朝倉かすみのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
続きを読みたい!!
一目惚れしてしまったヒロインと、その相手の進展にドキドキしながら読んでいました。鍵屋が不倫しているという場面を読んだ時は、思わず「えっ」と声が出てしまいました。そして、もっと鍵屋とヒロインの会話やデートの様子を読みたい!続きを読みたい!と思う本でした。
私が本に興味を持つ機会を作ってくれた本なので、これから先も大事な作品になると思います。 -
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読んでいて、河をわたったような気分になった。
気付いたら服の裾が濡れていて、
つぎに気付いたらすっかり腰まで浸かっていて、進むしかないという心地がする。
そして物語が進むと、もうすっかり足のつかない深い部分にひきずりこまれていて、どうしようと途方に暮れて、もがいていると、
突然ぐいっと向こう岸に引き上げられる。
そして、その先にはまた河があることを知る。
読んでいるときの感覚を表現すると、
上記のような感じになる。
朝倉かすみは、女性を描くのがうまい。
おそらくどんな女性も感じたことのあるであろう自意識、それを強調して描く。
そこに皮肉なタッチがないので、ついついこちらも
「ああ、こうい -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく好きでした。
朝倉かすみランキング暫定1位です。
「おなかの中に食べ物しか入っていない」
赤面症の、25歳のオクテでマイペースな主人公が、
鍵屋さんに一目惚れする話。
朝倉さんのことだから鍵屋にストーカーするホラーな作品かと思いきや、
かなりピュアなラブストーリーでした。
いいな、と思ったのは、
鍵屋の行動に傷ついた主人公がたまねぎを切るところ。
たまねぎによる生理反応でも絶対泣きたくないと、
水泳用のゴーグルをしてティッシュを鼻につめてまな板に向かう。
なんだかもうこのシーンだけで充分感じ入るものがあった。
そして家庭教師先の女子中学生が言う、
両思い -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
凄かった。
と、幼稚な言葉しか出てこなかったのが残念なくらい。
何度も何度も表現の妙にページをめくる手が止まったし、
発想力と連想の連鎖に思考を巡らせた。
朝倉かすみの描写の、リアルさと小説らしさ
そのありかたのバランスの取り方、それが非常に好みなのである。
あらすじ。
25歳風吹、何にも必死になろうとはしてこなかった女。
というとやけに嫌な女に聞こえるけれども、いわゆる「必死かっこわるい」というスタンスではなく、「待っていてもいいじゃない」くらいのもの。
その健全な水のような風吹が恋をしたのは、鍵屋だった。
旅行帰り、スーツケースの鍵が開かなくて
大家さんに紹介 -
Posted by ブクログ
ネタバレ聞き慣れない「平場」という言葉の意味が観終わった後に効いてくる作品であった。
青砥、須藤は、まさに一般的な中年の男女で中学の同窓であった。
それぞれに人生の辛酸を経験して再会した時から始まった不器用な二人の関係がいじらしくもあり、歯がゆかった。
最後は悲しい結末とはなったが、青砥の愛を感じながらも天へ召された須藤。須藤への想いをぶつけながらも思うようにいかず、約束を待ちながらも彼女の死を後日知った青砥。
それぞれ相手の事を考えた上での行動であっただろうが、あまりに切ない結末となった。
でも、二人が過ごした時間はお互いにとって「宝物」であったと私は信じたい。 -
Posted by ブクログ
『よむよむかたる』から5ヶ月ぶりの、朝倉かすみさん。
映画の予告で知りつつも、ラジオで星野源さんの歌う映画の主題歌で観に行きたいと思い、原作を読みたいと思いました。
地元で再会した須藤と青砥。お互い中年の50代での恋愛。中年世代でもある自分だが、こういった恋愛は憧れる。が、須藤の我の強さ、青砥の自分の気持ちを表に出すことのできないもどかしさが目についた(それがお互いの繊細な気持ちが緻密に描かれている)。
特に過去の出来事(家族関係・結婚・離婚・恋愛)が性格を生成されていくこと、お互いの気持ちを紡ぎ合うことの難しさを痛感する部分。そして自分の体の変化や家族のことなどと課題が広がっていき、心が