ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
途中で放置した期間があったので、ちょいちょい忘れてしまったところがあり、難しい話をあんまり理解できずに読み終わってしまった。いつか再読したい…
最後のシーンが印象的だった。ウィンストンが変わってしまった(生まれ変わった?とも言うかも)ことがその世界にとって、彼にとって良いことだったのかは分からない。思考の内容がビッグ・ブラザーと同じだったことで自分が“ビッグ・ブラザー”の一員になってしまった、と言うことなんだろうか。
ん〜よく分からないけど、結局ウィンストンはビッグ・ブラザーに飲み込まれてしまったのだろうね。
附録にある『ニュースピークの諸原理』を読んだとき、ニュースピークが実際にあったも -
Posted by ブクログ
読みやすい。
社会主義、共産主義への批判の寓話。
古典作品だけど今も通ずるものがある。
農場の動物たちをまとめ上げ動物主義革命を起こし人間の農場主を追い出した豚さんスノーボールが、同じく同志の豚さんナポレオンに農場を追われ、ナポレオンが私腹を肥やし恐怖政治を敷いていくお話。
何て腹黒いんだナポレオン!!と思っていたら、スノーボールのモデルがトロツキー、ナポレオンのモデルがスターリンだとは。(訳者解説に説明されてあった)
何て腹黒いんだスターリン!!
そして恐怖政治を敷いていくなかで、ナポレオンの出す指示や行動が、だんだん動物たちに不利となりナポレオン側に有利になっていくのに、動物たちが「お -
Posted by ブクログ
ネタバレドナルド・トランプ大統領の誕生と時を前後する頃から世界を席巻し始めたように思われる、息苦しさを覚える不気味な閉塞感に満ちた現在の世相と驚くほど似通った窮屈さを1949年発表のこの作品は包含し、警告を発している。
SNSの普及に伴う醜いモラルハザード、フェイクニュースや陰謀論の蔓延、利己のみに囚われた極端な排外主義、恐怖を後ろ盾にした同調圧力…現代に生きる我々が直面している人間の愚かな側面の数々が、形こそ異なれどことごとくこの小説の中で著されていると言って過言ではなかろう。
歴史は繰り返す、という言葉が自ずと思い浮かぶ。
中盤、ゴールドスタインの著書という触れ込みでウィンストンの手に渡ることに -
Posted by ブクログ
伝説的ディストピア小説。『素晴らしい新世界』を読んだ時は、「こんな世界でも、悪くないかも」と思ったが、今作に描かれていたのは明確に嫌な世界だった。同時に、そんな世界に対して、自分がきちんと論理立ててNOを突きつけられるかと言われれば、そうではない。
オブライエン対ウィンストンの3部が圧巻なのは、そのためである。日本という比較的平和な民主主義社会に生きる自分にとって、オブライエンの唱える社会、それはすなわち、イングソックの諸原理に基づき、ビッグ・ブラザーを皆が崇拝する社会は、まさに悪夢そのもの。しかし、彼の狂気的な雄弁に対し、読者の自分は始終押し除けられていた。なぜか。それはウィンストンも言 -
Posted by ブクログ
本作品は、ディストピア小説の古典であると同時に、全体主義の本質を抉る思考実験でもある。テレスクリーンによる常時監視は今日のサーベイランス社会を予見したかのようだが、本作の真の恐ろしさはそこにはない。党は過去の記録を絶えず書き換え、「2+2=5」を真理として強制する。客観的現実そのものを集団的意識に従属させようとするこの権力像は、人間が真理の最終審級を握ろうとするときの底知れぬ暴力性を示している。
とりわけ刮目すべきはニュースピークの構想だ。語彙を削減し文法を単純化することで、思想犯罪そのものを思考不可能にするという発想は、サピア=ウォーフ仮説の言語相対論を文学的に先取りしたものと言える。言語 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレなーんてこった状態。
1章は世界感、主人公にフォーカスした話
自分たちの生きている世界の曖昧さを痛感する。なにも疑問なく受け入れていることは果たして真実なのか。権力者によって自由と思わされているかもしれない。支配とはまさに。
2章でつかの間の幸せとスリル。ここからの加速が楽しい。
3章で絶望。
何を言っても否定されて、もう諦めて楽になろ…てなる。
話が通じない、わかり合えない、正しいだけでは勝てず、しかもそれを正しくないとされて頭おかしくなりそう。
感情としては悲しいより悔しいが強いかも。
そして本当に恐怖するものを前にすると、愛する人も差し出せてしまう。それが精神の最後の砦で、自分というも -
Posted by ブクログ
この本は、政府に常に監視されている社会が描かれていて、その世界観がとても印象的だった。
最初は少し現実離れしているようにも感じたが、考えてみると現代でも監視カメラや個人情報の管理などがあるので、完全に遠い話ではないのかもしれないと思った。
読んでいて、拷問の場面などはかなりグロテスクで怖いと感じるシーンもあった。
内容も難しい部分が多く、理解するのが大変なところもあった。
物語の中では、ウィンストンとジュリアが親密になっていく展開が特に面白かった。
しかし、その後オブライエンが味方ではなく、実は体制側の人間だったことが分かったときはとても驚いた。
この作品は、監視社会の怖さだけでなく、人 -
Posted by ブクログ
本編はもちろん傑作であるが、
「出版の自由」というオーウェルによる序文案が今日の日本社会への警鐘として特に重要と考える。この序文案のオリジナル原稿は1972年に発見されたもので、「タイムズ文芸付録」(Times Literary Supplement)として、1972年9月15日に初掲載された。オーウェルがこの序文案を書いたのは1945年頃ではないかと思う。
本編の「動物農場」は一応ソ連の共産党体制を批判したものと言われている、しかしソ連が崩壊した後もロシアは変わっていない。そして問題はロシアではなく、英国そして日本においても共産主義独裁体制への「忖度」であるということである。「動物農園」は -
Posted by ブクログ
「うわぁ……」と、読み終わったあと、しばらく動けなくなりました。
よくある「めでたしめでたし」の物語よりも、心に深く残る「嫌な傷跡」のような読後感。
でも、その傷こそがSFの醍醐味だと思う。仕事のモヤモヤや日常の小さな悩みなんてどうでもよくなってしまうくらい、強烈なインパクト。
この「救いのなさが、人を救う」という不思議な感覚を、物語の構成に沿って振り返ってみました。
1. 導入:この世界観、意外とリアル?
「動物がしゃべる」というぶっ飛んだ設定。SFが苦手な人にはハードルが高そうですが、実はここが現実世界の鋭いメタファー(比喩)になっています。ただの説明じゃなく、丁寧な描写で「これって私 -