朝倉かすみのレビュー一覧

  • 好かれようとしない

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    鍵屋にぞっこん。ちくしょう、鍵屋が好きだこんちくしょう色男め。吹雪が人に疑問を投げかける時の、「~なのでは?」って言うところ、ちょっとわかるしなんか好きよ。私も頭が固いから大家と山本ふみえに軽口叩かれながら励まされたい日々。

    追伸・昨日ふとヒロエ・Oを思い出してギリギリしたから、私の鍵屋へのラブ度異常。

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    2012年08月10日
  • 好かれようとしない

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    ネタバレ

    すごく好きでした。
    朝倉かすみランキング暫定1位です。

    「おなかの中に食べ物しか入っていない」
    赤面症の、25歳のオクテでマイペースな主人公が、
    鍵屋さんに一目惚れする話。

    朝倉さんのことだから鍵屋にストーカーするホラーな作品かと思いきや、
    かなりピュアなラブストーリーでした。

    いいな、と思ったのは、
    鍵屋の行動に傷ついた主人公がたまねぎを切るところ。
    たまねぎによる生理反応でも絶対泣きたくないと、
    水泳用のゴーグルをしてティッシュを鼻につめてまな板に向かう。
    なんだかもうこのシーンだけで充分感じ入るものがあった。

    そして家庭教師先の女子中学生が言う、
    両思いになるおまじないはあるけど、コツなんかないんじゃないっていうくだり。
    こういう一言がとても好きだなあと思う。

    こんなぽつりと落ちるような一言がとても多い。
    じーん。


    確かに主人公はうじうじしているし、
    鍵屋もそんなにいい人には見えないし、
    まどろっこしい部分もたくさんあるけど、
    もうそういうのは瑣末な問題だと思えるように、染み入る読後感。


    恋に傷ついた友達や、
    臆病になっている子に贈りたい。

    恋愛経験豊富な人にはぴんとこないかもしれない。
    それに女性向け。
    相変わらず読者は選ぶけれど、
    そのとんがりが魅力だし、
    心にひっかかるんだなあと思います。
    噛み締めて読みたくなる話。

    解説の、
    「想像力を働かせる余地がまったく無い小説なんて読む価値が無い」
    というのが、ぴったり表している。
    そう、こういうのが小説のよさなんだよな。
    本を読む人でよかったなと嬉しくなる瞬間です。

    売れ線の本とは一線を画すこの作風を維持していただきたいものです。

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    2012年02月14日
  • 肝、焼ける

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    ネタバレ

    「肝、焼ける」と「春季カタル」が好き。
    自分ではおよそ体験しないようなストーリーなのに、どの主人公の女性もなんとなく感情移入させてくれるのが面白い。認めたくないけどちょっとわかるよーその気持ちー。

    ほわほわキラキラした飾り付けの無い、残暑のような恋愛小説だった。

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    2012年03月20日
  • 好かれようとしない

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    本屋さんで書店員さんがおすすめしていたので、読んでみた。
    大家さんの言葉が素敵すぎる。
    いくら好きな相手でも自分を安売りしちゃいけないんだなーと思いました。

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    2011年11月02日
  • 好かれようとしない

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    面白かったー!
    主人公の風吹に、すごくシンパシーを感じられて。
    ちょっと自意識過剰なところとか、評論家目線、とか。
    風吹の気持ちがじりじりと痛い程に伝わって心をもみくちゃにされた心地がした。

    表現が独特で、馴染んだらくせになる。

    いい小説でした。

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    2011年03月25日
  • 好かれようとしない

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    めちゃくちゃ面白かった。
    凄かった。

    と、幼稚な言葉しか出てこなかったのが残念なくらい。
    何度も何度も表現の妙にページをめくる手が止まったし、
    発想力と連想の連鎖に思考を巡らせた。
    朝倉かすみの描写の、リアルさと小説らしさ
    そのありかたのバランスの取り方、それが非常に好みなのである。

    あらすじ。
    25歳風吹、何にも必死になろうとはしてこなかった女。
    というとやけに嫌な女に聞こえるけれども、いわゆる「必死かっこわるい」というスタンスではなく、「待っていてもいいじゃない」くらいのもの。
    その健全な水のような風吹が恋をしたのは、鍵屋だった。
    旅行帰り、スーツケースの鍵が開かなくて
    大家さんに紹介してもらった鍵屋。
    一目惚れだった。
    もっと見たい、声がききたい、風吹は彼女なりの勇気をふりしぼって行動を起こしていく。
    その一つであるベリーダンス教室に通ったことで
    風吹は自分の身体の存在を自覚し、
    自分にはない美しさを持つベリーダンスの講師のヒロエ・Oが
    自分の片思い相手である鍵屋と特別な関係にあることを知る--。

    という感じです。
    いやもう本当に、文章だけでも最悪読めちゃいます、
    っていう文体フェチの方がどのくらいいらっしゃるか
    私にはわからないんですが、
    この本はそういう方にもうってつけです。
    それでいて物語もおもしろいんだから、たまったものじゃありません。
    お手上げです。

    「鍵」というキーワードで
    鍵を開ける、錠前を閉める、という展開になっていた時点で
    もうぞくぞくしてたまらなかったのですが
    鍵師の過去が語られるに至って
    「ああ、これも鍵がかかっていた部分なのか」と気付きました
    どれだけ意味を持たせるのか
    どれだけ緻密に構成されてるのか
    同じ表現の多用も目立つのですが、それが実に効果的なんです

    かれの声を指してオブリカード、ハーモニクス
    と風吹は陶酔するのですが、
    それが回を重ねるごとに読者にも伝播してくるようで
    いつのまにか私も陶然として風吹の前にいる「彼」を思うのです

    風吹というのも変わった名前で最初は馴染みにくいな
    と思ったんですが
    中盤あたり、彼女が奮闘する章を読み終わったところで
    「やったじゃないか風吹!鍵屋の錠前の間から風を吹かせたな!」と
    彼女を拍手喝采して気付きました
    鍵がかかっていても風は入り込むから風吹?
    いや考えすぎかなあ

    これは誰にでも勧められる本だな、と私は思います。
    読んでいて静かに恋心に浸るとか、しんみりするとか、そういうのとは逆!
    どんどんテンションが上がっていくんですね。
    そうだよねそうだよねわかるよ!って、叫びだしたくなってしまう感じ。

    とびきりのガールズトークを聞いているような感じでもあり、
    王道の少女漫画を読んでいるようであり、
    そのくせきっちり文学作品しているのですから、
    ノックアウトされない筈がないですよね。

    この本、ピカイチです。
    朝倉かすみの中でも一位か二位を争うほど好きです。

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    2011年02月17日
  • 平場の月

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    映画になっていたので、内容が気になって購読。若い頃に読んでも面白くなかっただろうが、登場人物と同世代くらいの今は切なくもどかしい。感情を揺さぶられる程ではないが、微妙に揺れてしまう。

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    2026年10月26日
  • けんぐゎい

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    ネタバレ

    前半は少し苦しくて読み進めるのに苦労した。後半、ストーリーに希望が生まれてきて、いっきにはかどった。すごーく有り体に言えば、差別され、性的に搾取され(性暴力を受け)、踏みにじられてきた女性たちのシスターフッドと、人は誰でもかけがえの無いものを持っていて、それが世間で良いとされるものにはまっていても外れていても、皆、そのまま生きていていいんだっていう、人権尊重のお話だなーと感じた。
    「なにしろヒデさんが大切にするおいらだからな、どうでもいいはずがないんだ」というりよの台詞。自分を大切にしよう、自己肯定感を育もうと言われるし、私もそう思ってきたけれど、信田さよ子先生が、アンチ自己肯定感であると聞き、そういうもんかなァと腑に落ちていなかったが、少しわかった気がする。人は誰かに大切にされる経験がなければ、自分のことを大切にすることはできない。人に蔑ろにされてきたら、自分には価値がないと学習してしまう。自分一人で、自分を本当に慈しむことはできない。そういうことかな、と。それと、「女は産ませられてはならないし、産めないことがあってもならない」。これ、まったくSRHR。産むかどうかは女性本人が決めること。国や自治体が人口を増やすために女に産めと言ってるのが頭をかすめた。産みたい人が産めて、産みたくない人は産まなくていい、そういう社会になればいいなと。

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    2026年10月25日
  • けんぐゎい

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    ネタバレ

    ほのから人生を全て自分が選んだ籤引きと言われたふゆにとって、ほのの存在とその言葉は一生消えることがないものだったと思う。そして、ほのもふゆも自分で外れ籤をひいた訳ではないんだと、そしてふゆが最終的に当たり籤をひいた訳でもないんだ、と言い聞かせている気がしてならない。
    心の中のウニ坊の存在も、持って生まれたそのものが善しと言ってくれるビデさんのような存在も、生きていくうえで欠かせない大切なものだと思う。
    「けんぐゎい」という題名の意味がわかった時、一部の人を「けんぐゎい」と分類する世の中は確かにあると思ったし、そのような分類があってはならないことだと思う。

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    2026年10月25日
  • けんぐゎい

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    第175回 直木三十五賞

    宗三郎がけんぐゎいと言った瞬間、ガーン!と思った。
    タイトルがそんな意味の呪いの言葉だったとは。
    けんぐゎいとされたガストホイスの女性達が幸せに暮らしていけるといいなと思う。
    まだ種痘がない時代、ふゆは女医師と出会えて幸運だったけど、疱瘡から生き延びた人たちはいかに生きづらかったか。
    ふゆがおしゃれをしたり、かわいいものに興味をもつ気持ちすら起こさないように生きてきたことに胸が締め付けられた。

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    2026年10月24日
  • けんぐゎい

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    時代小説でありながら、描かれている問題は決して過去のものではないと感じた。

    理不尽な境遇に置かれながらも、自分の人生を切り開こうとするふゆの姿が印象的だった。

    人は生まれや容姿、性別によって価値を決められるものではない。そんな当たり前のことを改めて考えさせられる。

    決して明るい話ばかりではないけれど、登場人物たちのたくましさに引き込まれ、最後まで面白く読めた。

    読み応えのある一冊だった。

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    2026年10月24日
  • 平場の月

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    ネタバレ

    須藤が病気と闘っているところ、1番最後のページで泣いた。須藤の誰にも頼らずに病気と闘いたい気持は少し分かる気がした。

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    2026年10月24日
  • てらさふ

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    あり得なさそうな設定なのに感情がすごくリアル。まず小説家が書く文学賞というのが少し面白いし、少女たちが使うのが郵便配達員の怠慢で届けられなかった他人の盗作というアイデアも面白い。オリジナル作者はボケているとはいえ存命なことがスリル感を与え、孫が三角関係にも絡んでくるという練られたプロット、楽しく読んだ。

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    2026年10月24日
  • けんぐゎい

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    「けんぐゎい」って……そういう意味だったのか。

    いやぁ、壮絶な女の人生だ。
    主人公のふゆだけじゃない。妹のりよも、ほのも、つるも。
    本書に出てくる女性たちは、みんな強烈で、したたかで、美しい。
    (それに対して男は……ブツブツ)
     

    『けんぐゎい』朝倉かすみ

    幼い頃、病気で生死をさまよったふゆは、
    全身に酷い痘痕(あばた)の跡が残ってしまう。

    もともと可愛らしい顔立ちをしていたふゆは、
    その痘痕のせいで、人間とも思われないような扱いを受ける。
    美しい母親からは愛されながらも疎まれ、
    他人からは化け物のように見られる。
    江戸時代、とんでもないルッキズムだ…

    でも、ふゆには
    自分を冷静に見つめる利発さがあった。

    ✧

    手習師匠の手伝いに出されたふゆは、
    そこで美しく聡明な宗三郎に仕えることになる。
    けれど彼は、とんでもなく倒錯した性癖の持ち主だったのだ……!

    もうこの描写が、なかなか凄まじくてね……
    おい、化け物はどっちだよ、
    と怒りすら湧いてくる。笑
    これを時代小説の一部として落とし込んでいるんだからすごい。

    女性として読んでいて辛い描写もあって、
    前半はなかなかスルスルとは読み進められなかったのだけれど、
    中盤以降、ふゆがある名産医と出会ってから
    物語は一気に動き出す。

    ✧

    女性としての「幸せ」が出産と強く結びついていた時代。
    しかもその立場は、ひどく弱い。

    家のために、子を残すために。産めよ、育てよ。
    そういう価値観そのものが、
    当たり前のように女性たちの上にのしかかっていて。

    それは時代として自然なことだったのかもしれない。
    けれど、当の女性の意思が、そこにあるとは限らないんだよな…

    ただ女性が道具のように扱われることすら当然だった時代に、
    異端児であるふゆの反骨精神と世間への「復讐」の手段が、
    なんとも小気味よいのだ!

    江戸を舞台にしたこの女性たちの性や生き様が、
    驚くことに令和の今にもまっすぐ通じるものがあって、
    読後もグワーンと、しばらく尾を引く作品でした。

    描写が結構過激ではあるので
    たぶん、好き嫌いは分かれると思います。

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    2026年10月24日
  • 棺桶も花もいらない

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    むき出しの感情に揺さぶられる。
    特に冒頭の短編「令和枯れすすき」がとてもよかった。

    途中で「平場の月」の著者だとわかり、自分のレビューを読んだら同じような感想を書いていた。
    他の作品も読んでみようかな。

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    2026年10月18日
  • にぎやかな落日

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    この主人公?おもちさんがとてもキュート。少し気になるのがお嫁さんのトモちゃん。いい人すぎて・・・ちょっと気の毒にも思えた。おもちさんの行動とか思考とかがわかりやすくてお年寄りの感覚が伝わりやすかった。

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    2026年10月17日
  • けんぐゎい

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    帯に直木賞受賞とある。どこで推薦されたか忘れた。産婆あるいは堕胎ババアになった主人公ふゆが、多田屋の娘ちかのふたごをとりあげて、そのうちのひとりを跡継ぎとして多田屋に渡す計画をする、というところで話が終わる。江戸が舞台ではあろうと思われるが明確ではない。

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    2026年10月16日
  • 平場の月

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    年を重ねて、酸いも甘いも経験した2人
    の切ない恋愛小説。
    慮る。この言葉がぴったりで
    過ぎるとこうなっちゃうんだなぁと、
    若い人たちの衝動が羨ましくなった。


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    2026年10月14日
  • 角川ごちそう文庫アンソロジー とっておきのおいしいひと時

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    アンソロジーが好きで色んな作家さんに出会った。
    個人的に好きな表現、読みやすさ、内容の面白さで気になった3名の作家さんの小説を読みたくなった。

    最後の「お母さんのお雑煮」は短編なのに涙を流しながら読んだ。すごい理想な家族像だった。途中で声出して笑っちゃった。この本を買ってよかったと心から思えた1冊だった。

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    2026年10月11日
  • けんぐゎい

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    ネタバレ

    「圏外」とされた女性が、自分の居場所を求めて懸命に生きる姿が胸に迫る。

    容姿や境遇によって人生を左右され、女性の幸せさえ他人に決められてしまう理不尽さがあまりにも重い。

    性被害や妊娠・出産をめぐる壮絶な描写には胸が痛むが、それだけに、過酷な運命に翻弄されながらも、自分の人生を生きようとする姿が力強く心に残った。

    独特の文体と濃密な物語世界に圧倒されながら、生まれ持ったものや変えられない境遇と、どう折り合いをつけて生きていくのかを考えさせられる。

    社会が定めた価値観からこぼれ落ちた人間にも、その人だけの人生がある。読後も深い余韻が残る一冊。

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    2026年10月11日