朝倉かすみのレビュー一覧
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「……大丈夫だよ」
鳩子は答えた。大丈夫ということばは、大丈夫ではない状況のときに用いられるものかもしれない。
「なら、いいけどさ」
塔子は「そうだよ、大丈夫だよ」というのをあきらかに躊躇っていた。大丈夫の「だ」をいうところからして逡巡しているのが見てとれた。「ほんとうに大丈夫?」と、訊ねるのも遠慮しているようだ。鳩子を見ずに薄い腰をのっつそっつしている。
「大丈夫だって」
鳩子は笑って「大丈夫」を上乗せした。ころもの厚い海老天の絵が浮かぶ。
朝倉かすみはなにげない状況や心情の描写で使用される語彙が独特で面白い。しかも「独特」なのを狙った感じはせず、自然に頭に入って -
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直木賞作家となった朝倉さんの 少女をめぐる謎めいた短編集
「留守番」
雑誌Mei(冥)2014 掲載 初めて名前を聞いた雑誌です。 女のコのためのこわ~い文芸誌としてKADOKAWAで少しでてたみたい。
始まりから終わりまで 謎めいた短編。
主人公は少女っぽいんだけど それさえも定かではなくなる。でも結局なんだかんだかわからないm(_ _)m
「カワラケ」
ウェブサイト ダヴィンチニュース 2015
歴史ある女系の家系の小学生の少女。
謎めいた「カワラケ」という事象を体質的に受け継ぐ。そのための忌み屋への籠り。
どこかにありそうでいて、ラストの冷ややかさが斬新。
「あたしたちは無敵」
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前半はなかなかしんどかった。
個性というにはどの登場人物も癖が強すぎる、怪物揃いだ。人間みんな一癖も二癖もある、ということだとは思うけれど、序盤〜中盤すぎまでの描写、あそこまでする必要があったのかな……。
2章の終わりくらいからは面白くなってきたし、この作品の趣旨が見えてきたように感じて、一気に読みやすくなった。
妊娠出産、いのちを生みだす営みは、作品の舞台である江戸時代であろうと現代であろうと変わらない。身体への負担も妊婦と子供の命を賭ける点も。
後半の話は、ふゆやその仲間たちの怪物ぶりがうまく回っていて頼もしかったし、受け取るものも多かった。全体を振り返ると、読んでよかったなと思う。