【感想・ネタバレ】「やさしさ」過剰社会 人を傷つけてはいけないのかのレビュー

あらすじ

ある大学生は、自分の友だちに深刻な悩みごとは相談できないという。「友だちにそんな重たい話をして、負担をかけたくない」。しかしそんなに気を遣う関係が、友人関係と言えるのか。目を転じれば、子どもを叱れない親、部下を注意できない上司が世に溢れており、人を傷つけてはいけないという風潮があるようだが、背景には「子どもに嫌われたくない」「部下に訴えられたくない」といった思惑があるのではないだろうか。上っ面のやさしさが主流になり、あえて厳しいことも言う本物のやさしさが疎まれてしまう時代。日本古来の「間柄の文化」にも言及しながら、ベストセラー『「上から目線」の構造』を著した心理学者が現代の「やさしさ」を分析する。【目次より】●人の気持ちを傷つけない人はやさしいのか? ●聞き分けのいい母親より、厳しい母親でありたいと思う人は一二% ●アドバイスを受けてムカつく部下 ●気遣いをさりげなく伝えるやさしさ etc.

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Posted by ブクログ

「優しさ」とは、「褒める」とは、人間社会に於いてとても難しい課題だ。相手の環境など感受性の違いで「優しい」と思われるのか「うざい」と思われるか。ただ子供の教育で「褒める教育」について、成果も何もないのに褒める親、何をやっても怒らない親は、今後姿勢態度を変えるべきで、忍耐力が欠ける軟弱で短気な人間に育つ、と言う。それには、欧米諸国にあるように怒りを全面に出すのではなく「子供に反省する機会と、考える余裕(なぜこれが悪いのか)を与えること、更に繰り返す場合には罰を与える」は今後親の言うことなど素直に聞く子供になる気がする。

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2024年09月02日

Posted by ブクログ

【背景】
①なぜ読むか
以前、この本の要約を読んで記憶に残っていた。
②何を得たいか
日本社会の“上っ面”な人間関係の一要因を考察するきっかけ。
③読後の目標
身近な人間関係への応用。
【著者】榎本博明
【出版社】PHP新書
【重要語句】
やさしい、厳しさ、閉塞感、友達、ほめる、タテマエ、「間柄の文化」、レジリエンス
【要約】
【メモ】
ほめる≠やさしさ
留年はかわいそうなのか

【感想】
書かれたのは2016年。現状との若干のミスマッチは否めない。むしろ、当時の状況を示す指標としては参考になると思った。
また、この本は、若者批判によりがちではある。社会人歴数年の私から言わせてもらえば、年上の管理職に対し「お前ごときが私に注意するな」と思うことは多々ある。“叱る”行為の中の優しさは、相手を育てるだけの気概がなければ成立しえない。古い表現だが、筋を通す、仁義を尽くすような人であれば叱られても良いが、責任を転嫁するような無能な管理職や上司は黙ってヘラヘラしとけ、と言わざるを得ない。ある意味で昭和的な優しさが足りないとは思う。人情が足りないというか…
本書でも使われる「やさしさ社会」を作ったのは、我々の世代だけだろうか。否、そんなことは無い。物質的な豊かさを重視し、精神的な豊かさを放棄したのはどの世代だろうか。そのような教育、社会を作ったのは誰だろうか。この著者を含めてだが、ヒトと特に自分の子供たちと、ちゃんと向き合ってきたのか。自分や今(当時)の社会ばかりを優先し、子供や未来のために本当に必要な関係を築いたのか。

現代社会では、「多様性」という言葉が多用される。みんな違ってみんないいよね的な“やさしさ”が蔓延っている。そもそも、今さらそんなことを口にするのもバカらしいし、その違いを優先して既存のシステムや文化を全てキャンセルすることは許されるのか。保守的との指摘はあるかもしれないが、それは人類が、日本人が積み上げてきた文化、ひいては人類そのものへの挑戦ではなかろうか。
私は自分の軸に沿って、優しくありたい。

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

 新書は9割タイトルで読むかどうかを決めるのだが、なるほどと思う所はあったが、今の私にはさほど必要なかったかも。自分を殺してまで相手に合わせることを、まったくしなくなったので。本書で問題視されている“やさしさ”は相手の気持ちに立ち入らず、自分も相手も傷つけない見かけだけのやさしさである。確かに学生の頃はこの“やさしさ”を重視していたが、いつの間にどうやって克服したのか記憶にない。私は抜け出すことができたが、脱出できないまま人間関係に悩み疲れている大人も多いのだろう。我が子がそういう大人になって欲しくはない。
 友達親子は論外だが、子どもの将来のためを考えて厳しく叱れるだろうか。つい自分の都合で声を荒げてばかりの毎日を反省。

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2021年08月06日

Posted by ブクログ

自分が他人に行なってる優しさすら、思いやり故なのか自己愛故なのか曖昧になってる部分が多いので、優しさに真正面から向き合ってみようと思いました。
自己愛で固められた優しさを振りまく人にはなりたくないな。

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2021年06月28日

Posted by ブクログ

やさしい人の人気が高い。傷つけないよう気を遣う。だけど、叱るより楽だしぶつかるのを避けてるだけで、相手のことを本当に考えてるわけじゃないのでは。気になるのは自分が人からどう思われているかだけでは。本当のやさしさは、自他への厳しさを伴うものだ。

後書きによると、明快な回答を示せたわけではないけれど、やさしさについていろいろ考えてみました、考えるたび新たな発見がありました、とのこと。まさにその通りの本だと思いました。

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2019年12月18日

Posted by ブクログ

本当の「やさしさ」とは何か考える必要がある。個人的には「やさしさ」というより他人への興味・関心が減ったことによる放置・放任が増えたのかなとも思う

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2017年05月15日

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