榎本博明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
思春期の子どもや人間関係に疲れた大人にも薦めたい一冊。
気にしすぎ、と一蹴されればそれだけのことを、丁寧に紐解いてくれます。
欧米がマイペースな「自己中心の文化」(ここだけ読むと語弊がありそうだけど、どちらが良い悪いではないのは読み進めれば分かります。)なら日本は相手の気持ちや立場に配慮する「間柄の文化」。
気づかいの応酬がお互いを否定せず、攻撃しない、穏やかで思いやり溢れる人間関係をもたらす。
人を気づかうことを、「人に影響を受ける」というと否定的な印象になるが、「人のこ とを配慮できる」というと肯定的な印象になる。
対人不安のおかげで人とうまくつき合っていける、という視点が大事だな -
Posted by ブクログ
■「謝罪」に必要な7つの要素
①自分の言動によって傷つけられたり、不快感を与えたり、損害を与えたり、負担をかけたりといったことが生じたのを認めること
②その責任は自分にあるのを認めること
③自分の言動を反省すること
④被害者の気持ちに共感し理解を示すこと
⑤同じようなことをもう二度と繰り返さないと誓うこと
⑥被害者から許しを請うこと
⑦補償を申し出ること
■気持ちを重視する日本的感受性においては、謝罪が許しにつながりやすいのだが、実利を重視する感受性のもとでは、謝罪は自分に非があることを認めた証拠とみなされ、許すどころか責任の追求が厳しくなる。
■絶対に「謝らない人」は二つの能力がかけているこ -
Posted by ブクログ
【目次】
はじめに
1.自己肯定感っていう言葉を最近よく耳にする
自己肯定感を高めようという働きかけへの違和感/自己肯定感の低い自分はダメなのか?/ほめられても自己肯定感が低い自分はおかしいのか?/自分に満足できなくなるのは心の成熟のしるし/自分の現状に満足できないからこそ成長できる
2.日本の若者は自己肯定感が低いって言われるけれど……
国際比較によれば日本の若者の自己肯定感は極端に低い/ここで浮上する三つの疑問/海外と違うと日本に問題ありとする図式が問題/データを真に受けることで気持ちが萎縮してしまう/なぜ日本の若者は自己肯定感が低いのか/文化の違いに目を向ければ謎が解ける/他の -
Posted by ブクログ
ネタバレこんなに付箋紙を貼りまくった本は久しぶり。
主に部下の問題に悩んでいる管理職と、その悩みにアドバイスをする会話という形式で文章が成り立っていて、まるでマンガを読んでいるようにスラスラ読めました。
読書の効用が、多く語られていました。自分以外の視点を取りこむことができるようになる。読解力が高まり、自己認知、メタ認知がうまく機能するようになる。「わかったつもり症候群」からも脱出できる。
スマホが近くにあるだけで、気にしないようにという努力で脳のエネルギーが割かれて、認知能力が低下し、課題遂行能力が落ちることはさまざまな実験で証明されている。おそろしい~。
自分の思いを人に伝えるには、思い -
Posted by ブクログ
ネタバレ尊敬する人が話していた本だったので読んでみました。
よく「自己肯定感が下がっている」と言われるが、抽象的思考ができるようになってくると理想自己と現実自己の違いに苦しみ自己肯定感が下がってくることにつながるということが腑に落ちた。
ただ単に子どもの自己肯定感が下がってきた、というのを悪いようにとるのではなく、思考が育ってきたからという視点から見るのもひとつだなと感じた。
人と比べたり、人と話したり、人に評価されることで自分のことを客観視したり、自分はこういう面もある、と感じられるというのは、人との関わりの中で生きているんだなというのを強く感じた。日本語では「人」と人間関係を表す「人間」がほぼ同じ -
Posted by ブクログ
人の記憶は曖昧で不安定なものだ。ついこの間まで難なく覚えていた事なのに、何故か今日は思い出せない。テレビで見た俳優の名前を、あいうえお順に何処か引っ掛かる文字がないか順に辿っていって、何とか3文字ぐらいは候補に残るが、そこから先が思い出せない。そんな事は頻繁にある。歳を重ねるに連れ、記憶力が落ちるとも言われるが、幸い記憶に関する色々な書籍を見てきたから、加齢による衰えだとは思っていない(幸いにも)。要は経験や知識が増えてくれば、あまり使わないような記憶はアクセス速度が落ちても仕方ないし、もっと重要な事柄があれば、そうでないものは当然気に掛けなくなるから、記憶の引き出しから出せなくて当たり前だと
-
Posted by ブクログ
職場にいる今イチ使えない人材に対して悩んでいる管理職におすすめ。
【概要】
●人材に対する管理職の大きな勘違い。
●認知能力・メタ認知能力・非認知能力の問題
●各能力の改善
【感想】
●管理職側の視点から困った人材を分析した本である。さまざまな人材例が示されているが、これほど的確に分析された本は他にないのではないかと考える。自分がいる組織にはこの本に記されている事例に当てはまる者が多数いることに驚いた。ただし、それぞれの改善策をとることが可能か、若しくは改善策に効果があるかについては疑問があるものの、参考にすることはできる。
●人にはそれぞれの異なった世界が構成されているため管理職が勘違い -
Posted by ブクログ
【目次】
はじめに
第1章「さみしさ」を感じるのは自立への第一歩
自分が嫌になることがある/親の言葉や態度に、なぜかイライラする/もう言いなりではいられない/秘密をもつ/わかってほしい、でも見透かされたくない/依存と自立の間で揺れる心/タテの関係からヨコの関係へ
第2章 自己の個別性への気づきがもたらす「さみしさ」
自分と向き合うことで芽生える自己意識/自分だけみんなと違うように感じる/自己の独自性の意識と孤独/自分はどこに向かっているのか/自分の人生は自分で背負っていくしかない/だれともわかり合えないさみしさ/孤独だからこそ自意識を麻痺させることも/間柄の文化の住人だからこそ切実な