あらすじ
経営破綻から短期間での再生を果たしたJALをモデルにした「ノンフィクションノベル」。2010年1月、ナショナルフラッグと言われたヤマト航空は、経営に行き詰まり、会社更生法を申請した。再建の切り札として外部から招かれたカリスマ経営者が再建に乗り出すが、プライドの高い社員たちは、そのやり方に反感を抱く。だが、二次破綻は断じて許されない。痛みを伴う改革に加えてアメーバ経営が導入され、意識を変えるためのリーダー研修をはじめ、経営の指針「フィロソフィ」の作成等によって、社員一人ひとりのマインドセットが変わり、バラバラだった社内が一つになっていく――。しかし改革が軌道に乗り始めようとしたその時、東日本大震災が発生。津波に襲われて孤立した仙台空港で、ヤマト航空の社員たちは……。経営破綻、外部からのカリスマ経営者、意識改革、そして震災。2012年9月に株式を再上場するまでの、“奇跡の復活”を描く感動のストーリー。
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Posted by ブクログ
良かった。
ダメな企業から良い企業へ変化していく過程が素晴らしい。
特に、人間として正しい考え方を持つことが大事、と言うところに、妙に共感した。
これを発するのが、社外から来た会長というところがまた説得力ある。
なぜ破綻したのかの原因を探るのに、人間として正しい考え方でやってきたか、がいかに重要かを考えさせられた。
Posted by ブクログ
電車で読むんじゃなかった。結構泣けます。
JAL再生の話の中で稲盛さんの話が出てくるのはいいし、東日本大震災の話を出してもらってもいいんだけど、キレイにまとめすぎてないでしょうか。
まぁ、泣けたからいいですけど!
Posted by ブクログ
JALの再生物語。いい言葉がいっぱい。「企業の宝とは、そこに集う社員であり、さらには社員の心だと思っています」「サービスは個と個」「人間として何が正しいかで判断する」そして地震、がんばろうニッポン。
Posted by ブクログ
破綻した、日本航空の再生に携わった人々の話。万民半官のお役所体質により、経営が破綻。稲盛さんの手により、見事に復活した。会社とは、社員一人一人が同じ方向を向いてないとダメになってしまう。まあ、日本航空は傲慢経営であった。サービス業なのだから、本来お客様の為と言うことを忘れているのだ。リストラや債権放棄によって再生出来た事を忘れてはならない。途中から東日本大震災の話になって、涙が出てしまった。物語は中途半端で終わってしまった。研修で出会った二人の恋愛事情も途中で終わり、尻切れとんぼ的なのは残念であった(^_^;)
Posted by ブクログ
2010年に経営破綻し、その後、カリスマ経営者稲盛和夫を会長に据えて、着実に再生への途をたどったJALをモデルにした小説。
会社全体で思いを一つにするということの重要性はよくわかった。また、職場を超えてフラットにミーティングをするというのも良い試みだったのだろうと思う。
そして、稲盛(小説中では佐々木)イズムの浸透に当たっての当初の社内のとまどいがよく伝わってきた。ただ、そこから稲盛イズムが浸透していく過程に、あまり納得感がなかった(いつの間にか反対していた社員も稲盛イズムに染まっているような印象)。正直、自分も、小説中で言われているように、「ちょっと宗教っぽいな」とか「こんなことで会社が復活するのか」というような思いがあったのだが、この小説を読んだだけでは、それが払拭されるには至らなかった。しかし、現実として、JALをはじめ、多くの会社が稲盛氏の手にかかって再生されてきたのだから、稲盛氏の貢献が大きいのは事実なのだろう。そのあたりがもっと伝わってくれば、なおよかった。題材は面白いと思うのだが、ちょっと小説としてはあまり深みがない(出来過ぎの)印象を受けた。
Posted by ブクログ
JALの再建が物語の元となっている。経営破綻を機に、空港で働くスタッフ達が力を取り合い、再建までの方針をぶつかり合いながらも検討していく。後半は東日本大震災が起こり、そこでの奮闘が綴られる。企業小説を多く書く著者だけあって相当厚みがあったが、登場人物への思い入れが抱けなかった。個人のディテールをもう少し描いて欲しかったかな。