村岡花子のレビュー一覧
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「アン」はだい、大好きである。
特に一冊目の「赤毛のアン」は繰り返し読んで、いつも新鮮な感動を幾つになってもうけるのである。
ところが、同じ作家の「ジェーン」を知ってしまった。
全く違うキャラクター。
アンが天性の明るさの牧歌的なら、ジェーンは沈着冷静な性格むしろ暗め。
想像力あふれている女の子というところはモンゴメリだが、おおげさだったアンにくらべてひっそりと想像をふくらましているたちのジェーン。
孤児だったアン、母に引き取られているが、別居している父がいるジェーン。
同じ11歳の女の子の運命は天と地ほども違っている。
読むべく時期に来て読んだというのか、私はジェーンのキャラクターに -
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『可愛いエミリー』と『エミリーはのぼる』とのエミリーブック三部作の完結編。モンゴメリの作品をほとんど訳した村岡花子最後の翻訳書と解説にて知る。
このエミリーブック三部作を読み終わって思いがけなく味わってしまったことは、野心と執念。「アン」シリーズのほのぼのとしたところからは想像出来ない。
書くことに憑かれたひとが苦闘といえるまでに書きつくしているさまに驚嘆した。また出版社に送って評価されるまでの執念がなんてすごいんだろう。そのエネルギーは幼くして孤児となったモンゴメリの自活したいという思いからだろうと察するが。
もちろんこの三部作はモンゴメリのモンゴメリたるロマンチックな物語が展開してい -
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「赤毛のアン」より作者の面影が色濃いということで読んだ。
やはりヒロインは孤児の10~12歳の少女。アンのように派手な底抜けに明るいのではないけれど、想像力にとみ詩や物語好き。古ノートにいつも何かを書きつけているその様子がほほえましく、作家のめばえがうかがえる。モンゴメリ自身がそうであったのだろうと。
前半のエピソードは、「アン」のあのエピソードがこのエピソードと比較想像できて興味深く読める。だが「アン」のほうが構成の卓抜、人物表現の魅力、意外な展開で多くの人を惹きつけたのだなーと思うところもある。「エミリー」もフィクションだから事実をふくらまして書かれているが、こちらを素材と思わせる落ち -
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戦後新しい時代が幕開けた意気揚々とする日本が垣間見れた。
物がなく皆等しく貧しいところに、突然革命的と言える男女平等、平和主義の憲法が定められ、日本は貧しいながらも希望に満ち溢れていたのだろう。
月日が過ぎ、それが当たり前の日本に生きる怠惰な私には、この教育が素直すぎて、まぶしすぎて。
そら、理想ではあるけれども〜世の中そんな綺麗事だけでは〜と感じ。
なんとも平和ボケしてしまった。ご先祖様が泣いておられるわ!と数時間改心致しました。
それほど、キラキラと少女たちが希望に満ちて、これを読む姿が想像されます。
目指すとこは皆同じな、ある意味貧しくとも心豊かな時代だったのかもしれません。
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第1巻と比べ、第2巻はあまり面白くなかったので、第3巻を読もうか迷ったが、既に買ってあったので読んだ。
初めの『赤毛のアン』が大好きだったからこそ、これ以上見ていられない。第4巻は読まないと思う。その方がアンの将来に「空想の余地」があって楽しい。
ただ、同巻の完訳版は読んでみようと思った。
当時のカナダの文化、風俗は大変に興味深く、教育制度や移民たちの地位などにも興味を持った。解説書籍やオンライン講義などもあるようなので、調べてみようと思う。泥だらけになる描写はよくあるのに、入浴についての言及が少なくとも3巻まではなく、どうしていたのかとてもに気になる。
■追記2020.11
アンシリーズの -
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第1巻が面白かったので、正直少しがっかりした。これ以降もシリーズが延々続くが、モンゴメリ自身も途中から飽き飽きしていたと聞いたことがある。出典は不確かだが、その説がさもありなんと思える第2巻だった。それなりに面白いが、第1巻からの期待が大きすぎたのかもしれない。
初対面のマシューに機関銃のようにしゃべり続けたあげく急に押し黙ったり、リンド夫人に暴言を吐いたり、クラスメイトを黒板で叩いたり、登校を拒否したり、「それが悪いことだなんて思わなかったの」と言っては突拍子のないことをするのがアンの素敵なところだった。うっとりして自説を披露するアンに鋭い突っ込みを入れるマリラが小気味よく、そこが面白い -
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双子を預かることになったマリラとアン。
読んでるだけで白目になりそうなほどいたずらの度がすぎる、双子の片割れデイビー。彼に対する大人たちの寛容は参考にはなるが、もう一方の片割れである良い子のドーラが気の毒に思えて仕方ない。ちょうどメイがねんねすぎてサツキに同情し、まるちゃんの要領が良すぎてお姉ちゃんに同情するような具合に。
また、ポール・アービングやミスラベンダーなど、高校生の頃に読んだ時はなんとも思わなかったことが面白かった。
アンのお気に入りの生徒であるポールに、正反対の性質であるデイビーはヤキモチを焼くのだが、それについて
「デイビーはデイビーだから可愛いのよ。違う人を同じに好きにはなれ -
購入済み
昔、児童用に翻訳されたものを読んだのですが、一般向けになると細かい内容が省略されずに書かれていて、「そういう話だったのか」と思いました。
児童用よりも現実的というか、ドロドロしたり(とは言ってもアンのドロドロは綺麗なものですが)、鬱々したり、駆け引きがあったり…でも、そういう、苦悩する所も含めてアンという少女も、その物語も素敵だなと改めて思いました。
特にイメージ変わったのがジョシー・パイ。そこまで嫌な奴だったのね…(笑) -
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ネタバレアンとその家族が第一次世界大戦下を
どう生きたのかを一番下の娘である
リラの目線で描いた物語である。
今回久々に読み返したが、新型コロナによる
予想だにしない生活を強いられている今
読み返すと実感できる部分は多かった。
しかし、新型コロナは戦争ではない。
戦争と比べてはいけない気がした。
全てを読み比べているわけではないが、
改訂版として追加になっている部分の
多くは戦況についてのやりとりで、
もっと詳細に描かれている。
カナダは戦場になることはなかったが、
家族や親しい人々を離れた戦地に送り出し、
新聞などで戦況を知っては気持ちを
浮き沈みさせる日々。
その一方で、戦争のさなかにあっても