朝倉かすみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
秋に朝倉かすみ『平場の月』の映画が公開されるのでそれまでに読もうと思っていたのだけれど、同作者の今作も積読のままになっていたので、先に発表されているこちらから読むことにしました。
最初、文庫表紙のイラストが麒麟の田村に似ていたから物語の田村を何となくイメージしていたけれど、表題作である第一話「田村はまだか」を読み終える頃には全く違うイメージを抱いていた。読み終えて改めてこのイラストを見ると、多分スナック・バー「チャオ!」のマスター花輪春彦だろうと分かる。
連作短編集とは知らずに読み始めたけれど、第二話でそれがわかると、「チャオ!」に集まった面々のそれぞれの人生に思いを馳せられることを嬉しく思っ -
Posted by ブクログ
上品な白い装丁に惹かれて何気なく手に取ったのだけど、予想外に良かった。
6つの短編、いずれも主人公は50代。まさに人生の「たそがれどき」に差し掛かっている。老いをひしひし感じつつも、まだ現役としてもがいているのだ。
作者自身が投影されているような『その日、その夜』が面白かった。結末は悲しいけどユーモアがあり、独身あるあると言おうか、独り生活が長いと身につまされるのではないか。
『ホール・ニュー・ワールド』と『王子と温泉』の50代はどちらもちょっとイタい。自分は十分若いつもりでも、周りからは完全にオバサンに見えていることを忘れてはいけない。
最後の『さようなら、妻』では、夫が妻と出会った -
Posted by ブクログ
ネタバレ田村はまだか
札幌のススキの路地裏にあるバーに同窓会の三次会として集った5人の中年男女とバーのマスター。
5人は各人各様の人生を振り返りながら、われらがヒーロー田村を待っている。
ジャージに虎刈りの冴えない容貌の田村は、心に響く言葉で1人でつっぱって孤立していた少女を救った。その彼女は今は田村の妻で、田村は苦労した末に豆腐屋の主となった。
時は過ぎ、もう午前3時を回り5人の物思いと会話も尽きてきたが、田村は未だ来ない。
”田村はまだか!”
第一話を読んだときに”これは当たり!”と思いました。が、読み進むうちに中年男女のぐだぐだに巻き込まれてしまい少しがっかり。”これもクライマックスに向かっ -
Posted by ブクログ
私にはまだまだ分からない世界だ!!
やはり歳を重ねると、人生の深みが増すのかなぁ
田村を待ち続け「チャオ」で飲み続ける
6人の人生奮闘記。
小学校の同窓会で集まって、クラスの三次会で集まった池内、永田、坪田、千夏、祥子、そして彼らを見守るチャオオーナー花輪。
彼らの仕事での話や恋愛話、それぞれ重ーく終わりが見えないと思いきや、とある人が宝物のような言葉を遺していく。
そして永田の合いの手「田村はまだか」
このなんとも言えないストーリー展開が
とても気持ちよくて、好きだ。
果たして田村は来るのか、彼らのこれからはー。
彼らと同年代になったら必ず読みたい1冊!!
そして私も言いたい!!「田村は -
Posted by ブクログ
バー「チャオ!」に集まった、40歳になった小学校6年の同級生たち5人。皆、田村が店に来るのを待っていた。そこで小学校の頃に問題児だった中村に、田村がかけた言葉を思い出していた。しかし、それぞれ40歳ともなり、仕事にも実生活にもうまく行っていないのだった。田村はまだか。
タイトルとリリー・フランキーみたいなおっさんの表紙で、つい手に取ってしまうこと請け合いの1冊。いやもう、一発でやられましたね。
内容の方は、仕事で本気を出していないんじゃないかという池内が田村を思い出すことではじまる。二章では全く違う視点になるので、もう田村はどうでもいいのかと思いきや、また戻ってくる。
全体に固有名詞が多 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと不思議な生活を営む小学5、6年あたりの女の子が主人公の短編5つ。
「留守番」…新しいお父さんに馴染めない愛称ウーチカは5歳の妹タマゴンとお留守番。不思議な生き物を見つけるが…。
「カワラケ」…顔がざりざりとした茶碗のようになった女の子は、家の儀式として「おほーばの家」と呼ばれる建物で一人で過ごす。
「あたしたちは無敵」…リリアを含む3人の女子は時限付きで正義の味方になった!彼女たちは世界を救えるのか。
「おもいで」…いとこのりっちゃんの結婚式を楽しみにしている花梨ちゃんの一生。
「へっちゃらイーナちゃん」…お父さんと姉と私は三人暮らし。お父さんは不幸な人。息苦しい生活はいつまで続く?