ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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一九八四年の、というより大作家のすごいところだが、それは人間が生きて書けているという事だ。
潰瘍の描写がその際たるものだが、人間が生きているという事に付属するものというか、生きた人間を書こうと思えば、こんなふうに本題といっても差し支えのない社会とその社会への目線というのから離れた個人的な事情である身体である痛みや匂いを書くというのがどれほど効果的なのか、それがよく伝わる。
さて、本作が描く世界がこうも現実的に恐ろしいと感じるのは、何故だろうか?僕が考えるにそれは、我々でも想像ができる範囲での身体、そして内心を強く縛られる社会を書いているからだろう。
長谷敏司のプロトコル・オブ・ヒューマニティに -
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豚は誰か
本書に登場する豚がこのコロナ禍で誕生しつつあるように読んだ。知識は専門家に任せろと主張して囲い、解釈を恣意的に変え、他の価値を踏み躙り、人々の行動を制限し、人々を支配しようとする。今、この現実の世界で、専門家にしてやられてしまったのが政治家であることが、情けない。本当に情けない。ウイルスが人間ジョーンズ、豚ナポレオンが政府系専門家、豚スノーボールが政治家といった当てはめか。本書が結末で豚の王国の崩壊を描いていることを期待したが、叶わなかった。『1984』で描かれる全体主義国家も揺るぎなかった。揺らいだのは個人だった。相当まずい時代が来ている。本書を読んで改めて感じた。 -
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1949年に書かれたとは信じられないほど、現代世界――とりわけ中国の姿を映し出している。テレスクリーンはまるでスマートフォン。多様性に関する公文書の削除が進んだトランプ政権や、検閲が行われ都合の悪い過去が語られず、SNSなどを通じて人々の行動が日々モニターされる習近平政権のあり方とも重なる。科学が発達した時代における独裁者の思考、そしてその世界で生きる人々の心の動きや行動の機微――互いに監視し合い、常に見られているという意識が猜疑心を生み出していく様子が生々しい。言葉を書き換えることで人々の認識する世界そのものが変えられていく恐ろしさ。まさにディストピア小説の金字塔といえる一冊。
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社会主義と民主主義って(理論上は)両立するんだ!というのが一番の発見でした
ジョージ・オーウェルのルポタージュ。Wikipediaの「スペイン内戦」の項目を片手に読みました(^_^;)。スペイン内戦に参加した1兵士としての立場で当事者目線の主観バリバリで書かれた本です。(『パリ・ロンドン放浪記』を読んで感じた事ですが、ジョージ・オーウェルはがっつり当事者として身を置いたノンフィクションの方が、皮肉が冴え渡ってて面白い。)とはいえ、主観を交えながらも当時の政治情勢についての解説・考察もあり興味深いです。
ジョージ・オーウェルの感じたことが素直な筆致で書かれていて、あぁ、戦争の現場ってこんな感 -
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あまりにも有名な寓話……なんだけど、私はあらすじすらほぼ知らない状態でaudibleで聴いて、あまりのラストに紙本でしっかり最初から読み直すというなかなか特殊な読み方をした一冊。
おとぎばなし……なんだけど……ねぇ
1回目はaudibleだったのもあり、冒頭の動物たちの反乱を興味深く聴きつつ、後半ナポレオンが不穏だなーってかスクィーラーがやな奴だな、とか、ボクサーァァァァって感じでラストのラストでゾクリとした感じだったんだけど、2回目、しっかりと紙本で読み返したらスノーボールのあたりからもうめちゃくちゃ怖い。まさに、坂道を転げ落ちる感覚。これ、当事者だと気づかないんだろうな、と思う。
頭を -
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なんと20世紀のアメリカとソ連の、あの状態を世界で始めて「冷戦」という言葉で評したのが、ジョージ・オーウェルで、しかもそれが掲題作の「あなたと原爆」なのですよ!しかもしかも、日本に原爆が落とされた、たった2か月後に執筆されたのだとか!
そんな鋭い洞察力のジョージ・オーウェルの評論集のひとつが2019年に出版された本書。評論集は数あれど、絶版になってしまった本も多い中で、今現在の時流に合わせて読むべき評論を絶妙なチョイスで編纂していて、あとがきに解説も添えて一冊の本にまとめて上げて出版してくれたことに感謝しかないです!めっちゃ面白かったです!当時のヨーロッパ事情をよく知らないので、ちょっとわか -