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現代日本の象徴、大企業内部の男社会の構図を、主人公の女性日未子目線で描いた作品。
社内政治や、合併前の出身企業による対立やしがらみ、そこで見える男性特有の?野心といった会社の様子が、女性の目を通して描かれていて、すーっと読めた。
さすがに現実にはこんなに色々起こらないだろう、というほど事件だらけではあることや、時折ロマンチックが過ぎる描写はあったけれど、全体通してすごく読みやすかったし、ヨガに関する部分は、一度立ち止まって自分を見直すべきことに気づかせてくれた。
全ての物事に意味があるから、その理由を考えなさい。そして全てを受け入れなさい。という教え、全ての宗教に通じる部分じゃないかな。
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合併したミズナミ銀行の男達の権力争いの話。いつまで経っても、合併して一つの銀行になっても前の銀行の派閥で物事を考える。そんな銀行を29歳の女性の目線で描かれている。そして、部長と不倫をしながら過ごしてしまっていた。
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合併によってできた巨大銀行で生きる女性の物語。
プロローグ
第一章 風のささやき
第二章 炎のゆらめき
第三章 街のきらめき
第四章 谷間のおののき
第五章 森のとまどい
第六章 水のやすらぎ
第七章 万物流転
合併によって誕生したミズナミ銀行に総合職として勤める日未子は、旧銀行同士の派閥争いに巻き込まれ、不倫相手の上司も、その権力闘争に身を投じていき、男性組織に嫌気がさしてくる。
自分の生き方を模索する日未子は幸せになるのか?
日未子が開き直るところがなんか腑に落ちない。
不倫していたからには、そういう結末でも仕方ないのではないかと。
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合併してできたミズナミ銀行(モデルはみずほ銀行?)で繰り広げられる男たちの権力闘争を主人公であるアラサー女性行員の日未子視点で描いている。日未子の上司との不倫などを通したアラサー女性の生き方のようなこともテーマとなっている。
組織内での権力闘争の不毛さはよく感じられた。一方で、自業自得なことも多いのに、周りの男たちを責め、失望するばかりの主人公日見子には、正直あまり共感できなかった。ちょっと内容を盛り込みすぎという気もした。
ヨガの描写や、活き活きと働く新興銀行の女性部長の描写、パレスホテルのバーテンダーの描写などが印象に残った。
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権力闘争のドロドロはなかなか面白い。しかし、出てくる男がほとんど駄目男。利洋は前半格好よく描かれているが、部下に手を付けて調子のいいことを言っているだけだし、今時自殺不安のある部下に対する対応さえ分かっていないのはありえない。谷川も谷川で、自分は散々部下を苛めていた癖に、立場が変わると一月も持たない。藪内も、少し上が見えてくるとすぐに欲を出して調子に乗り、復讐を言い訳にした自己利益の追求。人間らしいといえばそうなのかもしれないが、揃いも揃ってどうなのか。
では、日未子はというと、今まで見ようとしなかっただけなのに、悪いところが見えるとすぐに手のひら返しで嫌いになったり、擁護したりぶれまくりで、最後はやりたいようにやればいいや!と放置。男性が描く女性って、芯のない女性が多いな、とがっかりする。
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やはり江上剛は銀行ものだと脂が乗った印象。人物設定がよくわからないところはあるものの、アラサー女子の悩みであったり銀行特有の出世競争、そして楽天などを意識したネット企業との買収攻防戦の絵図など全体的にうまく描いている感じ。ただ半澤直樹を見ている時期だと勢いとか描写が甘いなぁとかそんな点で比較してしまう贅沢さが一方であるわけですが。
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最初のほう、主人公の女性の言動に対し、この人が実際におったら絶対気が合わへんわ―と思ってしまい、若干の嫌悪感さえ覚えたのですが、会社における女性の立場、男性の闘争意識に対するあきれなど、(私はまぁまだ学生なのだけれども)現実的で共感できました。
ただ、部長に機密情報を流したのは、この主人公なのでは?
主人公は言った覚えがないと言っているけれども。
そこをばらしたことに関しては、この主人公は悪いのでは?
男性同士の地位争いに対して呆れてるけど、
だからって投げやりすぎるよね。
でも、課長が失踪したあたりから、(展開が多少は予測できたけれども)ハラハラしながら読みました。
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うーん、タイトルと中身が若干違いませんか???
合併人事のタイヘンさ、不条理さは分かるのですが、どちらかというと、女性主人公の葛藤、というかイライラというかがよく描かれていて。
モチロン、そのターゲットはくだらない権力闘争(?)の男性銀行員なんですが、、、
部長に惹かれながら、でもその一方で仕事臭いのがいやだ、とかちょっと中途半端かなあ、と。
でも、ところどころ、「こういう会社あるー」と思うので、どこかでは共感しているのでしょう。。。
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組織の持ってる性格って、万国共通なんだろうか。
社内でも課や部同士の合体ですら
交じり合うのには時間がかかるのに、
ましてや会社となれば相当いろんな思惑がからみあう。
国と国ならどうだろう。
民族同士の紛争も同じことなのかな。
傍から見ればしょうもないことでも、
組織の中に入ると全く違う理屈が優先させる。
「合併人事」ではそのコントラストを
29歳の女性の目であらわにしてくれる。
甘い!と思えば甘い考えかもしれないけど、
客観的な目で組織を見た途端、
しょうもねーと思えてしまうのも確かだろうね。
実感を持って読めました。
Posted by ブクログ
主人公と同年代なためつい手にとりました。
同世代であれば男女問わず共感できる部分があります。
仕事に行き詰ったらまた読みたい本ですが、もうちょっとビジネス寄りの方がすっきりしたかな。
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すみません… 画像登録してそのままにしてました…
合併してできたミズナミ銀行に勤める日未子は三十歳を前に揺れていた。
仕事も恋も中途半端。一方、行内で男たちが不毛な権力闘争を繰り広げていた。
ポストを巡る足の引っ張り合い、部下の手柄の横取り、パワハラ…。そんな中、ついに悲劇が起こる…
リアル企業小説らしいですが
ほんとにこんな会社多いのかしら…?
かなりドロドロです
うちの会社じゃなくて良かった~
と思えるお話でした…(笑)
Posted by ブクログ
一応舞台は銀行なのだが、江上剛のいつもの趣とは一味違った作品。
ネタ切れ?!
29歳の女性銀行員が主人公。
サブタイトルにあるように、この女性の憂鬱が描かれている。
ストーリーの始まりの舞台は、沖縄で、しかもダイビング。
既にここから、江上剛の作品としては、違和感を覚える。
沖縄でダイビングショップをやっている女性(自由人)。
東京で部屋をシェアしているヨガ講師の女性(自由人)。
外資系の銀行で、華々しく輝いて仕事をしている女性。
そんな女性との出会い、関わりを通して、自分の人生について思い悩む。
上司との不倫、昔から仲の良い男友達との淡い恋心?!、男性との恋も描かれている。
物語の中心的話題は、合併した銀行の派閥が生み出す男社会の軋轢。
旧行意識が渦巻く中で翻弄される主人公。
その軋轢が生み出した物とは?!
結局、男は組織の中での自分の評価がすべてで、そのことに価値を見出している。
そこには、自殺や鬱といった現代社会の問題も存在する。
それが、男の”匂い”となって表現され、それがいかにも生々しい。
そんな窮屈な生き方は俺は、ごめんだが。
女性、29歳ともなれば、仕事も不倫・恋も結婚もいろんなことに悩む時期。
その中で、自分らしく生きることとは?!
彼女が最後に取った行動とは?!
彼女が選んだ未来とは?!
男ってこうだような〜、女ってこうだような〜って共感する部分が多々。
それは、サブタイトルの年齢が、29歳が、今まさに迫っているということかもしれない。
30歳くらいの女性におススメかなぁ〜
Posted by ブクログ
どうせ人生の何分の一かは働くための時間になるのだから、楽しくやりがいのある仕事がしたい。
同じ日本人であるのに、合併後の出身母体が権力闘争に影響するのは何だか馬鹿馬鹿しく思える。
部下をいじめ、ついに自殺者まで生んでしまう銀行・・
ストーリーは多少大げさかもしれないが、現実的にパワハラは今の会社にも存在してる・・。
出世欲の強い男が、オレには妙にせせこましく見える。
それはオレがサラリーマンとして生き抜いていく覚悟が無いからだろうか。
また女の人には、役職にこだわる男の感覚って理解しがたいものなのだろうな。
この小説の読者は、どのような感想を得るのだろうか。
途中、結構ハードな性描写があるが、要らなかったかも・・。