【感想・ネタバレ】静かにしなさい、でないとのレビュー

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Posted by ブクログ

どうしてこんなに朝倉かすみは…。

解説が、この短編集に収録された作品の主人公たちをうまくまとめていた。

“〈名前のイメージと自分の容姿とのずれなど承知していると表明したほうがらくになれる〉と考える内海さんをはじめ、かつては美少女だったのに〈一世を風靡した子役の成れの果て〉のような大人になってしまった「どう考えても火夫」の〈わたし〉、美人と言われた経験がないのは〈気がつくひとがいなかったからだ〉とずっと思ってきた「いつぞや、中華飯店で」の朔子、心延えがよくないと自分を叱ってきた両親から、あっさりした目鼻立ちと短い顎を受け継いだ「ちがいますか」の〈わたし〉。”

とにかく、自分の思っている自分と世間が見る自分との相違について、これでもかこれでもかと容赦なくたたきつけてくるのである。
それが、まるで自分のことを書かれているようでものすごく痛いのに、目を離すことができない。
そんな自分の姿までが書かれているようで。

何とか折り合いをつけてかさぶたまでにもってきた過去の自分の心の痛みを、またあらためてじくじくとさせてみるような感じ。

じゃあ、あの頃の私はどうすればイタイ思いをしないですんだのか。
今考えてもイタイ奴とイタクナイ奴との分岐点がわからない。

そんななか、特別ではないけれど、なんだかほこほことめっけもんみたいなぬくもりがいいなと思った「やっこさんがいっぱい」が好き。
“ちょっとは自分をいいめにあわせてやりたい”と思うふうちゃんが好き。
そんな日常だってなんかいいではないかと思う

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2014年09月05日

Posted by ブクログ

最近読んだ短編集の中でだんとつ面白かった!
最初は、軽いノリの、ちょっと厭らしくクスリと笑える話たちだと思っていたので、思いがけない闇にびっくり。そこから、朝倉さんの予想以上の描写力に唸らされた。こういうこと、あるな~…っという。
圧倒される程の毒気は無いので、独特な構成もわりと軽く楽しませてもらいました。

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2012年09月28日

Posted by ブクログ

「内海さんの経験」
「どう考えても火夫」
「静かにしなさい」
「いつぞや、中華飯店で」
「素晴らしいわたしたち」
「やっこさんがいっぱい」
「ちがいますか」
…以上の7編の話が入っています。

感想は…
どれを読んでも何というか、もぞもぞ、ゾワゾワして、心が落ち着かない感じ、になりました。怖さというか…。
朝倉かすみさんの本はこれで2冊目ですが、以前読んだ本も心がざわついたので、こういう手法に長けた作家さんなのかも(笑)
タイトルがどれもそそられ、毎回、何となく手に取ってしまうんですけど(^_^;)

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

どのお話の登場人物も、うっ苦手…と思うのですが、どこか彼女たちの気持ちがわかるところもあるので同族嫌悪に似たモヤモヤなのかもしれません。
歪んでるな、と思いました。わたしも思考が歪んでいるという自覚があるのでそこも落ち着かない要因かも。
「いつぞや、中華飯店で」は、きっかけは外部からだったものの、自分の力でのし上がる!みたいなところが良くて好きでした。
印象的だったのは最終話。育った環境で人はここまで歪むのか、っていうおぞましさがありました。「心延えのよさ」ってそんなに押し付ける事か…逆効果になって、病んだまま育ってますけど。。これコインランドリーで隣の女性がずーっと呟いてたら怖いと同時にすごく可哀想でなりません。

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2021年07月08日

Posted by ブクログ

イタい女たちが日常生活で考えていることを描いた短篇集。ホントにイタすぎます。
不細工な女の子は性格がいいというのは迷信に過ぎず、また人生において、異性から優しく大切にされた経験が少ないので、大概が卑屈な性格になります。そんな救いようのない女性たちを、より一層救いしづらくしてしまう話しばかり。イタいイタい。

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2013年11月14日

Posted by ブクログ

短編集。
こんな人間になりたくないなあと思いながら読んでたけど、もしかしたらわたしはすでにこんな人間なのかもしれないと思えてきた。ぞっとするね。

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2013年03月14日

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