榎本博明のレビュー一覧
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子供に読書を勧め続けるためのモチベーションを上げるために読んだ本。
他の本でも読んだことのある内容が多く、また同じことの繰り返しが頻出するので途中飽きてしまったが、データを元に(けっこう古いデータもあるが)論じられているので受け入れやすいと思う。
2022年から高校の国語が文学と実用文(例えば自治体の広報や契約分等)に分かれる、というのはニュースで聞いたような気がするが、その理由が、ちょっとした通知事項もきちんと理解できない子が増えているから、というのは知らなかった。
自分の子供の将来も心配だが、そのような子達がどんどん社会に出て行くと、話が通じない、深い話し合い等できない世の中になって -
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教育のあり方は子どもたちの人生を左右する。ゆえに、安易な教育改革は避けるべき。実用性重視の改革に疑問を提起し、より良い教育の方向性を探る書籍。
小学校では、英会話を中心にした英語の授業が行われている。調査によると、その時間を楽しいという子どもたちは多いが、これを根拠に英語教育を推進するのは危険だ。最近、「楽しいかどうか」にとらわれすぎる風潮が強まっている。
今日、知識偏重の教育からの脱却が唱えられ、英語教育は読解・文法中心から会話中心へと転換した。だが、言い回しや発音のハウツーを習うばかりでは国語力や思考力が向上せず、子どもたちの英語の学力は一貫して低下している。
近年、主体的な学びが大 -
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新書は9割タイトルで読むかどうかを決めるのだが、なるほどと思う所はあったが、今の私にはさほど必要なかったかも。自分を殺してまで相手に合わせることを、まったくしなくなったので。本書で問題視されている“やさしさ”は相手の気持ちに立ち入らず、自分も相手も傷つけない見かけだけのやさしさである。確かに学生の頃はこの“やさしさ”を重視していたが、いつの間にどうやって克服したのか記憶にない。私は抜け出すことができたが、脱出できないまま人間関係に悩み疲れている大人も多いのだろう。我が子がそういう大人になって欲しくはない。
友達親子は論外だが、子どもの将来のためを考えて厳しく叱れるだろうか。つい自分の都合で -
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寧ろ自分がその面倒くさい人なので読んでいて陰鬱になってきた。
人生を構成する主要な価値を6つ抽出しどれを重視するかで人の類型分けした教育学者シュプランガーのことを初めて知ったのが勉強になった。
理論型 - 理論が通じることや真理に価値をおく。
経済型 - 金銭的・社会的地位に価値をおく。
審美型 - 美的なもの、楽しいことに価値をおく。
宗教型 - 神を崇め、信仰に価値をおく。
権力型 - 他人を自分の意のまま従わせることに価値をおく。権
社会型 - 社会への奉仕活動や福祉にかかわることに価値をおき、人の役に立つ行動をとる。
本書ではこのうちの宗教型についてバッサリカットしている。キャリア形成 -
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一言でいうと、親も子も読書をした方が良いということ。
読書または読み聞かせしている子供と、していない子供の間に語彙力と読解力に大きな差が生まれる。
分岐点としては、小学校入学まで。
この差は小学校6年間埋まることのない差であるとのこと。
読解力のある子供は自発的に本を読み、わからない言葉を自分で調べて語彙力を高めていく。
これを聞いて子供に読書をさせたいと思い、本を買い与えて読めと言っても、やさられ感があることに対して子供も気が進まない。
その為、まずは親が読書を楽しんでいる姿を見せる必要がある。
子供と一緒になって読書を楽しむことで、子供の知的好奇心が芽生えていく。 -
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ネタバレ現代の日本教育に一石を投じる本。やたらと「褒める」「叱らない」「ありのままで」が強調される風潮があるが、これは、高校・大学の卒業が非常に厳しい欧米で成立する教育方法。日本のような、卒業はしやすい仕組みにおいては、ただ子どもを甘やかすだけになりかねない。事実、打たれ弱い・粘れない子どもが増えてきている。
日本人の目指す親の理想的な姿は「友達のような話しやすい関係」「子どもの自由を後押しする」らしいが、この本を読んで、それだけでは無責任であると感じた。親は、子どもが社会の荒波にも立ち向かっていけるだけの力を養わせる義務がある。それは「褒める」「叱らない」だけでは身につかない。もちろん虐待は論外だ -
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現場が困っているというより著者は怒っているか。大きな社会動向の前に一個人が抗うことはほとんどできない。理念は良いが実行段階で組織的にできるだけ公平に誰もが扱えるようにと具体策に落とし込むと理念と裏腹な結果になることも多い。子ども(~大学生)は自ら現在の教育制度を選べない。全て,大人が敷いた制度である。子どもが危機的であるならば,それは大人の責任であろう。教育を任せてしまうことのメリットとリスク,そこにどう関与するか。そのうち,子ども(未来の大人)から大人が「俺たちを低能力にしやがって」訴えられる日が来るかも。そんなことも思わない考えない状態かもしれない。そうすると危機的な状況に気づいた個人の力