朝倉かすみのレビュー一覧
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アンテナを張っているつもりでも、本作のような名作を知らずに年月を経てしまうときがあります。今回映画の予告を見て、原作を読みました。
「人生の酸いも甘いも経験した年齢」とよく表現される年齢ですが、実はそれほど経験しているわけでもなくて。
本作を読みながら、昔の同級生と互助会みたいな間柄っていいな、と思ったり。
付き合い始めでも、素敵なレストランへ食事に行くようなデートを重ねるより、近所の居酒屋で気兼ねなく飲むような間柄がいいなって思いながら読み進めました。
でもね、もう最初の方で結論が出ちゃってまして…。
結婚がゴールだなんてシンデレラストーリーを望んでいるつもりはなかったのですが、この年代 -
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安田松生(やすだ まつお)28歳、小説家(いちおう)。新人賞をとって、1年後に単行本を上梓したものの、ある出来事がきっかけで小説を書くことが怖くなってしまった。今の仕事は、叔母の美智留(みちる)から引き継いだ『喫茶シトロン』の雇われ店長。
美智留がとりわけ心を砕いて安田に託したのは、月に一回例会が開かれる、「坂の途中で本を読む会」という、老人ばかりの読書会だった。
読書会の老人たちは、とても個性的。歳をとると「濃く」なるらしい。
安田は心の中で愛称をつけた(増田夫妻は例外)
・『会長』大槻克巳(おおつき かつみ)88歳。元人気アナウンサーだったので、常に自分に注目を集めたい。誰かがその場の空 -
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ネタバレハマった!
「読書会に集うお年寄りたちと会場になる喫茶店マスターとの関わりがてんやわんやで、時には対立し時には共闘し、人情的なあれこれや世代格差のあれこれがあって、最終的には20周年に大団円を迎えてハッピーエンド」
読みだしたときはそういう展開を予想しつつ、結果的には外れてないんだけど、主題は全く違うとこにあり、その主題がなんとなくわかってくる後半あたりから、主人公の喫茶店マスターと喫茶店と読書会(とメンバー)とのあれやこれやが全て明瞭に見えてくるラストまでの展開が見事すぎて凄い。
それらが全てわかった後で観る表紙、泣けるぞ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ北海道でひとり暮らしのおもちさん、だんだん認知機能が落ちてくる本人の気持ちが見え隠れして、せつない。理解できないけど私はここにいる、いない人扱いしないでほしい。今、介護をしている訳ではないので冷静に感じられるが、当事者なら分かるけどそうもいかないと揺れるだろうな。
今、頭の中を何かが通り過ぎた、楽しい思い出、それがカタツムリの這った跡みたいにキラキラ残ってる
感情のネジ、制御するネジどちらもバカになったようで
そういうふうに感じるんだ。
いい本だったし、読むべき本だった。
それにしても金銭的に余裕がないと何もできないことは痛感する。
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Posted by ブクログ
面白い。迷ったけど星5つ。
そもそも、タイトルと装丁と設定でもう、やられてしまっていた。
読んでガッカリしたらどうしようと思ったけど、そんなことはなく、次々と繰り出されるエピソードを、僕も田村を待ちながら読んだ。僕と同じように、多くの読者が田村を待ちながら読んだことだろう。
登場人物は全員、元こども。中年になった今を描写する言葉たちは辛辣で、決して順風満帆ではない現実を受け止める感情は、それは諦めだったり、達観だったり、未整理の感情だったりするけれど、それもこれも、「田村はまだか」というフレーズに集約されて、エピソードの最後には少しだけ救われていく。見事だ。
田村は来なかった、というエンデ -
Posted by ブクログ
これは面白かった。40歳くらい大人たちが集まる、小学校の同窓会の3次会。最後まで残った5人が遠方から来る田村くんを待つ。待つ間、一人一人の物語が短編小説のように語られるのだが、その内容が「それを言ってしまうのか」という身も蓋もないもの。ある元保健教員は、「30過ぎて未婚。身の程を弁えて悟った態度を取る反面、まだまだ捨てたものではないという気持ちもあるが、それを生徒たちに見透かされ、気安く、あるいは見下されたような態度を取られているが、もしかすると、生徒たちと何かあるかもという希望にも似た気持ちを最後まで捨てきれない」と独白する。こういう個別の物語が、全体のテーマ?である「田村は、まだか」とうま
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ネタバレ 購入済み
続きを読みたい!!
一目惚れしてしまったヒロインと、その相手の進展にドキドキしながら読んでいました。鍵屋が不倫しているという場面を読んだ時は、思わず「えっ」と声が出てしまいました。そして、もっと鍵屋とヒロインの会話やデートの様子を読みたい!続きを読みたい!と思う本でした。
私が本に興味を持つ機会を作ってくれた本なので、これから先も大事な作品になると思います。