村岡花子のレビュー一覧
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最初に「リラ」を読んだのは、もう40年ほど前。確か中学生の時である。「アン」シリーズが好きで、シリーズ一冊目の「赤毛のアン」から十冊目の「リラ」まで、何度も通してよく読んでいた。
この新潮文庫版は、約50年前に世に出た村岡花子の翻訳に、時代に合わせて一部手直しを加えて2008年に刊行された改訂版である。
舞台は第一次世界大戦下のカナダ。大切な人々が戦地に赴き、不安と緊張の日々が続く中で、十代のリラは、少しずつ成長していく。母アンの、のどかな青春とは色合いの違う、くらく、心沈む毎日。それでも人々は生きていかなければならない。希望やユーモアを織り交ぜながら。そして、その日々は、リラの心に深い色を -
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小1と年中への読み聞かせには少し分量が多く話が難しいのではないかと心配しながら読み始めましたが、一日分にちょうどよい分量で章が細かく分かれていることと、今のアニメ風の挿絵がとっつきやすさを増していることがあって、楽しく最後まで読み終えることができました。前半の面白さは、アンが気立ての良さで周囲の人間を次々に魅了していくところで、その度にまたアンの魔法だねと子供たちも痛快を感じていました。特に一度はダイアナの母親の機嫌を損ねてしまうけれど、しばらくあとでその信頼を取り戻したところは、頑張れば苦境も脱することができるということを教えてくれました。ただ終盤にかけては話の流れが速くアンがどんどん成長し
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ネタバレ≪内容覚書≫
ギルバートと婚約したアン。
彼が医科を終えるまで、サマーサイドで校長として働くことになる。
その婚約期間のお話。
アンの愛があふれる手紙を交え、ささいな日常が語られていく。
≪感想≫
いいことばかりがあるのが、幸福、じゃないよなー、と、
しみじみ思わされる1冊。
プリングルスの一族や、キャサリンなど、
悩みも多い中、それでも前進していくアンに生きる希望をもらえる。
あと、かぼちゃの砂糖漬け。
これ、いったい、どんな食べ物なのか。
食べてみたい。
レシピ検索してもひっかからないんだが、とても気になる。
個人的には、甘納豆のかぼちゃ版をイメージ中。
文章で食べ物に興味を持たせら -
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アンの子供達、また牧師館の子供たち、そして孤児だったメアリー・バァンスが織り成す、イングルサイドの物語。
母になったアンは、子供たちを静かに見守り、また我が子、我が子の友達の母としてだけでなく、
ひろーくカナダの母の視線で、あたたかく人々の生活、営みを見つめている…
そんなお話。
孤児だったメアリーの、ちゃかりしているけど子供らしいところ、すぐに新しい環境に溶け込む図太さ(笑)、友達にお節介をすることろ、
牧師館のフェイスは自分の道を突き進み、良かれと思ってやりすぎる性分、
アンの子供たちの、個性的でしっかりした様、
かわいらしく、あたたかく、、また深みを感じ、
一気読みの -
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ギルバートと結婚し、「夢の家」で新家庭をもったアンの日々。
登場人物は、男嫌いのミス・コーネリア、美しいが不幸な人生を歩んできたレスリー・ムーア。ジム船長。
アン自身、結婚し、初めての子ども(ジョイ)を数日で亡くし、新たな子どもジェムを産むなどさまざまな出来事が起こるが、やはりこの巻でも面白いのはアンの周りの人々のことで、とくにレスリー・ムーアの話は非常にドラマティック。
レスリーは弟の死、父親の自殺など不幸な事件を経験し、母親のために若いころ、好きでもないディックと結婚。生きる屍として生きていた。
孤児ではあったけれど今は幸せな結婚生活を送るアンとレスリーは、だからなかなかわかりあうことがで -
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サマーサイド高校校長(!)として赴任したアン。この巻は、アンが婚約中のギルバートに送る手紙で大部分が占められる(たまに客観的な記述もあり)。
苦労して借りた下宿先は、柳風荘(ウインデイ・ウイローズ)。アンはそこで、ケイトおばさんとチャティおばさんという未亡人と、レベッカ・デュー、猫のダスティ・ミラーとともに3年間過ごす。
敵意に満ちた有力者一族や副校長キャサリン・ブルックなどやっかいな人物たち。決してあたたかく迎えられたわけではなかった。苦しみつつ、でも何とかそうした人とも心通わせようとするアンの姿勢に、とても励まされる。
アンだって初めから好かれているわけではない。苦労はたくさんある。
P2 -
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読み終わりました!
ああ、今回もいくつもの困難が待ち受けていましたが、アンは持ち前の辛抱強さと、愛情、公平な心と、ほんの少しの幸運とで、1つづつ問題を片づけて行きました。
この章ではアンはギルバートと婚約し、結婚前の3年間、校長先生になって努めるあげる物語なのですが、その間アンとギルバートは離ればなれに暮さなければならなかったので、その間ギルバートに向けた手紙形式で物語は進んでいきます。
正直、この『手紙形式』の小説が私は苦手ですので、最初はちょっと読みにくかったのですが、途中からアンの魔法にかかり、ドンドン読み進んでしまいました。
中でも嬉しかったのはキャサリンの変貌ぶりと、エリザベ -
Posted by ブクログ
アンブックスのよさは「何気ない日常の中に含まれる人間たちの豊かなペーソス」だと思う。
起きる事件といえばせいぜい自分ちの牛がお隣のキャベツ畑を荒らしてしまったとか、ケーキを持って歩いているところを見られるのは恥ずかしいことだと思い込んで、思わずケーキを川に投げ込んでしまったとか、その程度のこと。
そんなささいな出来事に潜む小さなおかしみや悲しみなどの感情を豊かに描きだしているところが、アンブックスの一番の特色だと思う。
でもそんなアンブックスの中で、この『アンの娘リラ』だけは「世界大戦」という大きな史実が下敷きにあるので、他のアンブックスと比べて登場人物の喜びや悲しみの質がまるで違う。
作中