榎本博明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「イクメン」という言葉の気持ち悪さ、感じたことありますか?
私はありますし、本書の意見は全般的に賛成。
そもそもイクメンとは、どこから来たのか。
どうやら国がキャッチーな言葉を使って『「男女平等」を主張したよ〜』ぐらいのテンションで作った言葉のようです。
(個人的に、どこまで本気で男女平等を政府が考えているのか疑問に思う節があるので、テンションには偏見かもしれません…)
よくハライチの岩井さんの画像で使われてしますが、「イクメンの意味がわからない!自分の子を育てるのは普通でしょ?」というコメントに同意する人は本書をオススメ。
イクメンという言葉の軟弱さを感じられるかもしれません。
本書では「父親は、こうあるべき!」という内容ではなく、「著者は、こういう姿を子供に見せて来ました。そしたら子供はこう育ちました。大人も子供も個性があるので、参考までに…」くらいの立ち位置で書かれています。
もちろん、その考えの根拠や裏付けも提示され、私個人は納得できる内容でした。
子育ては母親が全て担うものではない、と実感させてくれる1冊でした。
「子育ての仕方が分からないし、何していいか分からない」
「仕事が忙しいから、子育てはノータッチ」
は、ちょっと違うかもしれません。。
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Posted by ブクログ
著者の「イクメンの罠」からの流れ読み。
「叱られることに抵抗感がある」これは誰でも持っている感情だろうが、叱られた時、それに対処できるレジリエンス(心の復元力)が育っていない若者が増えているという。
レジリエンスを育てるには、失敗してもそれを克服する努力をすることでいい方向に向かうことできる、という自信というか自己肯定感を持つことだという。自己肯定感を育てるには褒めるだけではダメだ、ということだ。
「注意されることは、攻撃されること」、これも大なり小なり誰もが感じることではある。自分なりにどう処理するのか、そのためのいろいろな引き出しを自分の中に持つための経験の蓄積ができるとといいのだろう。では、社会に出て、組織の中で、どのように引き出しを持つよう育成すればいいのか、悩みどころだ。
あれっ、それを考えるための流れ読みだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ承認欲求は、成長するために欠かせないものでもある。
マズローの欲求の階層説のうち、4番目の承認と自尊の欲求の一部=人間の基本的欲求。
多くの人は、生理的欲求や安全は満たされるが、愛と所属、承認と自尊はあまり満たされていない。
承認欲求には肯定的評価を受けたいだけでなく、批判や否定を避けたい欲求も含まれる。=市場的構え(市場原理が人間の価値にまで及んでいる=どれだけ人気があるか、が人間の価値を決める)から、人から気に入られるか、どう思われるか、に過敏になっている。
承認欲求を満たすには、本来努力が必要であったが、今はSNSで簡単に満たすことができるよういなった=その安易さゆえに、振り回される人が増えた。
文句を言われないために職場でも家庭でも自分を押さえてしまう=理解ある上司、夫でありたいために言いたいことが言えない。これも承認欲求が強いため=他人の評価に過敏になっている。
バイトテロ=承認欲求によって冷静な判断を失っていた。仲間にそそのかされた。
本音の人付き合いができない=承認欲求が強いため。
政治家や官僚の不祥事も、良い人を演じてしまうことから起きる。
承認欲求に振り回されている限り、常に相手の期待する自分を生きるしか、満足できない。
有能な人のあら探し=承認欲求が満たされない不満から。
自己の二重性=見る自分(知る主体としての自己I)とみられる自分(知られる客体としての自分me)がいる。Iが、meを強く意識することで承認欲求が強まる。
人の目を通じてしか、事故を知ることはできない。似た者同士でまとまりやすいのは、同じ価値観だと肯定的に見てもらいやすいから。
SNSによって、見られる自分、が肥大化した。
自己愛人格障害=自分の評価が高い場合と低い場合がある。
自己愛が強い人は、承認欲求が強い。簡単に満たせるためSNSに走る。
自己イメージは、自分がもとから持っているのではなく、他人が自分に対して抱くイメージによってつくられている。
「見下され不安」には、他人の親切な態度も見下す態度に映る。
現状不満、自信のなさ、見下され不安が強い、ほど上から目線に過敏。
セルフハンディキャップにつながる=承認欲求の挫折を防ぐための試み
今の自分を乗り越えようとする努力は承認欲求が原動力になっている。
欧米の独立的自己観では、自分なりに納得のいく成果が自尊心の向上になる=自己中心の文化。
日本の相互依存的自己観では、他社との良好な関係と社会的役割を果たすことが自尊心の向上につながる。日本人は、個の世界ではなく、間の世界を生きている=間柄の文化。日本人の礼儀正しさ、他人に迷惑を掛けない生き方、につながる。
宗教などの絶対原理がないかわりに、恥ずかしいことをするな、という美意識が社会を保っている。社会=世間。恥の文化対罪の文化。
何でも中庸が望ましい。
承認欲求を全否定するのではなく、生きにくくしている部分を見極めること。
ストレスコーピング。
情動発散型=好きなことをする、リラックス、のんびり、など。
満たされた欲求は人を駆り立てない。
自己開示する=本音で付き合えば承認欲求が満たされる。
自己開示できないのは、現在のバランスを崩すことの恐れ、相手の反応に対する不安、があるから。
一歩踏み出す勇気、みんなから好かれようと思わない勇気、相手の目に映る自分より相手そのものを見る、認められたい、より認める、自分をさらけ出す、ことが必要。 -
Posted by ブクログ
昨今(と言ってももう少し古い感もあるが)流行りの育児スタイルのうち、「早期教育(英才教育)」と「褒める子育て」の2つを主に疑問視し、非認知能力を高める子育てを推奨する一冊。
幼少期から習い事や通塾ばかりする子は、頭が良くても指示待ち人間を生み出しかねない。そのうえ社会で成功できるか否かはIQよりもEQが大事である。
褒める子育ては、挫折を乗り越える力が育まれずストレス耐性の低い、頑張り切れない人間を育てかねない。。。
というのが著者の見る昨今の育児が生み出す弊害。
あまりその因果関係を示すデータは示されないが、まあ論理的に理解できる主張だからそこは気にならない。
ただ、同じ主張が本書全編を通して、あまりにもしつこい印象はある。
さて、代わりに大事と説くのが「非認知能力」や「レジリエンス」。
そのために、しつけの重要性や幼少期に友達と自由に遊びまくることなどを説いている。親の子に対する接し方についても助言はある。
ただ、著者は教育心理学者であるものの、育児の専門家ではない。ゆえに、具体的な育児シーンを想定したノウハウの記述は非常に少ない。
「非認知能力」という言葉を聞いたこともない、という人は手にとってもいいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ当たり前のことしか書いてなくて、目新しい情報はなかったから★3つにしたけど、よく考えたら、自分がどうもこの著者が好きで共感することが多いから、気づかないうちに何冊も読んでるからで、目新しくないのはしょうがないな(笑)。
榎本博明氏は他の著書でも、日本の教育が、日本の社会のありようや文化的背景を無視して、なんでも欧米の真似をしてきたことの弊害を訴えていた。ほめて育てるとか、叱らない子育てとか、そういう流行りの教育の間違いを指摘されていた。
本書では、最近もてはやされる「イクメン」という言葉に踊らされて、父親が本来果たすべき父親の役割を忘れ、母親的になることの間違いを指摘。この内容もとても納得できた。
テーマが「イクメン」なので、おのずと自分の夫のことを考えながら読んだけど、榎本氏の考えでいくとうちの夫はなかなか良い線いってる!(良い父親!)と思った。(ノロケですいません)。
子どもが赤ちゃんのときは、お腹を満たしてあげ、おしっこなどの世話をして、あたたかく安全な環境を作ってあげることが第一なのだから、もちろん母親と父親が同じ役割を担い、子どもを守り育てれば良い。
しかし3歳を過ぎたら、父性的な関わりが非常に重要なのだ。厳しい父親的な存在が、子どもの前に壁として立ちふさがることが必要なのだ。
今の世の中、「母親らしく」「父親らしく」などと言いにくい風潮だが、もちろん母親が父性的な壁になることがあっても良いし、父親が母性的な役割を果たす家庭があっても良いだろう。
うちの夫は子供が小さいとき、体を使って本当によく遊んであげていたし、子どもに信頼されている。その上で、子どもたちが小学生になった今は、時にはとても厳しいし、片付けずにだらだらしていると突然大声で怒ったりする。子どもたちはその時はふてくされた様子を見せるが、一応言ううことを聞いて片付けるし、父親が厳しいからと言って嫌ったりはしない。やっぱりしばらくすれば甘えて、抱きついて、休日には遊んでほしいとせがむ。
非常に共感したことを記録↓
今の子どもが自己コントロール能力が低いからと言って、そんな子供に合わせて、先生が優しくなって、授業を楽しくしてあげたところで、子どもの問題の解決にはならない。その通りだ!
父親は父親らしくあるべきだ、などという性別によって役割を固定化することが否定されがちだが、「そもそも文化的存在である人間は広い意味での役割の束として生きているのであり、役割を脱ぎすてた本当の自分などない」。
文化的存在である人間は役割の束として生きている!すごく納得。
多くの人が、そのことがわかっていない。分かろうとしないし、個人主義になり、役割を押しつけられることを拒否し、わがままになっていると思う。
組織に属さず、自由に生きているように見える人だって、社会の中での役割を担ってこそ認められるのであって、完全に社会の中で自由で、何の役割も担わないなんてことはないはずだ。
最後に、父親として子どもを導くヒントが8つ紹介してあったが、当たり前のことすぎて、「え?それでいいの?」と思った。我が家ではこの8つはきちんとできているように思う。
逆に、こんな当たり前のことができていない家が多すぎて、こんな本が出版されるのか…と思うと怖かったりはする。
1挨拶をする、お礼を言う
2我慢をする
3簡単にあきらめない、粘る
4相手の気持ちを想像する習慣をつける
5いろんな友達とあそぶこと
6結果をきにせず挑戦すること
7読書習慣を身につけ、好奇心をもつ
8働く姿を見る、知ること
2の「我慢をする」は、けっこう欲しがるおもちゃや本を買い与えすぎて、我慢させてないような気もするんだけど、親が共働きで普段我慢させていることが多いので、たまにはいいかな、と思ったりもする。4,5は、近所にいろんな友達がいて、トラブルも多いので、その都度、〇〇ちゃんがかわいそうじゃない?などと話し合い、家族で悩みながら近所づきあいしてきて、それも良い経験かなと思ったりする。
6は、上の子はけっこう失敗をおそれて最初からやらないことが多いように見えるけど、下の子はかなりチャレンジャーで面白い。上の子も学校ではそれなりに苦手なこともやっているようなので良しとする。
8は、私自身の仕事が忙しくて、子どもたちをけっこう犠牲にしてしまっていることも多いけど、私(ともちろん夫)が、仕事に真剣に向き合っている姿を、これからも見せていきたいと思う。
イクメンがテーマだけど、働く母として役に立つことも多かったな。