あらすじ
目上の人を平気で「できていない」と批判する若手社員、駅や飲食店で威張り散らす中高年から、「自分はこんなものではない」と根拠のない自信を持つ若者まで--なぜ「上から」なのか。なぜ「上から」が気になるのか。心理学的な見地から、そのメカニズムを徹底的に解剖する。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本で描かれている日本人の精神構造を知ることは、現代日本社会の病巣を考える上で非常に有用である。現代日本人の精神構造を身近な例を挙げながら心理学的見地で解剖した本書は非常に実務的な本であるといえます。本書を読んで私はいろいろと思い当たること、そして自身反省しなくては!ということが多々ありました。
Posted by ブクログ
抜群に面白かったです。
最初から最後まで面白かった。
切れ味抜群で、読んでいて最高に気持ちが良かった。
心理学・社会学を理論をベースに書かれていると思うのだが、
理論的な話は一切出てこないし、文体もライトなので読んでいて疲れるということがないのも嬉しい。
Posted by ブクログ
「上から目線」のみにとどまらず、様々な心の動き、あり様が分かり易く解説されている。
周りの人達を思い浮かべたり、自分を省みたりしながら、一気に読んだ。
納得しきり。
Posted by ブクログ
エーリッヒ・フロムのことを初めて知った。心理学は奥が深い。
今の若者の間では自分を無造作にさらけ出す行為はタブーで相手の表情や場の空気を読んで相手の望むキャラになることがマナーや礼儀作法になっている。
Posted by ブクログ
「上から目線」、今風に言うなら「マウント」ということになるんだろうか。上から目線を“する側”の心理を知りたくて手に取ったが、内容は“される側”の心理構造だった。
「甘えの構造」や「空気の研究」も引用し、日本人特有の心理構造を説き明かした滋味深い本。
とは言え、年と共に「上から目線」と思われがちなので(本人にそのつもりは一切ありません!)、気を付けて生きていこうと思う^_^
Posted by ブクログ
他者からのアドバイスは素直に聞くと、成長できる。そのためには、自信や心の余裕が必要だ。甘えが強かったり、「認めて」アピールがうまく行かなかったり、見下され不安があると、相手に攻撃的になり、「上から目線」と感じる。私はこの本を読んで、人からの視線をそこまで気にする必要あるのかな?と思った。
Posted by ブクログ
いわゆる心理学の本。「上から目線」というキーワードを軸に、外国人にはあまりない日本人独特の「甘え」、「父性と母性」あたりから、現代の日本人の特徴を分析。
今までいろんな学者が研究してきていることなので、目新しさはないが、上から目線を気にする若者が多くなったことから話題を膨らませている。
データやアンケートに基づいたものではなく、あくまで著者の主観によるところが多いのが残念なところ。
子供が遊べる広場が都会では減ってしまったこと(遊びの中で上の子の言う事をきく、下の子の面倒をみる)、大学側の学生に対するお客様扱い等を例に出し、コミュニケーション不全の若者が増加することへの懸念を述べられている。
読み物としては興味深いが、これからの対策、方針等の著者の意見が少ないことが物足りない部分。
土居健郎の「甘えの構造」、中根千枝の「タテ社会の人間関係」などが参考文献として挙げられ、高橋俊介さんの講演を思い出した。
本件にはテレビ・雑誌を主体とするマスコミの影響もかなり大きいと思うが、マスコミに関してはあまり触れられていない。
キーワード
・「ヤマアラシ・ジレンマ」
・「甘え・ひきこもり」は外国語に該当する言葉がない
・対人恐怖症は日本人に多い。視線を合わせなくても通じる文化
・日本ではその場の空気で会議の方針が決定してしまう。(戦艦大和の出撃の例)
Posted by ブクログ
しっかりした社会状況の解説になっており、新書のレベルは超えている。
ただ、後半はいろいろな言説を散り散りに集めた状態になり、まとまりに欠けたところが残念。
Posted by ブクログ
【Impression】
上から目線の構造、思い当たる節は多々ある。
特にこの本において問題視しているのは「過度な上から目線」である。
過剰な自信の無さなどからそういうったことが引き起こされる。
気をつけよう
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入。
コンプレックスからくる防衛の方法の一つかな~とも思える。
空気を読んだり、コミュニケーションの方法の変化とかいろいろと面倒な時代になったあたりから、「上から目線」が出てきたようにも思う。
p204に、“今では、どこの大学でも、成績表を学生本人だけでなく、保護者にも送付する。”と書かれていたが、確かに(苦笑)。
最初に入った大学では、自分しか成績内容は分からなくて済んだのに、30過ぎて編入した大学では、成績表を実家の親宛てに送ってきた。この年になって親に成績を知らされるとは思っていなかっただけに、笑うしかなかった思い出がある。
心理学の側面で書かれており、文章も読みやすかった。
Posted by ブクログ
今の時代をうまく説明している。
自分らしさを出すことが出来ない社会。経験もなかったということなのだと思う。
スポーツの部活動を経験してきたということは、非常に役立ったということなんだと思う。
Posted by ブクログ
自分に自信がないことで、上から目線に過剰反応したり、必要以上に高圧的に接する人は、身近にもいる。
日本人の習性として、他人の視線や、関係性に過敏になる傾向もある。
自分にもそういう部分があることは認めざるを得ない。
他者の視線を受け止め、自己を把握することで、過剰でウザイ「上から目線」にならないよう、でもきちんと指導もできるようになりたい。
Posted by ブクログ
(社会的に見て素晴らしい業績を出しているわけでもないのに)自分たちはエライと思い込み威張り散らしている人がいる。そういう困った人たちとどう対峙するのかが最近の大きな課題でした。
この本は、社会心理学や文化人類学をベースに、人間関係を築きづらい人たちの心理的構造や、世代間価値観の違いを記しています。
父性原理・母性原理。妙に納得しました。これから先の日本がどうなっていくのかますます気になります。
Posted by ブクログ
2011年発行された本だったので、もしかすると今と少し変化してるかもなぁと思いました。上から目線になる人の背景を知るともに、社会に出るとこういうタイプの人はいるので、うまく関わっていきたいです。
Posted by ブクログ
個人的なNGワードである「最近の若者」が多用される著書。
案の定、昭和的価値観満載の本であった。
いろんな文献を用いいて、いかに「最近の若者」が精神的に貧弱かを語った本書。
このスタンスは非常に不快だが、情報インプットとしては、まあまあ。
日本的な他者との関わり方の言語化が多くインプットとしてよかた。
・ウチとソト
・ヤマアラシのジレンマ
・プロテウス型人間など
Posted by ブクログ
いまどきの若い者は…というのはいつの時代も同じだが、その中身がかなり変化していることが、よくわかる。
で、自分の子ども達はどう育てればいいのか考えさせられる。
Posted by ブクログ
"この本は、「若者→年長者、上司」と言った明らかに上の人に”上から目線”でものを言う傾向を分析しているが、それに限らず、同僚、友人という上下が関係ない間柄でも”上から目線”に困る人はいるのが現代社会であると思う。そういう人も参考になると思う。若者の傾向が主に述べられているが、「若者」を周りによくいる”上から目線”の人に置き換えて読んでみても良いと思う。
上から目線、のみならず他人のコメント、助言に過敏に反応し反論するのは、過度な自己愛と自信のなさの裏返し、とある。自分がそういう態度をとるときに戒めと同時に周りにそういう態度を取る人に腹を立てるでなく、客観的に見ることができるようになれそうなのはこの書から学んだこととなるだろう。
父性社会と母性社会の説明及び著者の「そのバランスが重要」というコメントは、強く同意した。競争に打ち勝って行くのが父性社会に対し、”皆が素晴らしいのよ、あなたはあなたのままでいいの”と受け入れるのが母性社会。日本は元々母性社会。そこに、昨今特に競争が激しい会社や社会では、日々努力し、競争し、勝っていかなければならない。(たまにこれに疲れる私。まあ、私だけでないだろう)日本人の多くが勘違いしているのが”あなたはあなたのままでいい”という言葉は、極限まで傷ついた人にかける言葉であって、たいして努力もしていない人に対してかける言葉でないということ。それによりゆがんだ自己愛、自己主張が生まれてくる。自分の甘え、他人の行動ともに、ハッとする言葉であった。"
Posted by ブクログ
「君の仕事の仕方は、上から目線で評判が良くない」と上司に言われ、お前こそ上からじゃないか、と憤ったものの、お互い様と納得した自分だ。当り障りのない会社に発展なし。
Posted by ブクログ
仕事関連で 若い世代との gapを考える
感情が そうさせるもの 未熟であるもの 空気(雰囲気)を読めないなど、理由は多くありそうだが、 心理的な 原因であるようだ
70年代 それ以前から 始まっている
分析 解説しても 無駄かもしれない
Posted by ブクログ
若者に見られる「やめてくれる、上から目線の言い方」。苦情を言うお客に、こちらの非はないそちらが悪いと引き下がらない若者。上司も気を遣って物の言い方を考える。ご機嫌伺いしたりする。
ネットの中の虚構のつながり、現実の世界に適応できない自分を受け入れることができない。自分は悪くない、他人が悪いという思考回路。
これらは、「甘えの構造」「自信のなさ」が背景にあるという。過保護に育ち、親離れ、子離れしていない親子。
本の前半はなるほどということも多かったが、後半は特段新しいこともなかった。
Posted by ブクログ
心理学者で、たぶん、カウンセリングとかもしてると思われる著者が、最近の日本の社会問題とコミュニケーション能力の低下を関連付け分析している内容。
著者がどういう立場の人なのかわからない、ほんまにそんな若者いてるんか?とうくらい自分にとって実感がない事例が多い、他の学者の説を説明する箇所も多かったり、色々な情報が散髪的に書いてあって、なるほどねーと思いながらさらっと読んだはいいけど、つまり、、、が言いにくい内容だった。
自分ごととして、残っているのは、
上から目線、とかそういう感覚をもってしまう人は、自分に自信がなくて下に見られる事を恐れている、という話。
上の人に上から言われるのは当たり前なのに素直に受け入れられないのは、近所の遊び場がなくなって、上下入り乱れての遊びを経験していないことが、一因という話。
子供は視力は正常でも、丸を丸の穴におとし、四角を四角の穴に落とすことが、最初はできない。
どう見ても違う形でも、それが理解出来ていないよう。
不思議だけど本当に経験を通じて、色々できるようになるのが人間なんだなーと。見ている、の半分は脳の働きだと以前読んだし、コミュニケーションも「見る」と同じように経験を通じて身につけていくもののようだ。
子育て、とっても気を遣うなー、バランス感覚大事にして、しっかり育てたいな〜と気を引き締めた一冊。
Posted by ブクログ
われわれは常に論理的判断の基準と空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである。半数以上のメンバーが賛同できない結論が「空気」によって強引に採択されたりするのだ。「察しのの文化」が深く根づいている日本では、場の「空気」に抗うのは至難の業なのである。今とくに求められるのは、自己中心的心性から抜け出して、もっと他人に関心を向けることである。人間は、だれでも自分の視点からしか世界をみることができないが、相手に対する共感性を何とか高め、想像力によって自他の視点の溝を埋めようと努力するのである。
Posted by ブクログ
自分が人にどう思われているかが気になって仕方がない。それは自己愛過剰。自分のことにしか興味がないから、自分がどうみられているかが気になって仕方がないということ。日本社会の特徴的な事象。
Posted by ブクログ
上から目線、確かに気付いたら周りに溢れてた言葉。そして自分も言われる言葉、言う言葉。ただの若者批判と片付けるのは簡単だけれども、もっと謙虚にならないとなと身を引き締める必要があるとも感じた。実るほど頭を垂れる稲穂かな。
Posted by ブクログ
上司のアドバイスや叱咤に対して、「上から目線で言わないでください」と抵抗する若者が良く見かけられる、という事例から、なぜ人は上から目線と感じてしまうのか、を論じた一冊。
そもそもの発端である事例では直接上司に「上から目線だ」と指摘しているらしく、それは信じがたい事例なのだが、陰で「偉そうにしやがって・・」と言うのはよくある事例だと思う。
結局その様に上から目線だと憤っている側こそ、実は上から目線でその上司なりを品定めしているというのが実態。
なんだか複雑な環境が生まれているようです。
著者は教育現場の変化や、家庭における教育やら道徳の変化にその原因があるようだと論じているが、これはある意味よく語られているテーマでもあると思うので、この本の論述自体は新鮮味があまりない。
などというこのレビューも「上から目線」かもしれないと、ふと思う。
Posted by ブクログ
確かにすぐ、「上から?」っていう人いるよなぁ。その返し、頻度多いとわりと違和感。
そういう人と、そう言われがちな人の精神構造を読み解こうとしている本。一冊の本にするほどの風潮かは?だけど、確かにそう解釈すると納得かもなあ。などと。
Posted by ブクログ
目上の人を平気で「できていない」と批判する若手社員、駅や飲食店で威張り散らす中高年から、「自分はこんなものではない」と根拠のない自信を持つ若者まで―なぜ「上から」なのか―。ま、いろんな人がいますわな。
「目上の人を平気で「できていない」と批判する若手社員、駅や飲食店で威張り散らす中高年から、「自分はこんなものではない」と根拠のない自信を持つ若者」本当に世の中はいろいろな方がいるもんだとこの本を読んで思いました。
この本はなぜ「上から」ものを言ったり考えたりする人がいるのか?また「上から」という目線がどうして気になるのか?ということを心理学者である筆者が読み解いたものです。
個人的には筆者の読み解くメカニズムについては「最近の若い方」(この文句は何千年も前から使い古されていることは承知の上)がとにかく「上から」ものを言われるのがいやで仕方がないと。自分の中にもそういう要素がまったくゼロではないのでなんともいえないものがあるんですが。少なくとも社会的な顔をしなければならないときにはそれなりのことができなくはないというのと「そういうこと」をいうのがたとえば上司の場合は「職業的良心」に基づくものだということはやっぱり、何度か会社をクビになってわかるのではないでしょうか?
後、「上から」という目線でものを言われるのがイヤという方は何らかのコンプレックスだったり、その他もろもろのことがあるんだなぁ、と感じながら。筆者の文章を読んでいました。「世代間コミニュケーション」というものについて、考える必要性がある方は手にとって見てはいかがでしょうか?というのが感想です。それ以上でも以下でもありません。
Posted by ブクログ
目上からのアドバイスなどに対して「上から目線による見下し」と捉える被害者意識を心理学視点から読み解こうとしている内容。斬新な内容は無い。様々な展開を行っているが深堀りされず、結論が若者批評に収まっているのが安直すぎる。
どちらかというと内容として気になったのが、他国との違いだ。
いくつかのキーワードが存在する。
・アイディンティティの欠如
・「空気」という異質な存在
・世間体の形骸
・間柄を掴まないと自己規定が決まらない
相手によって一人称を使い分ける「俺」「私」「僕」「お父さん」「お母さん」
・父性社会と母性社会
父性社会は切断、母性社会は包含
こう並べた時、他国との違いは政治以外に宗教というバックボーンが存在する事である。宗教がある場合、アイディンティティを神と自分という位置付けで持つことが出来るが、日本にはない。そのため、周りと自分の中で位置付けを持たなければならないのではないだろうか?そうすると、世間体や空気、他社との間柄といったキーワードが出てくる理由が見えてくる。
そういえば父性、母性も、遠藤周作の日本におけるキリスト教を語る中で出てきた。キリスト教は本来父性の強いものだが、日本ではマリアが崇拝されやすい・・・というものだ(だったかな?)
そう考えていくと、日本では政治による教育施策の影響が非常に色濃く出やすいのではないだろうか。特に教育は施策を打った結果が出るのに非常に時間がかかる代物だ。当時と今ではギャップがあまりに大きい。
そしてこれからの日本を取り巻く状況を考えると、母性から父性へのシフトチェンジがされていかなければならない。優秀な人材を輩出しなければならない。そうなると、今後は若者の方が優秀になってくる・・・となれば「上から目線」による被害者意識はなくならないだろう。なぜなら「さして優秀でもない仕事のできない上司」という存在からの目線を受けるのだから
(本の内容とはかけ離れた感想になってしまった)