榎本博明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
職場の上司にすすめられて読んだ。「いろんな人が出てくるから、面白いと思うよ」と言われて。
読んでみると、自分が感覚的に理解していたことが、ちゃんと知識として言語化されていて驚いた。
「こういう人って、なんでこうなるんだろう?」と日々感じていた疑問に、脳の特性や認知のしくみという“裏側”から答えてくれている感じ。
経験則だけに頼っていた部分に、地図や説明書が加わったような読後感だった。
特に印象的だったのは、「できない人」に対して怒ったり諦めたりする前に、まず“前提”を見直す視点。
反省したり、読んで考え直したり、そういう地味な行為の積み重ねが、実はすごく大切なんだと再認識した。
よく半期に一回、立てた目標を上司(本をすすめてくれた上司より上の人)と振り返ることがあるけど、振り返りって思ってる以上に大切な時間なのでは?それをわかって部下と振り返ってる上司どのくらいいるのかな?
職場はいろんな人がいて、ちょっとした“人間動物園”みたいだなと感じることもあるけど(笑)、この本は、その中で「どんな生態なのか」「どう関わればいいのか」を知るための図鑑のようでもあった。
しかも一方的に分析するだけじゃなく、「自分もその一部かもしれない」と気づかせてくれるところが、ちょっと優しい。
人の行動にイライラしがちな人も、逆に「なんで私ってこうなんだろう…」と悩んでいる人も、きっとヒントになる本だと思う。 -
Posted by ブクログ
【内容紹介】
自己肯定感は、日々葛藤しつつ生きていくことで少しずつ高まるもの。成長途上の若者が自分はまだ未熟だなと思うのは自然な事。ほめたらのびるものではない。高校生の7割が「自分はダメな人間だ」と思うことがあるという。そもそもどのようにして測定されているのだろうか。その心理メカニズムを解明すると、何を鍛え、何を高めればいいのか、本当の自己肯定感を育む方法が見えてくる。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
タイトルだけ見て「自己肯定感は高くなくていい、ということかな?」と思いましたが、そういうことではなく、「もちろん自己肯定感は高い方がいい。ただ、海外と日本の文化の違いを無視した指標で安易に『日本の若者は自己肯定感が低い=海外と比べて劣っている』と決めつけている世の中の風潮は間違っているし、誉めることだけで自己肯定感が高まると思っているなら全く見当違いだぞ。努力して苦難を乗り越えないと自己肯定感は高まらないぞ。」という内容の本です。本当におっしゃる通りだと思いました。
結論自体には異論はないのですが、気になった部分が一つ…。筆者は「自己肯定感が低い=目標が高い=向上心」ということをおっしゃっていますが、私はそれは違うかなと思いました。目標云々以前に、「ただ落ち込んでるだけの人」「どうすれば良いかわからないだけの人」も沢山いると思うんです。要は、「自己肯定感を高める土俵にすら立てていない人」です。そういう人には、筆者のおっしゃる「努力で苦難を乗り越える」より前に、まず「やってみよう」と思えるような安心できる環境が必要ではないかと思いました。そのためには、「ただ誉めるだけ」とまでは言わないものの、多少の甘やかしや寄り添いも重要だと思います。
最近、我が子が自閉・ADHDの傾向があることがわかり、その対処についてやたらと「誉めること」が強調されていることに違和感を感じていました。「誉める」という行為には、「努力を・頑張りを」という枕言葉がセットでついていないといけない。それをこの本で痛感しました。 -
Posted by ブクログ
2025/07/29
現在も改革が進む教育のあるべき方向性について警鐘を鳴らす内容の本。
講義型の授業ではなく、アクティブラーニングという名のもとに話し合いやプレゼン、会話などと言ったコミュニケーションの側面を重視する学習が広がる中で、本当にそれで大丈夫なのかともう一度教育改革のあり方を問うている。
この人の分析もかなり面白くて、アクティブラーニングが提唱されるようになったアメリカの教育のアプローチの仕方と!日本の教育のアプローチの仕方は国の文化的な側面から考えても合致しているとは言えないのではないかと言っている。
話し合いやプレゼンをするにも当然前提となる知識は必要で、その知識を身につけるためにはじっくり人の話を聞いたり、聞いた内容を自分で理解したり、時には本、文献等で再度調べ直して情報を集めたりする必要がある。
最近の教育は、知識をしっかりと身につける時間を軽視していてその弊害が大学生にも現れ始めているとしている。
ゆとり教育も今では間違っていたとか言われていますが、学習すべき内容が増えまくっているのに学力や読解力が下がっていてしまっては、もう教育施策も言い訳ができなくなりそうですね。
何が効果的なのかはその時代の人たちが適切なものを模索していく以外にないのだと改めて思いました。 -
Posted by ブクログ
自己肯定感という言葉をもてあそんで、人の不安につけこんで金を稼ぐ自己肯定感ビジネスが流行りまくっていることに腹が立ったので読んだ
内容については概ね同意する。でも日本の文化を協調的であること謙遜すること、そこに馴染むように生きているのだから世界から見て日本の子どもの自己肯定感が数値として低くても機にする必要はないというのは、逆に言えばそこに馴染みにくい子のことを切り捨てているような気がした
もっとあらゆる子どもを包摂して、その前提で論じてほしかった
とはいえ自己肯定感を高くするためにむやみやたらに褒めたりすることは逆効果だと私も思う。とにかく褒めておけばいい、という教育の仕方は結果を褒めることになりがちで、経過をスルーしてしまうことも多い
そもそも自己肯定感とは自己を肯定することだから、褒められて上がるような自己肯定感は自己を肯定するというものではないだろ…と思う
自己肯定感が高くなけれbならないというプレッシャーが強くなるなかで大事なのは自己肯定感は別に高くなくてもいいというメッセージではないか -
Posted by ブクログ
第一章は筆者による違和感総まとめになっていたので気になるトピックスだけ読んで、「分かるわ~」で軽く読めた。
二章以降からは思考停止に陥る理由となる日本人特有の思いやりや忖度文化についての解説がある。そして時代が進み技術の進歩によって変化する教育現場の課題が深く、読書をして思考力や読解力を鍛えないとあっという間に資本主義社会に飲まれてしまうぞという警鐘があった。疑うことをしない人が多いなっていうのは自分もよく感じることで、毎日生きてるだけで自動的に情報が入ってくるけど、鵜呑みにしてる人ばっかりで心配になる。まさに今選挙期間中で、排外主義のデマを宣う政党とその様子を垂れ流すテレビとか。印象操作で騙せちゃう人が多い国民性にはあまりにも危険なのでは?とヒヤヒヤする。
批判的に物事を捉えるように教育されてないってことに日本人は気が付いているのだろうか…そこにたどり着く為にもやはり読書、これに尽きる。 -
Posted by ブクログ
「無理して学校いかなくても良い」
そう安易に対応するとどのような問題が起こり得るのか。現代の不登校がどのようなものかを解説したうえで、また、学校が、机上の勉強に限らず、やがてくる社会での、思い通りにならない他人とのコミニュケーション、苦難と折り合いをつけるための重要な訓練の場という意味もあるとする。上記のように安易に対応することで不登校が長引き、子どもが成熟しない、結果、次の引きこもり、自立しない大人となる…いう問題を危惧する。
現代的な「甘やかし」の風潮に警戒感を抱く筆者の主張は、バランス感をもって、子どもを見守るうえで重要な考え方の一つだなと思いました。