった気にさせられてしまう
あれはよくない
ほんとよくない
あの素晴らしい解説はほんとよくない(何かが矛盾している)
めっちゃ引っ張られてつい自分の意見のように書いちゃうもん
なので、見当違いと言われることを恐れずに、半分も分かってないだろうなと思いつつも自分の思ったことを書き記しておこう
オーウェルが白日の下に晒したかったのは戦争の持つ、あるいは戦争をしたがってる人が持つ「こっけいさ」だったのではないかと思う
なんのために戦争するのか、どうなれば勝利なのかほんとは分かってないんじゃない?
自己弁護の成れの果て、自己矛盾からの逃避が戦争なんじゃね?
自己を省みずに本当の自分を認めず、うわべを取り繕ってかっこつけてるだけじゃね?
大衆の中に自分を紛れ込ませて責任逃れしてるんじゃない?
単純に戦争ダメ!じゃなくてきちんと戦争に至る道をつまびらかにすることで、馬鹿馬鹿しさに焦点を当ててる
そんな気がしたけど
ぜんぜん違うかも!w
だって難かったんだもん! -
Posted by ブクログ
小説を読む前に、と思って読んでみました。
大体の内容はわかったけど、じっくりと小説のもつ不気味さ味わうことはできなかったです。
『二重思考』という概念が難しかったです。
日本でいうところの『踏み絵』みたいなことでしょうか。
本当に自分の信じているものまで踏み込むことは不可能だという希望は本書のなかでもありましたが、結局主人公は洗脳されてしまう。。。記憶や思考の操作は、拷問などの極限の状態にさせてしまえばできるのでしょう。
こんなことされたら生きていてもしょうがないとすら思えてきそうですが、人間はしぶといから、、、小さい楽しみや希望を見つけて生きていこうとるする人は出てきそう。『夜と霧』を思い出しました。 -
Posted by ブクログ
「1984」で有名なオーウェルだが、個人的には初めて読んだ。農場の動物たちが農場主の人間に反抗して追い出し、動物たちの自治を獲得しながらも、その理想主義的な理念が次第に独裁へと変わっていく様子を「おとぎばなし」として描いている。ロシア革命やソ連内部の路線闘争について詳しくないが、それでも、スターリン派とトロツキー派の抗争とか、残虐な粛清のことだと分かる。おそらく、当時の人たちは、もっとリアルに反ソ的な内容だと分かったのだろう。
独裁者、特権階級、彼らを守る暴力装置たる軍隊・警察、それに対し、革命の理念をあくまで維持しようとする者、現実を理解しながら見て見ぬふりをする者、ニヒリスト、右往左往する大衆などが出てきて、社会主義革命の裏の一面を鋭く描いている。 -
Posted by ブクログ
1984年にポイントを置いて、1984年を予言的に描いたジョージオーウェルの1984。そして奇しくも同じ1984年に刊行され、ノルウェーの森につながっていく短編の蛍。これをなぜか結びつけて、漫画で描くという企画。確かに、愛がテーマになっていて、超監視社会の中で、自由を求めた主人公を描く1984、そして本作をモジュールにパラレルワールドを舞台にした愛を主とし1Q84を描いた村上春樹。根源は、何を考えているのかわからない不思議な女性、退廃的でもなく、ただ不思議で、つかんでも掴みきれず、ふわっと消えてしまった話。
そして、1984は、ビッグブラザーに支配され、自由を求めていた中で、愛を見つけてしまう。禁止されている、監視から逃れた愛、そして、その自由を求めて出会った人は、監視側の人間で、拷問に次ぐ拷問、そして最後に、相手を売って、身代わりにしてくれと言葉にしてしまう。心の中にまで入ることはできない、そしてそれこそが、思考こそが自由である。しかし、監視社会では、その心の中にまで入ってきて、全てを破壊し、消すことができてしまう。拷問というわかりやすい事象で説明するが、もっと恐ろしいのは、いつの間にかコントロールされていることに気がつかかないこと、愛を失うことだ。ほんで読むものとは情報量が違うが、エッセンスを凝縮して、わかりやすく表現されている。タッチもすごく心にグッと刺して来るような、影と光を影から描くような感じ。