【感想・ネタバレ】中高年がキレる理由のレビュー

あらすじ

心の均衡が何かのはずみに崩れて感情が爆発し、駅員に激しく詰め寄ったり、病院の窓口で激高したりしてしまう。近年、公共の場で突然キレる中高年が増えている。しかも、一見普通で良識がありそうな男性が特に目立つのだという。人生の折り返し点、劇的な社会の変化、家族をめぐる葛藤――。中年期特有の不安や迷いからくる衝動に翻弄されないために、その社会的背景を探り、深層心理に潜む闇にせまる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

苦手だった中高年上司を思い出すタイトルでセレクト笑

なんであんなに理不尽に怒るのだろう?と思って読み進めていくと、中高年が抱える心理的背景や、日本社会に蔓延る働き方の問題点、中高年男性の自殺率や生き方等、日本の文化の中で作り上げられた男性像がどれだけ彼らを縛り付けているか考えさせられるものだった。


[職場でお荷物扱いされ、家庭では軽んじられて居場所がない中高年男性は増えている。彼らは自信がないから他人の視線が気になって被害者意識が強まり、ちょっとしたことでも自分がバカにされたと思い激高する。唯一、自分が尊重される場が客という立場。最後のよりどのろである客の立場を軽く見られると、怒りが爆発して衝動を抑えられなくなるだろう]

[これまで外にあるものさしで自分を測って生きてきたところを、徐々に、内側のものさしに沿って生きていくように変化を迫られる世代じゃないかと思います。できることとできないことを整理して、できないことは静かに受け入れなくてはいけない。それに失敗すると、心の病にかかってしまうことも大いにありえます

中年期って、肯定してくれる人が1番いない時期でしょう?]

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2023年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれた。なんだ、中高年がキレる理由って。知りたい。誰だった知りたいだろう。
なんぜキレるんだ。普通っぽいのに、なぜ他人に迷惑がかけられるのか。不思議で仕方ない。という単純な好奇心から本書を手に取った。

公共の場で突然キレる中高年にスポットをあて書かれている。主に中高年の男性について書かれている。
キレる社会的背景について、元々キレやすいのではなく、社会がキレる中高年を作り出しているのではないかと思った。社会が作り出したモンスターは行き場を失って、、、人里に降りてきたイノシシのように害をまき散らしている。
本書では中高年の男性がどんなストレスにさらされて暴徒化しているのかが分かった。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

・定年前は、焦っていたのですが、この本を読んで、そういう考えが自分を追い込んでいるのだと思いました。むしろ本当にお客様のためになるような仕事をしている会社で役に立つことを目指さないとダメなのだと…。

 中高年がキレる理由 (平凡社新書) >> 生真面目すぎる人物は、抑圧が強すぎて、日頃から衝動を適度に発散することができていないため、裂け目ができると、とんでもないエネルギーが噴出してくる恐れがある……。

 私は、自分のことを「生真面目すぎる」とは思いませんが「合理性を追求するために欲求を抑圧している」という面はあり「溜まっている鬱憤を上手く解放できていない」というところは否定できないですね……。

 中年期は、それ以前は重要であった多くのことに別れを告げねばならない。人は、自分がありふれた人間であってもよいこと、そしてありふれていなければならないことを学び、尊大な考えや過度の欲求に別れを告げることを意味します。

 そうなんです。中高年は、それまで仕事や家族に支えらえれていたアイデンティティが壊れるため、自分自身を信じる力で支え直さなければならなのです。意識面を理詰めで固めて抑圧していた感情的なものを形成し偏りを補償することで、よりバランスの取れた生き方へと自らを導く必要があるのです。

 私たちは「教科書が読めない子どもたち」並みのコミュニケーション能力によって、伝えたいことを上手く伝えられず、「自分のアタマで考えない」指示待ち状態によって、お互いにストレスを溜めている可能性が考えられます。

 後で、感想・レビューをアップする予定なのですが、ケリー・マクゴニガル先生の『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』に解決に至るヒントが!

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2020年04月30日

Posted by ブクログ

中高年。というタイトルから、40代後半から高齢者の印象を受けていたが、本著作では、40代、50代、つまり中年をターゲットにしていた。
人生の折り返し地点、劇的な社会の変化(年功序列の廃止など)、家族をめぐる葛藤(家にいても相手にされないなど)。中年期特有の不安や迷いからくる衝動に翻弄された結果が、キレる行為だと。

たしかに、40代〜50代は、ユングが「人生の正午」といったように、今まで日が昇り続けて、成長してきたのに、これからは日が落ちるだけで、どうしたらよいのか?と悩む「中年の危機」(レビンソンが名付けた)が起こるタイミングではあるが、それだけが原因だとはなかなか思えない。
同じタイミングで、キレずに入られる人も多いわけで。
そこには、その人それぞれの思考パターンが存在し、環境にも左右されるだろう。
だから、それが100%であるとは言えないと思うが、中には、そんなきっかけを持った人もいるのだろう。という考えだけを頭の片隅に置いておけば良いと思う。
ただ、最近のニュースなどを見ていると、キレるのは中年だけではなく、高齢者も多いと思う。
そうなると、「中年の危機」は、通用しなくなり、他に原因が出てくると思う。(モラトリアム期間が昔よりも高齢化していると言われているように、中年の危機も高齢化しているのか?)
その点、もう少し解説が欲しかったかも。

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2016年08月07日

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