あらすじ
いま、急増している「絶対謝らない人」たち・・・
「謝ったら死ぬ病」を読み解く。
ネットで炎上を繰り返す懲りないインフルエンサー、
過ちを指摘されても決して非を認めない政治家、
責められても屁理屈をこねて「言い負かす」ことに執着する著名人、
自分の失態だけはなぜかスルーする職場の同僚、
謝罪すべきなのに常に上から目線でイラっとさせる知人、
ミスを指摘するとむきになって反論してくる部下・・・
なぜいま、「謝ることのできない日本人」が増えてきたのか
自分に明らかに非があり、
どう見ても謝罪すべき状況に立たされても、
絶対謝ろうとしない人たちをよく目にするようになった。
非を認めるどころか、
逆に相手を攻撃したり、屁理屈をこねたり、
取り合わなかったりすることで、
明確な謝罪だけはしないように立ち回ろうとする。
なぜある種の人たちは、そこまで謝罪を忌避し、
自己正当化にこだわるのか。
「絶対謝らない人」の
いびつな心理を読み解く。
「謝らない人」は
「タフ」なのか、ただの「バカ」か?
第1章 何があっても「謝らない人」が増えてきた
・ミスを指摘されると謝るどころかキレる人
・平気で見え透いた言い訳をする人
・自分ではなく、いつもまわりのせいにする人
など
第2章 「謝らない人」の、いびつな心理に迫る
・「謝罪は敗北」と考える人の偏った心理
・「謝らない人」は、じつは自信がない人
・メタ認知が機能しないため被害者意識さえ抱く
など
第3章 そもそも「謝罪」とは何か
・「謝罪」に必要な7つの要素
・容易に謝る「日本人の謝罪」の肯定的な側面
・「自己中心の文化」と「間柄の文化」の謝罪の違い
など
第4章 ほんとうの謝罪ができない人の胡散臭さ
・じつは全然謝っていない謝罪会見の定番セリフ
・戦略としての「謝罪」をする無反省な人々
・謝れば許さられるという甘えが生む「偽物の謝罪」
など
第5章 ウソ、屁理屈、論破自慢、「謝らない日本人」はなぜ増えた?
・謝罪した人をさらに攻撃する風潮の広まり
・「マウントを取られたくない」という心理傾向の人の急増
・ネット上に攻撃的な人物がよくみられる理由
など
第6章 「謝らない人」とどうつき合うか
・硝子のプライドを必死に隠している人の攻撃性
・親切心が「いちゃもん」と曲解されるリスク
・相手の心理メカニズムがわかればイライラもなくなる
など
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Posted by ブクログ
■「謝罪」に必要な7つの要素
①自分の言動によって傷つけられたり、不快感を与えたり、損害を与えたり、負担をかけたりといったことが生じたのを認めること
②その責任は自分にあるのを認めること
③自分の言動を反省すること
④被害者の気持ちに共感し理解を示すこと
⑤同じようなことをもう二度と繰り返さないと誓うこと
⑥被害者から許しを請うこと
⑦補償を申し出ること
■気持ちを重視する日本的感受性においては、謝罪が許しにつながりやすいのだが、実利を重視する感受性のもとでは、謝罪は自分に非があることを認めた証拠とみなされ、許すどころか責任の追求が厳しくなる。
■絶対に「謝らない人」は二つの能力がかけていることがある。いずれの場合も、自分が悪いことをした、自分に不適切な言動があったという自覚がない。注意やアドバイスを受けても、そうした自覚に至らない。
第一にメタ認知能力が欠如している場合がある。いわば自分を振り返る心の習慣がない。普通は注意やアドバイスを受けると、自分の言動を振り返り、「あの態度が良くなかった」「あおの言い方が不適切だった」というように指摘されたことをヒントにして、自分の不味かった点に気づき、反省し謝罪するもの。それはメタ認知がうまく機能しているからである。しかし、メタ認知が機能していない場合、自分の言動を振り返って反省するよりも、「なんか感じ悪いことを言われた」「嫌なことを言ってくる」といった受け止めになりやすい。反省しないのだから謝罪はしない。
第二に、認知能力に問題があるという場合がある。不適切な言動に対して注意やアドバイスを受けた場合、適度な認知能力があれば言われたことを理解することができるため、反省し謝罪するもの。だが認知能力が十分鍛えられていない場合、言葉の理解力に問題があるため、注意やアドバイスの意味をきちんと理解できず、相手の意図を汲み取ることができない。本を読まず、認知能力が鍛えられていない子が国語の読解問題が解けず、国語の成績が上がらないのと同じ。認知能力が鍛えられていないと文書の意味をきちんと理解できないだけでなく、人の言うことも正確に理解できない。
さらには、絶対に「謝らない人」の場合、他人に対する共感能力が乏しいといういこともある。人を傷つけるような言動を注意されても、なぜ相手が傷つくのか、相手がどんな気持ちになるのかを想像できない。そのため注意やアドバイスも言いがかりのように感じてしまう。
Posted by ブクログ
絶対謝らない人の特徴と関わり方については示した本。該当する人の特徴とぴったりで笑ってしまった。
日本人で絶対謝らない人は、メタ認知が出来ない、認知力が大きく不足しており、とても弱く自身がない人が多い。とてもかわいそうな人と思い、一切期待せずに適度な距離を取って関わらない事が肝要である。
良く頭に叩き込んで、今後対応していきたい。
Posted by ブクログ
自分がどんな人間でも現状を受け入れ、
人と比べず、
自分だけでなく人の立場からものを考え、
感謝と謙虚さを忘れず、
人の言葉をよく聞き、
ちょっと叱られたくらいではへこたれない心の強さをもち、
自己を客観的に見て捉え、
正しい善悪の判断力をもつ。
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
ちゃんと謝れる人はそれができる人。
子供の頃に大人が教えてくれる、当たり前のこと。
だから子供は褒めて叱って育てていかなくてはならない。
生きる希望をもてるようにするとともに、その鼻っ柱をへし折ってやらなければならない。
大人になってからでは遅い。
Posted by ブクログ
謝らない人の心理
自己肯定感が低い人
共感能力が低い人
褒められることはあっても、叱られることがなかった人
自己愛が強すぎる人
昔から謝らない人は一定数いたかもしれませんが、SNSのせいで、それがより顕著になったのでしょうか。
謝ることで救われる空気の古き良き日本は遠けりですね。
正論は正しいけど、それを武器にする人は正しくないですね。
自分の弱さを認めて、踏み出せる一歩もありますよね。
結論、謝らない人には関わるな。期待するな。
それでも仕事で関わらないといけない場合、心を無にして接するのがせいぜいかな。
Posted by ブクログ
あまり記憶に残らなかったが、あるあるネタが多い印象。海外の事例である謝ったら賠償を請求される、謝っているようだけど本質には触れず周りを騒がせた事への謝罪。ある意味、参考になる話。とりあえずはこれで交わして、本気の時は本質を突こうと思う。
Posted by ブクログ
私は業務時間中、謝ってばかりいる。
「とりあえず謝る」「他人のミスために謝る」を繰り返すなかで、スッと許してくださる人もいるが、弱みを握って高圧的になったり、(許すと見せかけて)無茶な要望をしてくる人が多い。上司と部下との板挟み、顧客と会社との板挟みが多いので、謝らないと部署の業務が進まないが、自分は何をやっているんだろうと、メンタルがおかしくなる時がある。まさに、「謝ったら死ぬ病」が蔓延する環境にいることを自覚した。
もちろん、自分自身も心が追い詰められると、謝り方が「投げやり」な態度になっていないか、反省している。この本で紹介されている「見かけは謝っているようで謝っていない」言葉遣いになっていたり、「謝ればいいんでしょ!」という態度が滲み出ているのだろう。業務だと割り切って誠実な謝罪を演じるしかないのだが、やはり辛いものであり、気が狂いそうだ。
最近は「すみません」が口癖になってしまっているが、毎回本当に申し訳なく思っているとは限らず、この口癖を辞めるべきことは百も承知である。謝るべき時をキチンと見定めて、正しく謝って改心できるような習慣にしていきたいと思った。休みの日ぐらい、私に謝らせようと圧をかけてくる人たちのことを忘れ、正常な感覚を戻しながら、家族や友人と付き合いたい。