榎本博明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
■感想:
自分が本書をこんなきのめり込んで読んでしまうとは思わなかった。
学校教育を受けているときは、当時の教育方法、指導方法に不満など一切持たずにいたわけだが、今現在大人になり、自分の受けた教育方法と、国内外の教育方法、今後の子どもたちが受けるであろう教育方法に関心を持たなければいけない。
著者は近年取り入れられている「アクティブラーニング」(活動あって学びなし、教えない授業の蔓延)、「楽しい授業」の追求(学びの楽しさではなく、楽な学びに移行)、「主体性への評価」(何を持って主体性を測るのか)を批判、危惧している。
そもそも、意見を述べたり討論する授業「アクティブラーニング」はアメリカ -
Posted by ブクログ
楽をして学ぶことと、学ぶことか楽しい、は違う—
知識偏重型からの脱却、詰め込み型の入試からAOや推薦入試への移行が進みつつある日本。
大学教育に携わる著者が警鐘を鳴らす。若干保守的な考え方であると感じたが、内容には概ね賛成できる。
本書の中で特に重要だと思われたのは、国語における実用文教育へのシフトチェンジに対する批判だ。実用文とは契約書や規約等の読解力になるわけだが、文学や評論ではなく実用文の読解がこれからの国語教育の中心になるとは恐ろし過ぎる。
確かに契約書等を読む論理的読解力は重要だ。しかし、言葉の力は思考力やものの感じ方に強く影響する。中学生 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「教育現場は困っている」というタイトルであるが、「筆者が教育現場に対して困っていること」がメインに書かれている印象を持った。筆者の意見は概ね賛同することができた。しかし、全てに賛同できるわけではなかった。筆者の意見の概要としては、「何でもかんでもグループワークだ、アクティブラーニングだ言っていないで、内向的に考えることを重要視するべきなんじゃないか」と言ったものであった気がする。現代の教育現場ではアクティブラーニングに重きが置かれていることは間違いない。そして、アクティブラーニングをしたからと言って深い学びになっているとは限らないということも十分理解できる。しかし、本書の中でも述べられていたよ
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Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 「授業が楽しい」とは、どういうことか
第2章 「能動的に学ぶ」が誤解されている
第3章 学力低下にどう対処すべきか
第4章 楽しいことしかやりたくない!
第5章 学校の勉強は役に立つ
おわりに
<内容>
学校現場の教師の立場に立つ著者による、今の教師を勇気づける本。至極もっともなことが書いてある。「アクティブ・ラーニング」だ「学校の授業は役に立たない」、「主体的・協同的に学ぶ」だの、学習指導要領が変わるたびに、文科省は何かと押し付けてくる。前の提案が正しかったかの検証もなしにだ。「総合的学習」も「ゆとり教育」もしかり。まあ大体どれも一義的には正しいのだが