朝倉かすみのレビュー一覧

  • 平場の月

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    胸が切なく

    平場の月、映画化決定の数秒の予告ムービーを見て。映画公開前に読みたくなった作品。読みながら、キャストや数秒の予告ムービーから演じてる俳優と重ね合わせて読むのも、これもまた良く。より、作品の切なさが移入出来た気がします。あと少し早かったら、それともこのタイミングで正解なのか。辿ってきた運命とは、切っても切れない自分の道なのだなと改めて感じる作品でした。

    #切ない #じれったい #感動する

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    2025年09月20日
  • 静かにしなさい、でないと

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    昔の本 再読。
    最近の花も棺桶も…がいまいちだったけれど、これは面白い。忘れていたけれど…

    ちょっと、山岸涼子を思い出した。
    とりわけ、最後のちがいますか は天人唐草に似ている。親が1人1人子供の価値を認めないと、うまく大人になれないのかな。

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    2025年09月09日
  • よむよむかたる

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    じっくりゆっくり、噛み締めながら読んだ。
    78歳から92歳のメンバーから成る読書会。
    自由気ままにマイペースに発言するご老人たちが愛おしくなるにつれ、彼らが抱える持病や老化現象の恐怖や切なさに胸が苦しくなる。

    課題本「だれも知らない小さな国」から、死と向き合い、付き合い方を考えていくご老人たち。
    彼らを見守る28歳の安田。
    安田の心情に同調して、会員たちの嘆きに胸がぎゅぅっとなる。
    でも、彼らの生き様は、誰もがいつかは通る道。
    いつまでも悲観してられないわ!となぜか勇気が湧いてくる。不思議な読後感。

    もう少し年齢を重ねたら、今度はご老人たちの心情にシンパシーを感じられるようになるかしら。

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    2025年08月30日
  • 田村はまだか

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    秋に朝倉かすみ『平場の月』の映画が公開されるのでそれまでに読もうと思っていたのだけれど、同作者の今作も積読のままになっていたので、先に発表されているこちらから読むことにしました。
    最初、文庫表紙のイラストが麒麟の田村に似ていたから物語の田村を何となくイメージしていたけれど、表題作である第一話「田村はまだか」を読み終える頃には全く違うイメージを抱いていた。読み終えて改めてこのイラストを見ると、多分スナック・バー「チャオ!」のマスター花輪春彦だろうと分かる。
    連作短編集とは知らずに読み始めたけれど、第二話でそれがわかると、「チャオ!」に集まった面々のそれぞれの人生に思いを馳せられることを嬉しく思っ

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    2025年08月28日
  • よむよむかたる

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    超高齢読書サークルに集う人々の、それぞれの物語が描かれた小説。
    喫茶店に平均年齢85歳の高齢者が集まって、本を読み、感想を語り合う読書会。
    20周年。その記念の冊子づくり、初期メンバーの死、通夜。

    この小説の中では時がゆっくり流れている。

    たまにはそういうのもいい。2024年冬の直木賞候補作品。

    第一章 老人たちの読書会
    第二章 いつかの手紙
    第三章 ご返事ご無用
    第四章 恋はいいぞ
    第五章 冷麦の赤いの
    第六章 一瞬、微かに
    第七章 おぅい、おぅい

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    2025年08月17日
  • よむよむかたる

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    月一回の読書会。
    参加者は70代以上ばかり。もう20年続いている。

    元気なお年寄りたちが好きな読書を、憩いの場、喫茶店で開く。
    喫茶店の後任を任されたオーナーの甥、安田くん(28歳!)もメンバーに加わり、強烈な個性でぶつかりながら楽しくおもしろく開催される。

    妙齢につき、あちこち体も調子悪いし人の話聞かないし、好き勝手言いまくるし。
    大人の集まりでこんなだったら、うわ〜ってドン引きするが、お年寄りってそういうものというか……
    うちの親の施設でも好き勝手な入居者さんたちをお見かけしてるので、臨場感たっぷり。

    でもこうやって自分の足でやってきて、好きなことをして意見を言い合えるのは元気がある

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    2025年07月10日
  • よむよむかたる

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    老人ばかりが参加する読書会。月に一度の読書会は朗読と感想の言い合いが中心で、老人らの生きがいにもなっている。だからこそ、日々の生活の中で重要な位置づけになっている。また、老人たちは死なんてのは特に恐れもなく達観しているようだ。月に一度の集まりが孤独を避け、ストレス発散にもなり、みんなが老いていずれ死ぬことをきちんと理解しているからこそ、個々の人生に対する満足度が高くなっているようだ。全体的に幸福感が出ている作品であり、自分も老人になったらこんな生きがいを持ちたいなと思う。

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    2025年07月09日
  • よむよむかたる

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    おじいちゃん、おばあちゃん達の読書会のお話です。月に一度、喫茶シトロンで開催されます。その名も『坂の途中で本を読む会』。なんて素敵な名前。そしてもう20年も続いているという。
    とは言っても、その内容は独特。
    大きな特徴の一つとして、まず、一人ずつ音読をして、その読み方をみんなで褒め合うのです!
    「最高!」とか、「心を揺さぶられる」とか、「心洗われる清流の読み」とか。
    次の読書会までに、たくさん練習してきているんだろうなぁと想像してしまいます。
    読み方を褒め合った後は本の感想を述べ合うのですが、これも脱線に次ぐ脱線。本の内容というよりは、自分達の思い出話に花が咲いてしまうのです。しかもどこまでが

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    2025年07月01日
  • よむよむかたる

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    小樽にある古民家カフェで月に一度開かれる高齢者たちの読書会。
    その題材が大好きな「誰も知らない小さな国」というのがまた嬉しい。
    全体にちょっとした言い回しが面白い。
    「誘われる喜び」月に一度の楽しみ
    どちらも渇望。

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    2025年06月10日
  • よむよむかたる

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    これは夢だなー
    いつかやってみたい読書サークル
    近所の本好きな人達と月イチ集まって
    読んだ本の感想を語り合ったり、共感しあったり。

    メンバー6人の「坂の途中で本を読む会」
    最年長92歳、最年少78歳他4人はみな80代

    集まりは第一金曜、喫茶シトロン
    喫茶シトロンの店長はスランプ中の作家、やっくん。最近入会し最年少会員になった28歳。

    読む会のメンバーは集まるたびに泣いて笑って共感して、なんならケンカまでしちゃって感情が忙しいけれど、みんなこの会が大好き。

    そして店長のやっくんは賑やかな彼らを作家ならではの感性で観察しながら、心の中でつっこむ。
    「もぉ、やっくんそういうこと言う〜」と思

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    2025年06月02日
  • よむよむかたる

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    超高齢者の読書会が舞台。年寄りは好きじゃない!と手を引っ込めかけたが、そう遠くない未来の自分、あるいは今向き合わねばならない周りの人たちのことを考えるキッカケに、と。
    読み始め、少しくどさを感じたが、読み進めるうちに、登場する高齢者のキャラが自分の中に定着してきて、なんか楽しくなってくる。こんな会話ができたら楽しい!と憧れる。
    ちょっとしたどんでん返しもあって、この先どうなるのかな〜と想像するのも楽しい。

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    2025年05月18日
  • 植物たち

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    あなたは、どの『植物』の生き方が好きですか?

     (*˙ᵕ˙*)え?

    国連環境計画の調査によると、この地球上には約870万種の生物が暮らしているのだそうです。そして、その内訳は動物が777万種、『植物』が29万8千種、菌類が61万1千種と推定されるのだそうです。個人的な印象では『植物』の方が多いと思っていましたが動物の圧倒的な数に驚きもします。

    とは言え、この地球上には29万8千種もの『植物』が生きていることは事実です。動物と違って動くことも鳴くこともなく、ただただそこに生えているだけとも言える『植物』たち。しかし、そんな『植物』にもその種類によって生き様は大きく異なります。可憐な印象を与

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    2025年01月20日
  • たそがれどきに見つけたもの

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    上品な白い装丁に惹かれて何気なく手に取ったのだけど、予想外に良かった。

    6つの短編、いずれも主人公は50代。まさに人生の「たそがれどき」に差し掛かっている。老いをひしひし感じつつも、まだ現役としてもがいているのだ。

    作者自身が投影されているような『その日、その夜』が面白かった。結末は悲しいけどユーモアがあり、独身あるあると言おうか、独り生活が長いと身につまされるのではないか。

    『ホール・ニュー・ワールド』と『王子と温泉』の50代はどちらもちょっとイタい。自分は十分若いつもりでも、周りからは完全にオバサンに見えていることを忘れてはいけない。

    最後の『さようなら、妻』では、夫が妻と出会った

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    2024年12月14日
  • 田村はまだか

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    ネタバレ

    田村はまだか

    札幌のススキの路地裏にあるバーに同窓会の三次会として集った5人の中年男女とバーのマスター。
    5人は各人各様の人生を振り返りながら、われらがヒーロー田村を待っている。
    ジャージに虎刈りの冴えない容貌の田村は、心に響く言葉で1人でつっぱって孤立していた少女を救った。その彼女は今は田村の妻で、田村は苦労した末に豆腐屋の主となった。
    時は過ぎ、もう午前3時を回り5人の物思いと会話も尽きてきたが、田村は未だ来ない。
    ”田村はまだか!”
    第一話を読んだときに”これは当たり!”と思いました。が、読み進むうちに中年男女のぐだぐだに巻き込まれてしまい少しがっかり。”これもクライマックスに向かっ

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    2024年09月25日
  • 田村はまだか

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    私にはまだまだ分からない世界だ!!
    やはり歳を重ねると、人生の深みが増すのかなぁ
    田村を待ち続け「チャオ」で飲み続ける
    6人の人生奮闘記。

    小学校の同窓会で集まって、クラスの三次会で集まった池内、永田、坪田、千夏、祥子、そして彼らを見守るチャオオーナー花輪。
    彼らの仕事での話や恋愛話、それぞれ重ーく終わりが見えないと思いきや、とある人が宝物のような言葉を遺していく。
    そして永田の合いの手「田村はまだか」
    このなんとも言えないストーリー展開が
    とても気持ちよくて、好きだ。
    果たして田村は来るのか、彼らのこれからはー。

    彼らと同年代になったら必ず読みたい1冊!!
    そして私も言いたい!!「田村は

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    2024年03月10日
  • 肝、焼ける

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    稚内が舞台なので読んでみました。稚内にしてはずいぶん汗がべっとり感じられる暑い日の話でした。他の話も色んなタイプの女性の焦ったい話でしたが、意識高い系気取りの今時の人ではないので落ち着いて読めました。「一番下の妹」は映画みたいな話で好きです。そして解説が良かったです。こんなに深く読み込めなかった。

    それにしても豊富温泉はせっかくなのでちゃんと朝風呂まで堪能して欲しかったよ。

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    2024年03月02日
  • にぎやかな落日

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    おばぁちゃんが主人公の物語は初めてでしたが、とにかく面白かった!北海道弁がリアルで、おもちさんの声が聞こえてきそう。最初は親のことを思いながら読んでだけど、読み進めるうちに20年後30年後の自分にも思えてきて…記憶が混濁して、白いモヤがかかったようになっても、家族団欒の笑い声とか、若い時に感じたトキメキは昨日のことのように思い出すんだろうなーと思うとちょびっと泣かさる

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    2024年02月19日
  • 田村はまだか

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    タイトルが面白くって購入しました。後ろの宣伝文のところにラストには怒涛の感動がと書いてありますが、感動というよりはほっこりでした。途中ちょっと飽きるところもありますが、面白いです。一言で言うなら群像劇。

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    2024年01月27日
  • 肝、焼ける

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    面白かった。タイトル作は稚内の風景と方言が印象的。巻末の一編は豊富温泉が舞台で、道北に地縁がある者としては嬉しい。

    すぐには理解しがたい登場人物の言動など、引っかかりを随所に感じさせながら読ませる。モヤモヤした言葉にならない感情を身体や小道具への微細な視点で表現し、明確には語らない。ハッとさせられることの多い、心に残る短編集。

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    2023年06月25日
  • 田村はまだか

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    バー「チャオ!」に集まった、40歳になった小学校6年の同級生たち5人。皆、田村が店に来るのを待っていた。そこで小学校の頃に問題児だった中村に、田村がかけた言葉を思い出していた。しかし、それぞれ40歳ともなり、仕事にも実生活にもうまく行っていないのだった。田村はまだか。

    タイトルとリリー・フランキーみたいなおっさんの表紙で、つい手に取ってしまうこと請け合いの1冊。いやもう、一発でやられましたね。

    内容の方は、仕事で本気を出していないんじゃないかという池内が田村を思い出すことではじまる。二章では全く違う視点になるので、もう田村はどうでもいいのかと思いきや、また戻ってくる。

    全体に固有名詞が多

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    2023年06月19日