江上剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
権力闘争のドロドロはなかなか面白い。しかし、出てくる男がほとんど駄目男。利洋は前半格好よく描かれているが、部下に手を付けて調子のいいことを言っているだけだし、今時自殺不安のある部下に対する対応さえ分かっていないのはありえない。谷川も谷川で、自分は散々部下を苛めていた癖に、立場が変わると一月も持たない。藪内も、少し上が見えてくるとすぐに欲を出して調子に乗り、復讐を言い訳にした自己利益の追求。人間らしいといえばそうなのかもしれないが、揃いも揃ってどうなのか。
では、日未子はというと、今まで見ようとしなかっただけなのに、悪いところが見えるとすぐに手のひら返しで嫌いになったり、擁護したりぶれまくりで、 -
Posted by ブクログ
銀行小説。池井戸潤氏と同様、銀行マン出身の作者だけあってリアルに銀行の内情を描いているのだろう。
どこの企業でも不祥事、コンプラ違反の事案ていうのは大なり小なりあるのだろう。その中で、それを正す良識人がいるかどうかによってその企業が泥沼にはまり込むか、それをきっかけにより浮上するかの分かれ道に立たされるのかもしれない。
企業は人なり。この小説でもその良識ある若手行員を中心に物語が展開していく。
実際のみずほファイナンシャルグループの3行統合後のドタバタを題材に現実に即した形で描かれている。
ミズナミファイナンシャルグループがみずほファイナンシャルグループ、ミズナミホールセールバンクがみずほコ -
Posted by ブクログ
銀行が バブル崩壊以後では、
面白みがなくなっていく 姿が明らかにされる。
時価総額、株主のための企業と言うことがいわれる。
株価を上げるための グリーンメーラー。
TOB とは、具体的にどんなことをするのか?
それに対応する ポイズンビル。
MOB とは、そして ホワイトナイト。
買収をめぐって、専門的用語の言葉を学ぶためには いい小説だ。
エノモト加工をめぐって 人間模様が。
松本遼、榎本綾、そして中川浩正。
大沢幹夫と桜田兵一、江角。
松本遼の正面からぶつかるという清々しさ。
しかし、TOBとMOBの両者が意見交換するって、それいいの?
榎本社長の古典的にがんばる経営者。
経営自体も -
Posted by ブクログ
著者:江上剛氏は、第一勧業銀行入行、広報部次長等を務め現在は退行し作家として活躍中。
郷原信郎氏は、検事等を経て、弁護士として法律事務所を開設し、関西大学特任教授もと務めている。
銀行は、口座の開設、振込・送金、クレジットカードの支払決済など、我々の社会生活に不可欠なインフラ昨日を離す「血管」であるのと同時に、健全な血液が確保され、血液が身体の隅々にまでいきわたるよう「循環器」の役割を果たす、というのが銀行の役目であった。
しかし、バブル以降の銀行はその役割を十分に果たしてきたのであろうか。上記の2人により以下の5章にわたりテーマ通りの銀行の核心について対談形式でその問題に切り込んでいる。 -
- カート
-
試し読み