榎本博明のレビュー一覧
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日本人は性善説を前提に教育が行われており、相手にお任せすることで悪いようにはされない風土が根付いている。しかしそれは思考停止へ拍車がかかっておりコロナ禍で強制力のない自粛要請が成り立つほどのものだった。
上に任せておけば大丈夫、疑うのは失礼だという風土が根強く、何を言ったかではなく誰が言ったかが重視される。現状の描写は普段の生活においてまったく異議がないが、インプットを重視する原点回帰を提唱するのは疑問だ。時代が変わることで思考力を鍛えることは必要だと思うがただインプットすれば思考に繋がるわけではなくどのようにアウトプットをするか想定しながらインプットすることで、自分なりに噛み砕ける部分はおお -
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ネタバレ印象に残った点
- 体育会系は、認知的複雑性が低い。
- 長所のみを説明する方が良い。(短所を言うと、「それじゃ良いか悪いかわからないじゃないか!」となる)
- ちょっと疑問を口にしただけで「逆らう気か!」となる。
- 人物評価は、いいやつか悪いやつかしかない
- 複雑な他人を理解したりしないので、自分を理解してもらおうと思わない
- おだてとか、「頼りにしてます!」みたいな情に訴える感じが効く
やなやつだな〜としか思えないけど、勉強になりました。ストレス耐性が強い、社会構造に疑問を持たない、みたいな点は羨ましい気もするけど、そうなりたいかと言うと微妙…。 -
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礼儀正しくて、従順な日本人。政策に対して不信感を抱いても他国のように抗議デモから暴動に発展することはない。アメリカのような自己主張は慎み、良好な人間関係を好む。また、教科書から性悪説が読み取れる中国に対し、日本は人間不信になるような教え方はせず、性善説を掲げる。
著者は、こういった良さげに思える日本人の特質、文化・習慣が「思考停止」を招いていると警鐘を鳴らす。
要するに、何でも「お任せ」にする習慣があるというのだ。
その上で、自らものごとを考え、判断し、行動しなければ、都合よく利用される危険性が高いと主張する。
著者は、また、近年の教育が「思考停止」を招いていると論じる。
英語教育を引き合いに -
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ネタバレとにかく自己肯定感を高めれば良いと言う風潮に疑問を持っていたところに、この本に出会った。
本当は力がないのに「自分ならできる」「僕はすごい」といった空想の自信は、ただのナルシズムであり、不安なことはやらない、自分に固執するといったようなマイナス効果を生む。
日本人は謙虚な姿勢をもつことが良しとされる間柄の文化であり、欧米のような自己中心の文化とは異なるので、調査によって自己肯定感が低くなるのも当然である。
本書にもあるように、キーワードは向上心と好奇心。いろいろな体験を通して、挫折や失敗を繰り返し、粘り強さをつけていくことが大切。自己肯定感が低いということは、現状に満足していないというこ -
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どちらかと言うと子育てに厳しい夫と意見が合わない事が多々あったが、この本を読んで夫の子育ての良さを知れた気がする。
非認知能力について何冊か本は読んでいて見守る子育てを意識はしているが、厳しく叱る事の重要性について本書を読んで気付かされた。
夫と私でうまくバランスをとった子育てをしたいと思った。
年中女子は友達との関わりで悲しい思い辛い思いをする事も多く、親としてあれこれアドバイスしてしまっていたが本人だけで解決させることやその心の痛みを本人の中でしっかり消化することができていたのか、改めて考えていきたい。
非認知能力を高める為に自由にさせる部分と社会的習慣を身につけさせる叱る事とのバ -
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ネタバレ教育にかけられるお金の差を読書で埋められるという話。
目新しい話はあまりなく、
読書の重要性がいろいろなデータで証明されましたよとひたすら数字が出てきて終わってしまった印象。
わざやざ一冊の本にするような内容には思えなかった。
読書が勉強の基本や、自ら考える力、生きる力の基礎になることは十分わかることなので、そこから一歩先に進んだ話をしてほしかった。
家庭での取り組みなどにも触れてはいたけどすくなかったので、もっとそちらを掘り下げてほしかった。
反論としては
「幼児期の英語教育や、先取り教育はどうせみんな後でできるようになることなので、そこにお金や労力をかけるより読書一本に絞ろう」というよう