ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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本編はもちろん傑作であるが、
「出版の自由」というオーウェルによる序文案が今日の日本社会への警鐘として特に重要と考える。この序文案のオリジナル原稿は1972年に発見されたもので、「タイムズ文芸付録」(Times Literary Supplement)として、1972年9月15日に初掲載された。オーウェルがこの序文案を書いたのは1945年頃ではないかと思う。
本編の「動物農場」は一応ソ連の共産党体制を批判したものと言われている、しかしソ連が崩壊した後もロシアは変わっていない。そして問題はロシアではなく、英国そして日本においても共産主義独裁体制への「忖度」であるということである。「動物農園」はなかなか刊行されなかった。民主主義国家であるはずの英国の体制は戦争中から「共産党独裁制への批判すること」は「不適切」であるとして押しつぶし続けてきたし、冷戦が終わった今でもやはり続いている。日本においてもやはり、ロシア・中国の軍拡を批判することは「不適切」であるというのが、マスコミの変わらぬ態度である。 -
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「うわぁ……」と、読み終わったあと、しばらく動けなくなりました。
よくある「めでたしめでたし」の物語よりも、心に深く残る「嫌な傷跡」のような読後感。
でも、その傷こそがSFの醍醐味だと思う。仕事のモヤモヤや日常の小さな悩みなんてどうでもよくなってしまうくらい、強烈なインパクト。
この「救いのなさが、人を救う」という不思議な感覚を、物語の構成に沿って振り返ってみました。
1. 導入:この世界観、意外とリアル?
「動物がしゃべる」というぶっ飛んだ設定。SFが苦手な人にはハードルが高そうですが、実はここが現実世界の鋭いメタファー(比喩)になっています。ただの説明じゃなく、丁寧な描写で「これって私たちの世界の話かも?」と思わせる仕掛けが秀逸です。
2. 第一幕:ワクワクから始まる悲劇
「人間に反抗しよう!」という豚の熱い遺言。ここで読者は一気に引き込まれます。人間を追い出し、自分たちの国を作った瞬間の達成感。でも、このワクワクが最高潮の時に、ラストへの伏線がこっそり撒かれているんですよね。
3. 第二幕:じわじわ忍び寄る「違和感」
国づくりの大変さと、動物たちの純粋な喜び。その裏で、リーダーである豚たちが少しずつ独裁の兆しを見せ始めます。「あれ、おかしいな?」という違和感が確信に変わる頃には、もうページをめくる手が止まりません。キャラクターに感情移入するほど、その変化が苦しくなってきます。
4. 第三幕:最悪で、最高のエンディング
結末は、希望か、絶望か。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のような爽快なハッピーエンドもいいですが、本作はその真逆。
・農場は豊かになったのに、動物たちの暮らしはボロボロ。
・支配者の豚たちが、どんどん嫌いだったはずの「人間」に似ていく。
このバッドエンドは、単なる「悲劇」ではありません。人間のどうしようもない業(ごう)を描きつつ、「結局誰がやっても同じなのかも」という虚無感さえも突きつけてきます。
でも、その突き放された感覚が、なぜか個人としての責任感から解放してくれるような、妙な「救い」にも感じられるから不思議です。
読んだあとに数日間引きずってしまうような「心地よい傷」を求めている人にオススメ。 -
Posted by ブクログ
●2026年2月2日、Yahooフリマでクーポン使用のためキーワード「動物農場」で検索して出てきた。Yahooフリマで帯あり、690円。
●2026年8月18日、Yahooフリマから新着出品通知きた。出品者さんがオリジナルの説明文のせてた。
「私、好きな小説(主に冒険小説やミステリーやSFなど)を色々な訳で読み比べるのが趣味でして、こちらの『動物農場』もずいぶんと読みましたねえ。
内容は長くなるので割愛しますが、オーウェルはぜひ『1984』とセットで読んで欲しいです。
書かれた時代背景もあり、今どきの子にはかもしれませんが、あまり学校では習わない近現代史を深く知るきっかけになるんじゃないかと。
歴史を知れば知るほど、古いSFや風刺小説、更にはそれらを換骨奪胎(という名のパクリを)した現代の漫画やアニメがより面白くなると思います。」 -
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ネタバレ権利と腐敗を風刺した寓話小説。
このお話の中の豚(ナポレオン)は現実でいうヒトラーやスターリン、毛沢東といった独裁者にあたる。
豚や犬以外の動物は国民にあたり、権力者によって一種の洗脳のようにして独裁国家が作り上げられていく。
日々の暮らしの中で適材適所で、それぞれの人がその人に合った仕事をして国をつくることが求められるが我々国民が政治について無知というのはどれだけ怖いことなのかを理解するべきだと思う。
税金の上がる下がるばかりに目が向けられ、どこにどれだけ使われるかなどかに目を向けない。SNSの誤情報、人の言葉に左右されうわべだけで判断を下す。このような愚行をせず、批判的な姿勢でものごとをみる重要性が与えられる。 -
Posted by ブクログ
1920〜30年代のパリ・ロンドンの最底辺の生活を描いたルポ
貧乏の酷さと汚さ、非人間的な労働環境などがリアルに書かれている。本当に酷い生活なんだけどどこか楽しそうにも見える。それは周りの人間の面白さだったり、人生に対する吹っ切れ方からくる。でも貧乏を肯定するわけではなく、社会の間違った構造や無駄な消費が、貧乏や非人間的な労働を生んでいるという指摘もしている。
貧困に生きる人々を愛おしく描きながら、その背景にある構造には厳しく批判を入れているのである。
パリとロンドンの違いも面白い。パリの方は取り繕うことが少ない、全員が自分のために勝手に生きているって感じ。あと出てくる人が多様。大陸だからなのか。
ホテルの仕事があまりにも忙しすぎて、仕事中に従業員同士で罵倒しあうけど、仕事が終わったら謝るっていうエピソードが良かった。
ロンドンは労働の場面があまりなく、職がなく救貧院をめぐって放浪する。ロンドンでは最底辺でもルールに縛られる。本当に最低限だが福祉があるゆえに、全く無益に放浪するだけの人がいる。
ボゾが星を見るところが良かった。
以下好きな部分メモ
p108
食べ物には高い金を払えば払うほど、それだけ余分な汗と唾をいっしょに食わされることになる。
p172
汚れというのはじつに人を選ぶものだ。いい服装をしているときには寄りつかないのに、襟からカラーが消えたとなると、とたんに四方八方から飛んでくる。
p246
慈善を受ける者は、必ずと言っていいほど、与えてくれる人間を憎むものだ
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Posted by ブクログ
オーウェルといえば政治的な要素を含む小説やエッセイのイメージだったので、食事や家事、流行りの音楽、洋服などの日常生活に関するエッセイが入っていると聞いて気になり購入。当時のイギリスの生活に密接した内容なので興味深かった。
本来のオーウェルの人柄がより伝わってくるような気がしたしTHEステレオタイプ的なイギリス人ってかんじの皮肉も聞いていて文章としてとても面白かった。
代表作が重い内容であるからこそ本人の人柄や価値観を知ることによって、その作品で何を伝えたいのかということがより分かりやすくなるような気がするのでこういうエッセイは好きです。