朝倉かすみのレビュー一覧
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一万円選書の岩田 徹さんが紹介していた本
自分では手に取らなかったとおもう本に出遭えたことは
岩田さんに感謝しかない。
小学生のクラス会
三次会まで残った数人が
卒業ぶりに参加する予定の田村君が
交通事情により遅れてくるのを待っているという設定。
まずは田村君の人となり・・そして印象的な出来事を回想。
(マスターの想像や、話を聞きかじった同窓生の印象も面白い)
昔と現在を織り交ぜながら、今まで生きてきて、
それぞれの成長や問題、心の葛藤、喜び、現状など
一章ずつ一人ひとりをフォーカスしながら、
話が進んでいく。(マスターも含む)
「田村はまだか?」で毎回一章が締めくくられている感じも好き -
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どうも、私です。
ただいま絶賛禁酒10日中(そんくらいで自慢するなっ!)
お酒で「やらかした!」と冷や汗まみれ(あるいはゲロまみれ)な出来事はここ数年一度や二度はありまして。人の泥酔エピソードはふふふと笑っていられるが、いざ自分の身になるともはやホラー映画より恐ろしい。できれば宇宙の闇に葬りたいけれど、そういう時に限って記憶力を発揮し、うんこのように記憶は脳内にへばりつく(汚っ!)
この一冊は12名の女性著名人の、酒にまつわるエッセイが書かれています。酒豪と呼ばれる人も居れば、代々下戸な人もいる。酒で失敗した話や、酒に対する思いなど綴られていて、さまざまな視点が見れて。20代後半によく -
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少女達の不思議でダークな5つの物語。
「留守番」・・・お母さんと妹と、新しいお父さんのマンションへ引っ越した『ウーチカ』。留守番をしていた夜、テレビの後ろでその『いいもの』を見つけた。
甘いファンタジーかと思ったら、そうきたか。この本の方向性を決める一話目としてふさわしい話。
「カワラケ」・・・井垣家の女性は美しい。しきたりとして宝石の名前をつけられ、その時が来るとおこもりをしなければならない。
『カワラケ』とは、顔の皮膚が徐々に固くなり、陶器のようになって剥がれ落ちる現象。大人へと向かう象徴なのか。その前後で母の態度が一変するのは、美を大切にする一族として、これからますます美しくなる者へ -
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50を過ぎた男女の恋愛。元同級生の再会。
気分は青春で、読んでいる方が恥ずかしくなるくらい2人だけの世界。
でも身体は…もう若くない。
知らないうちに深刻な病に侵されている。
検査で大腸がんが発覚する。
この小説は、須藤葉子が死んだことを、同窓の安西から青砥健将が聞かされるところからはじまる。
はじめから悲しい結末はわかっている。
偶然の再会から結末に至るまでのストーリーが淡々と描かれる。
語り口は乾いていて、御涙頂戴とか、綺麗事とか、ご都合主義は一切なく、リアルだ。
須藤の決断も、青砥の約束も、やりきれないし、若い人にしてみればもやもやしたものだけが残るだろう。
正しいとか正しくない -
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各章のタイトルは秀逸。
主人公の女性にはなかなか感情移入できず「拗らせてんなあ〜」という導入後からの、愛嬌チラリで「でも、可愛いのかも?」と思わされ、「ふーん、可愛いトコあるじゃん」と、少し歩み寄ったかと思うと女同士のマウント合戦を見せられて「うわ……地雷案件」と距離を取りたくなる。
読み手によってかなり印象は変わる作品。
主人公が一目惚れする鍵屋の男も最初はさっぱりとした爽やかさ、途中から狡猾な色気、そして「うへぇ」というなんとも落ち着きのない、実に人間臭い部分を見せつけられて、この「カッコいいじゃん」と「は? なんだ、コイツ」を行き来させられる。
途中から「なるほど」と納得も行くし、 -
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小学校のクラス会に40過ぎて行くんだな~。
やっぱ東京と地方は違うんだな。
小中で一緒っだった連中とは地元で行き合った時に立ち話するくらいかな。
までも、物語としては楽しめた。
作品紹介・あらすじ------------------------------
深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。'09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子 -
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どのお話の登場人物も、うっ苦手…と思うのですが、どこか彼女たちの気持ちがわかるところもあるので同族嫌悪に似たモヤモヤなのかもしれません。
歪んでるな、と思いました。わたしも思考が歪んでいるという自覚があるのでそこも落ち着かない要因かも。
「いつぞや、中華飯店で」は、きっかけは外部からだったものの、自分の力でのし上がる!みたいなところが良くて好きでした。
印象的だったのは最終話。育った環境で人はここまで歪むのか、っていうおぞましさがありました。「心延えのよさ」ってそんなに押し付ける事か…逆効果になって、病んだまま育ってますけど。。これコインランドリーで隣の女性がずーっと呟いてたら怖いと同時にすご -
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朝倉かすみさんの「田村はまだか」を読みました。
タイトルに引き寄せられる。田村って誰よってなるもん。
小さなバー。小学校のクラス会の三次会が行われていて、そこに集う5人が同級生田村の到着を待っている。三次会というより、もはや田村が来るのを待つための会という感じ。
田村のひととなりや思い出、登場人物たちの過去などが徐々に語られていく。
心理や情景が、すごく現実味にあふれてる。心の持ちようや体の変化、40歳の男女の等身大ってこんなだよねって思った。わかっちゃうのです、40過ぎているから(笑)。
でも、田村や中村理香の小学生時代の発言については、ホントにこんなこと言う子いるかな?って感じだっ