朝倉かすみのレビュー一覧
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「けんぐぁい」ってケータイに関わること以外に想像できなくなっていた、
想像力をなくした現代人の自分に向けられた荒々しい衝撃作。
題名とサブタイトル数ページからは想像のつかない物語だった。
時代劇の中、主人公の女の子の数奇とも思える人生についてのお話。
それなのに、イマジナリーな空想のウニコーンのおかげで
重苦しい話がどこか御伽噺にも読めてくる。
少し話が変わるかもしれないが、
私は直木賞の受賞作を毎回読むようになって早6年。
毎回作品を読む度に喜怒哀楽に恵まれて、
その上で想像しきれないほどの文章の多彩さに驚くばかり。
今作もまた同じような気持ちになったけれど、
こんな気持ちにさせてくれ -
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病がちな身には沁み入ることばたち。
手習い師匠の重右衛門がおふゆに「..おふゆの黒珠(くろだま)のうちには尋常ならざるモノが棲んでおる。目をつむり、濡れた翼か足をたたんでおる。・・尋常と呼ばれるものの搾り汁て拵えた黒珠のうちに、尋常ならざるものが棲むとは如何なる道理ぞ。」21頁
妹のりよが姉のふゆに「ふうちゃんのここにゃあ真白と眞黑があるんじゃほい、・・白はしいぜんってやつだなきっと。で、黒は悪気・・・」29頁
ほのがふゆに「・・一生ってきっと籤引きの連続なのよ。双六にたとえる人が多いけど、あたしは断然籤引きのほうが人生の本質をとらえてると思うわ。籤引きに始まり籤引きに終わる、それがひ -
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直木賞受賞、朝倉かすみさんの本。受賞作ではなく、少し前の本を読んでみた。朝倉さんの本では「田村はまだか」という、こちらもやはり高校の同級生の交流を描いた本が面白かったが、今回も同様にとても良かった。昔好きだった人との再会を経て良い仲になるのはよくある話だが、この本では二人は離婚歴があり家庭を崩壊させた経験がある。両親の不倫や離婚、親の介護、自分自身の病気とも向き合いながら、なんとかその日を生きている。高校時代のキラキラした、瑞々しい時代がまるで幻のよう。そんな50代の心のひだの奥まで、もっというと、そのひだに溜まった垢のようなパサパサしたつまらない感情みたいなものがこれでもかと描かれている。そ
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超高齢者(平均年齢85歳!)の読書会の物語。
最初は、すぐ気分を害して怒鳴りつけたり、空気の読めない発言をしたり、何度も思い違いの混じった同じ話を繰り返したりする老人たちに、冷やかな、そして自分もいずれそうなるのかと怖いような気持ちで読んでいた。語り手である喫茶店店長(ちょっと自意識強めの28歳)の視点に共感しながら読み進めた。
でも、仲間と本を読み語るときだけは、自分らしい、1番いい自分でいられる、そんな場所が彼らにとっては読書会なのだ。わかる。と思った。
読書会って、そうだよね!
老いへの怖さは、本人達が1番感じている。理性を失い、身体の自由を失っていくことを恐れながら、その気持ちを冗談 -
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中年という枠も後半に差し掛かっている今、老後をどのように過ごすのかは、私にとってかなり関心の高いテーマだ。正直、健康に楽しく老後を過ごせるイメージはあまりなく、自分の気力や体力があるうちに、自分で人生をたたみたいとすら思っている。
そんな老後観を持つ私にとって、本作で描かれる、人生の最終盤で楽しく集まる老人たちの存在は、とても明るく、素敵な営みに見えた。
彼らを見つめる若年層もとても優しい人たちだし、心理描写もすっと腹に落ちてくるような言葉が多く、深く共感しながら楽しめた。私にとっては、シリアスになりがちなテーマをコミカルに、そして温かくまとめた素敵な一冊であった。 -
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安田松生(やすだ まつお)28歳、小説家(いちおう)。新人賞をとって、1年後に単行本を上梓したものの、ある出来事がきっかけで小説を書くことが怖くなってしまった。今の仕事は、叔母の美智留(みちる)から引き継いだ『喫茶シトロン』の雇われ店長。
美智留がとりわけ心を砕いて安田に託したのは、月に一回例会が開かれる、「坂の途中で本を読む会」という、老人ばかりの読書会だった。
読書会の老人たちは、とても個性的。歳をとると「濃く」なるらしい。
安田は心の中で愛称をつけた(増田夫妻は例外)
・『会長』大槻克巳(おおつき かつみ)88歳。元人気アナウンサーだったので、常に自分に注目を集めたい。誰かがその場の空 -