ジョージ・オーウェルのレビュー一覧
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ジョージ・オーウェルの評論集。
16編の短編が4部構成で収録されている。
1部ではオーウェルの鋭い視点や先見性、2部から3部ではその表現力や観察力、4部では人間らしさが垣間見える構成になっていると感じた。
どれも大体70年前くらいに書かれた作品であるが、現代を生きる上でも大切な知恵が得られる本だと思った。
特に印象に残っているのは以下の4作。
表題作「あなたと原爆」
10ページ程度だが、内容はページ数以上に濃く、本の初めから圧倒された。
オーウェルの鋭い視点や思考、先見性が凝縮されているように感じ、この最初の作品だけでもこの本を読んでよかったと思えた。
WW2終戦の年に、核兵器の出現によっ -
Posted by ブクログ
言わずと知れた『動物農場』『1984年』の著者、ジョージ・オーウェルのエッセイ!どんな人なのかと思ったら、回顧主義者のちょっとメンドクサイおっさんで、食器洗いに苦心している庶民的なところもあり、全文通して真面目な文体なのにめっちゃ面白い人だった(interestingというよりfunny)!
第2部の『ジュラ島便り』はジョージ・オーウェルが知人にあてた書簡をとりまとめたものなのだけど、この時に、あの『1984年』を書いていたんだなぁ、と思うと不思議な感じです。この手紙を書いた2、3年後には亡くなってるんですよね。人生は短い。
もし、ジョージ・オーウェルが現代に蘇ったら、私なら間違いなく、い -
購入済み
実体験を本に
スペイン内戦の実体験を描いた本。代表作の1984年や動物農場はこの体験をもとに書かれたのだ ということに納得がゆく。
前半はいささか間の抜けたところもある戦闘の話だが、中盤後半に至ると単なるファシズムと民主主義の戦争ではなく共産主義 無政府主義など様々な政治勢力のエゴの争いだという実態が露わになってくる。
イギリス人らしいややユーモアを帯びた文体でこのような惨状を淡々と描き出している。
主義主張が直接表に出ないだけに考えさせられる事の多い作品。 -
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物語形式で誰でも読みやすい。
シンプルなようで非常に面白い。
国と大衆のありようが非常に鋭く描かれている。
無残なほどにおバカな動物達と、いつのまにか全体にとっての正義が利己的な利益の追求にすり替わりつつも、これは全体のための犠牲であるという、このように客観的に見れば、アホらしく思えることも、現実世界では実際に起こっていることだと思うと、ただただ笑ってはいられなくなる。
最後の「ボクサー」という豚の末路は、悲惨すぎて只事ではないように思えるが、これは現実の世界でも今起こっていることだ。
今や古典的ロングセラーであるこの本も当社は出版社がなかなかokを出してくれず、出版もスムーズではなかった。し -
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『屋根裏部屋の一つには、仮装舞踏会で履くようなアメリカ向けのけばけばしい靴を作っている、ブルガリア人の学生がいた。この学生は六時から十二時までベッドの上にすわりこんで十二足の靴をつくり、三十五フラン稼いだ。そして、あとの時間はソルボンヌの講義に出るのだった』
ジョージ・オーウェルといえば「1984」で、全体主義を揶揄するディストピア小説ということになるのだろうけれど、近未来として描かれたその年は既に過去の時となり、危惧されていた第三次世界大戦も起こらず、現実の世の中はオーウェルが極端に描いて見せた世界とは異なっている。しかしそこに描かれた人々の暮らしは、実のところ絵空事ではなく、少しだけ見方 -
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『1984年』、『動物農場』と、政治思想を前面に押し出した作品を書いた著者が、どのような旅の記録をまとめるのかと身構えつつ読んでみたけれど、これは面白い……。
いえ、面白いと言ってはいけないのかも。
パリとロンドンでの浮浪者生活を描いたものなのだから。
パリでは道端で人が死んでも驚かないほど無気力な窮乏生活を送り、皿洗いの仕事を得る。
食堂の裏側のおぞましいほどに不潔で、ちょっとおかしな話を読み、外食はしたくないと思わせられた。
英国では仕事が得られず各種の収容所を巡る。
その実体験を通じて、浮浪者は特別な存在でないと論じる箇所は説得力があった。
他のルポルタージュも読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
オーウェルといえば1984や動物農場などの作品のイメージが強いけれど、このエッセイを読んで彼に対する印象が大きく変わった。特に1章の食事や日常生活に関する内容がとても面白い。電車の中で笑いをこらえてしまうようなところさえあった。筆者が言うには、おいしい紅茶を入れるには11点もの譲れない条件があるらしいし、理想のパブの条件をすべて満たすパブは実在しないらしい。
私がこの本をこれだけ面白く読めたのは、日本語訳がまた実に良いものだったからというのもあると思う。たいていの翻訳ものは、読んでいて何を言っているかわからなかったり、ジョークが通じなくなっていたり、「本当に原文でこんなこと言ってるのか?」と -
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Posted by ブクログ
ネタバレ邪魔な人間を追い出し、動物たちだけの理想の暮らし!……かと思いきや。どんどん雲行きが怪しくなり、物語が進むにつれ気分は沈んでいった。ぶたが「ふたつあし」になり、人間とトランプに興じる最後のシーンは心底ゾッとした。イカサマが露見している以上、ぶたと人間の関係悪化もそう遠くない未来の話だろう。その時にはもう一度反乱が起こるのだろうか? 今度は誰を指導者にして?
動物の間にどうしても知性の差がある以上、誰かが指揮を執る必要があったとは思うが、公共的なリーダーというものが本当に存在し得るのかは疑問だ。結局はその善性に賭けるしか無い。だからきっと、ひつじのように利用されないように、大事なのは自分で考え -
Posted by ブクログ
人間を追い出して動物たちで自治を始めた「動物農場」だが、自治が進んだ先には…というおとぎばなしを通して、ソビエトの共産主義体制をやゆした話。
話はおとぎばなしなので、小学校高学年〜中学生くらいから理解できる内容です。(たぶん)
ただ、過去の歴史や現実の社会情勢を知ったうえでこの話を読めば、書かれた内容の辛辣さを含めて本当の意味で本書を楽しむことができると思います。
話の中に、邪魔者を追い落とす方法、情報統制の仕方、被支配階級に思考させないためのテクニックなどがうまく混ぜ込まれていて、
隣国に北朝鮮中国を持つ我々が読むと「あーなるほど、そういう話聞く -
Posted by ブクログ
あまり期待せずに読み始めたら面白くて止まらなくなった。オーウェルの観察眼と表現力が光る。翻訳も素晴らしい。
パリ編もロンドン編もおもしろいが、特筆すべきだと感じたのはP232〜234で、オーウェルが自ら経験した窮乏生活から学んだ「物乞いの社会的地位」について述べている部分が感慨深い。
それに続く、ロンドンのスラングと罵詈雑言について、また「零落した人間」についてなど、終盤にさしかかったところからの記述が深い。
そして、ここで出てくる『暇つぶしの才覚』という表現がタイムリーだった。この本を読んだのがちょうどコロナ騒ぎの真っ只中で、自粛生活がつらい、暇でしょうがない、などという世間の話題をよ -
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