朝倉かすみのレビュー一覧

  • けんぐゎい

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    「けんぐぁい」ってケータイに関わること以外に想像できなくなっていた、
    想像力をなくした現代人の自分に向けられた荒々しい衝撃作。
    題名とサブタイトル数ページからは想像のつかない物語だった。

    時代劇の中、主人公の女の子の数奇とも思える人生についてのお話。
    それなのに、イマジナリーな空想のウニコーンのおかげで
    重苦しい話がどこか御伽噺にも読めてくる。

    少し話が変わるかもしれないが、
    私は直木賞の受賞作を毎回読むようになって早6年。
    毎回作品を読む度に喜怒哀楽に恵まれて、
    その上で想像しきれないほどの文章の多彩さに驚くばかり。

    今作もまた同じような気持ちになったけれど、
    こんな気持ちにさせてくれ

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    2026年08月20日
  • けんぐゎい

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     病がちな身には沁み入ることばたち。
     手習い師匠の重右衛門がおふゆに「..おふゆの黒珠(くろだま)のうちには尋常ならざるモノが棲んでおる。目をつむり、濡れた翼か足をたたんでおる。・・尋常と呼ばれるものの搾り汁て拵えた黒珠のうちに、尋常ならざるものが棲むとは如何なる道理ぞ。」21頁
     妹のりよが姉のふゆに「ふうちゃんのここにゃあ真白と眞黑があるんじゃほい、・・白はしいぜんってやつだなきっと。で、黒は悪気・・・」29頁
     ほのがふゆに「・・一生ってきっと籤引きの連続なのよ。双六にたとえる人が多いけど、あたしは断然籤引きのほうが人生の本質をとらえてると思うわ。籤引きに始まり籤引きに終わる、それがひ

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    2026年08月17日
  • けんぐゎい

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    直木賞受賞と表紙のインパクトでつい買ってしまった。酷い痘痕のふゆと、のぼせ癖のある妹のりよ。幼くして2人は家から出される。かなり歪んだ性癖の宗三郎に手籠めにされ、子を孕んでしまう。なかなか読み応えがあった。この時代に女性がここまで自立できるのはすごいと思う。

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    2026年08月16日
  • 平場の月

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    直木賞受賞、朝倉かすみさんの本。受賞作ではなく、少し前の本を読んでみた。朝倉さんの本では「田村はまだか」という、こちらもやはり高校の同級生の交流を描いた本が面白かったが、今回も同様にとても良かった。昔好きだった人との再会を経て良い仲になるのはよくある話だが、この本では二人は離婚歴があり家庭を崩壊させた経験がある。両親の不倫や離婚、親の介護、自分自身の病気とも向き合いながら、なんとかその日を生きている。高校時代のキラキラした、瑞々しい時代がまるで幻のよう。そんな50代の心のひだの奥まで、もっというと、そのひだに溜まった垢のようなパサパサしたつまらない感情みたいなものがこれでもかと描かれている。そ

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    2026年08月14日
  • けんぐゎい

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    2026/8/12
    ぶつぶつのある娘、ふゆ。
    心情描写等素晴らしい。しかし、女として辛い部分があって「良かった!」とは言いづらい。
    読みづらいがハマったら周りの音も聞こえないくらいこの世界に入り込んでしまう。
    ふゆ、がんばったね。
    りよ、ほの、つる、がんばったね。

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    2026年08月13日
  • けんぐゎい

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    面白かった。一気に読んだ。最初、宮部みゆき『あやし』のような怪談めいた短編なのかと思っていたら長編だった。良かった。
    直木賞受賞だから読んだことは否定しないのだけど、自分が読みたくて読む時代小説が久しぶりで、やっぱり好きだなと思った。

    私自身、だいぶわたしを呪っていることにして動かない人生を送っている。

    p102
    おまえがどんなに賢くても、見た目がそれじゃあ、なんにもならない。
    そもそも賢さなんぞ女の強みにならないし、うん、どっちにしたっておまえは圏外。

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    2026年08月08日
  • 平場の月

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    運命的な出会いによって 誰かと魂のレベルで深くつながってしまうことは至上の幸福ではあるけれど、やがていつか訪れる離別・喪失で自分の命の一部分が 凄まじい痛みとともに引きちぎられてしまう。それでも その先を 独り生きて行かなくてはならない。出会うこと そして 共に生きるということの 壮絶な側面だ。

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    2026年08月08日
  • けんぐゎい

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    ネタバレ

    ふゆの巡り合わせは
    波乱万丈で

    振り切っている

    振り切りすぎて圏外に飛び出ている


    じわじわと後から来る話しなんだろう

    宗三郎は
    人を人とも思っていない
    だから
    決して(多分魂が)合体しないように
    と思われてしまうくらい
    恨まれる
    宗三郎の心根が「けんぐゎい」だった

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    2026年08月06日
  • たそがれどきに見つけたもの

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    ネタバレ

    事件は起こらない、淡々とした日常を作家が切り取ると物語になる。はっきりしない結末も、現実ではよくあることだし。ホール・ニュー・ワールドの智子の、世間の評価より自分の値付けは高いと思ってる、出産でステージが上がる、言いたくない事が言語化されていてぐさっときた。最後のさようなら妻、も結末が見えてくるのに文章がうまくて読んでしまう、そんな感じ。平場の月より好み、多分この作家で一番好きかも。ほかも読む予定。

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    2026年07月29日
  • 好かれようとしない

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    かわいい。時々…ほんとに時々、真っ向勝負な言葉が出てくる。そこもいい。
    若い頃ってこうだったかな。いや、私はもっと女で、こんなにピュアではなかったよ。むしろヒロエ・Oに近かったかも。
    でも、冷静に一度押し返せるほど、自分の気持ちに素直でいられるっていうのは、すごいことだな。まさに「好かれようとしない」ことの効能だよね。なかなか、こんな平らかではいられないよ。…と、ライトに読みつつも、結構いろいろ考えた。いいよね、こういうラブストーリー。

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    2026年07月26日
  • よむよむかたる

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    超高齢者(平均年齢85歳!)の読書会の物語。
    最初は、すぐ気分を害して怒鳴りつけたり、空気の読めない発言をしたり、何度も思い違いの混じった同じ話を繰り返したりする老人たちに、冷やかな、そして自分もいずれそうなるのかと怖いような気持ちで読んでいた。語り手である喫茶店店長(ちょっと自意識強めの28歳)の視点に共感しながら読み進めた。
    でも、仲間と本を読み語るときだけは、自分らしい、1番いい自分でいられる、そんな場所が彼らにとっては読書会なのだ。わかる。と思った。
    読書会って、そうだよね!

    老いへの怖さは、本人達が1番感じている。理性を失い、身体の自由を失っていくことを恐れながら、その気持ちを冗談

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    2026年06月15日
  • よむよむかたる

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    再読希望。少し時間をおいて、また読みたい。

    『有る程の菊抛げ入れよ棺の中』を引用した会長のおはなしが、会員の心中におけるこの読書会の在り様をよく表していると感じ、自分の棺桶もたくさんの花で蓋が閉まらないくらいにしたいと思った。
    沢山印象に残るフレーズがありすぎて、いちいち書けないくらい堪能した。やはり数年後再読しよう

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    2026年06月08日
  • よむよむかたる

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    中年という枠も後半に差し掛かっている今、老後をどのように過ごすのかは、私にとってかなり関心の高いテーマだ。正直、健康に楽しく老後を過ごせるイメージはあまりなく、自分の気力や体力があるうちに、自分で人生をたたみたいとすら思っている。
    そんな老後観を持つ私にとって、本作で描かれる、人生の最終盤で楽しく集まる老人たちの存在は、とても明るく、素敵な営みに見えた。
    彼らを見つめる若年層もとても優しい人たちだし、心理描写もすっと腹に落ちてくるような言葉が多く、深く共感しながら楽しめた。私にとっては、シリアスになりがちなテーマをコミカルに、そして温かくまとめた素敵な一冊であった。

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    2026年05月30日
  • 平場の月

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    同世代ということと、この年齢で友人を亡くす経験をしたものには、とても心に感じる作品でした。
    いちばん、ふさわしいのは共感かもしれません。深い感慨がありました。
    映画もみました。ロケ地。聖地巡礼の真似事もしました。

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    2026年05月23日
  • 平場の月

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    青砥目線で描かれているからこそ、
    「どうして今言わないの?」「今動くところじゃないの?」と、もどかしさを感じる場面が多かった。

    でもその一方で、須藤の気持ちは痛いくらい伝わってきて、どちらの立場にも共感してしまう。

    切ないけれど、どこか美しさもある恋で、
    読み終えたあとにじんわりと余韻が残る作品だった。

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    2026年04月27日
  • よむよむかたる

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    いやー何と言うか、読み聞かせのボランティアをし、そして誰も知らない小さな国が大好きな私の為のお話だと読み進めるうちにしみじみ感じる作品でした。いま65歳の私の所属する団体はほぼ私位の年齢のメンバーで、もし読書会を開くとしたら今ですね。本好きの優しい人達の集まりでなにか嬉しいことがあるとすぐにメッセージが皆さんから届きます。坂の途中の方々の月一の集まりでの会話が私達だとLINEで繰り広げられます。本を通しての繋がり素敵ですね。

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    2026年02月14日
  • 田村はまだか

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    ネタバレ

    『平場の月』から朝倉かすみが気になって、まずはこちらから。吉川英治文学新人賞受賞作。いやはや、面白かった。
    「ゴドーを待ちながら」風に展開される連作短編集。1話から2話にかけて、おっこれは?という仕掛けあり、終盤にはまさかのハプニングあり。でも結末はやっぱりほっこりできて。
    おまけの「おまえ、井上鏡子だろう」もかなり良かった。ただただ、中年を書くのがうますぎる。二十歳そこそこの小娘にそう思わせるなんて、凄い!の一言である。マスターの花輪春彦さん、すごく好きなキャラなので表紙が大変気に入りました。かなりステキな装丁センス。

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    2025年12月15日
  • よむよむかたる

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    安田松生(やすだ まつお)28歳、小説家(いちおう)。新人賞をとって、1年後に単行本を上梓したものの、ある出来事がきっかけで小説を書くことが怖くなってしまった。今の仕事は、叔母の美智留(みちる)から引き継いだ『喫茶シトロン』の雇われ店長。
    美智留がとりわけ心を砕いて安田に託したのは、月に一回例会が開かれる、「坂の途中で本を読む会」という、老人ばかりの読書会だった。

    読書会の老人たちは、とても個性的。歳をとると「濃く」なるらしい。
    安田は心の中で愛称をつけた(増田夫妻は例外)
    ・『会長』大槻克巳(おおつき かつみ)88歳。元人気アナウンサーだったので、常に自分に注目を集めたい。誰かがその場の空

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    2025年12月01日
  • 棺桶も花もいらない

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    長塚節とかプロレタリア文学とかからの距離は100年分の死ななくなった分なのかもしれない。諦念とか執念とかいう言葉との距離かもしれない。非常用持ちだし袋が一番と思った。どれがよかったか聞いてみると、その人らしさが出る気がする。

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    2025年11月17日
  • 泥酔懺悔

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    小学校から大学まで同じだった友人に勧められて読んだ。
    語彙力なくて上手く感想言えないけど、個人的に中島たい子さんのが好きだった。
    もともとほぼ飲めなかったから下戸の気持ちもわかるし、世間的なお酒の立ち位置とか共感だったし、記憶なくす友達と重ね合わせて見てしまった。
    勧めてくれた友人はいつも私に新しい感性や向上心を与えてくれる。またおすすめを聞きたい。

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    2025年11月14日