榎本博明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025/07/29
現在も改革が進む教育のあるべき方向性について警鐘を鳴らす内容の本。
講義型の授業ではなく、アクティブラーニングという名のもとに話し合いやプレゼン、会話などと言ったコミュニケーションの側面を重視する学習が広がる中で、本当にそれで大丈夫なのかともう一度教育改革のあり方を問うている。
この人の分析もかなり面白くて、アクティブラーニングが提唱されるようになったアメリカの教育のアプローチの仕方と!日本の教育のアプローチの仕方は国の文化的な側面から考えても合致しているとは言えないのではないかと言っている。
話し合いやプレゼンをするにも当然前提となる知識は必要で、その知識を身につけるた -
Posted by ブクログ
自己肯定感という言葉をもてあそんで、人の不安につけこんで金を稼ぐ自己肯定感ビジネスが流行りまくっていることに腹が立ったので読んだ
内容については概ね同意する。でも日本の文化を協調的であること謙遜すること、そこに馴染むように生きているのだから世界から見て日本の子どもの自己肯定感が数値として低くても機にする必要はないというのは、逆に言えばそこに馴染みにくい子のことを切り捨てているような気がした
もっとあらゆる子どもを包摂して、その前提で論じてほしかった
とはいえ自己肯定感を高くするためにむやみやたらに褒めたりすることは逆効果だと私も思う。とにかく褒めておけばいい、という教育の仕方は結果を褒めること -
Posted by ブクログ
第一章は筆者による違和感総まとめになっていたので気になるトピックスだけ読んで、「分かるわ~」で軽く読めた。
二章以降からは思考停止に陥る理由となる日本人特有の思いやりや忖度文化についての解説がある。そして時代が進み技術の進歩によって変化する教育現場の課題が深く、読書をして思考力や読解力を鍛えないとあっという間に資本主義社会に飲まれてしまうぞという警鐘があった。疑うことをしない人が多いなっていうのは自分もよく感じることで、毎日生きてるだけで自動的に情報が入ってくるけど、鵜呑みにしてる人ばっかりで心配になる。まさに今選挙期間中で、排外主義のデマを宣う政党とその様子を垂れ流すテレビとか。印象操作で騙 -
Posted by ブクログ
「無理して学校いかなくても良い」
そう安易に対応するとどのような問題が起こり得るのか。現代の不登校がどのようなものかを解説したうえで、また、学校が、机上の勉強に限らず、やがてくる社会での、思い通りにならない他人とのコミニュケーション、苦難と折り合いをつけるための重要な訓練の場という意味もあるとする。上記のように安易に対応することで不登校が長引き、子どもが成熟しない、結果、次の引きこもり、自立しない大人となる…いう問題を危惧する。
現代的な「甘やかし」の風潮に警戒感を抱く筆者の主張は、バランス感をもって、子どもを見守るうえで重要な考え方の一つだなと思いました。