ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーウェルの突撃ルポ、デビュー作。1927年から3年間、パリ貧民街とロンドンのホームレス界にどっぷり浸かって取材。やはり性来の裕福さがポジティブな行動と考え方を生んでいる感はあり、よくある王子さまが身分を隠して庶民の中で生活をして学んだり、社長の息子が平社員として素性を隠して研修するという、ベタな物語を実際に行ったルポルタージュ。面白がってはあかんのかもしれませんが、単純に面白いです。だいたいにしてオーウェルがええとこの子なだけに、目が曇ってなくて、好奇心と探究心があるというか、面白がっているところが文章にも現れていて、読んでいるほうもワクワクします。
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Posted by ブクログ
あまりに飄々としていてユーモラスなんで、
フィクションかと思えてくるんですけどルポタージュなんですよね。
いや、それくらい楽しい本ではあるんです。
フランスでの変人に囲まれた貧乏暮らしにしても、
ロンドンでの浮浪者暮らしにしても、
20世紀のヨーロッパの裏側が見える感じがいいですね。
それにしたって陰鬱な雰囲気ではなく、
どこか異世界の物語を読んでいるように感じられます。
軽妙なタッチで書かれているので読んでるときは気づきませんでしたが、
これが実体験だというのは、なかなか凄いことだと思いますよ。
こういう人になりたいもんだと思います。 -
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Posted by ブクログ
★欺瞞の時代において真実を語ることは革命的な行動だ
ジョージ・オーウェルは、今から62年前の1950年1月21日にわずか46歳で亡くなったイギリスのジャーナリスト・作家。
彼との接近は、ご多分に漏れずSFにどっぷりとのめり込んだ中学生の頃に手にした『1Q84』じゃなかった、未来の管理された醜悪な世界を描いたディストピア小説『1984』が最初でしたが、その後もカール・マルクスの『ルイボナパルトのブリュメール18日』やジョン・リードの『世界をゆるがした十日間』、エドガー・スノーの『中国の赤い星』『アジアの戦争』やアグネス・スメドレーの『中国の歌ごえ』、そしてE・H・カーの『ロシア革命』など -
Posted by ブクログ
『1984』や『動物農場』で知られるジョージ・オーウェルは、世界恐慌の余波がまだ残るパリ、ロンドンを放浪していた。そのときの悲惨な貧困生活をユーモア溢れる文章で記したのが、この『パリ・ロンドン放浪記』。
特に興味深いのが、オーウェルがどんなに貧しくなっても、虚栄心を捨てきれないという描写。例えば、お金あるときにはレストランで外食することができたが、困窮極まってそれが不可能になってしまってからも、見栄をはるためにレストランへ行く振りをして公園で時間を潰し、帰りにパンをポケットに忍ばせてこそこそとアパートに帰る。他にも、ルームメイトと食べ物を譲り合って、結局相手に食べ物の取り分を多くとられてし -
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Posted by ブクログ
本作品は、ディストピア小説の古典であると同時に、全体主義の本質を抉る思考実験でもある。テレスクリーンによる常時監視は今日のサーベイランス社会を予見したかのようだが、本作の真の恐ろしさはそこにはない。党は過去の記録を絶えず書き換え、「2+2=5」を真理として強制する。客観的現実そのものを集団的意識に従属させようとするこの権力像は、人間が真理の最終審級を握ろうとするときの底知れぬ暴力性を示している。
とりわけ刮目すべきはニュースピークの構想だ。語彙を削減し文法を単純化することで、思想犯罪そのものを思考不可能にするという発想は、サピア=ウォーフ仮説の言語相対論を文学的に先取りしたものと言える。言語