朝倉かすみのレビュー一覧

  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    それぞれの悩みを抱えた人の日常を描いた短編集
    貧困、離婚、孤独、病気、ありがちな設定だが、それぞれ面白かった
    特に4人家族の姉弟の関係性についての作品では、弟の進学のために中卒を前向きに受け止める姉の姿には幸せとは何かと考えさせられた
    弟は勉強が得意だから進学すれば良い、私は働くことが得意だから働けば良いという姉の考え方には、凄く納得させられた
    いつしか進学することが当たり前になり、その目的がうやむやになってきているこの世の中
    何が幸せか皆心に問うべきではないか

    0
    2025年10月02日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    湿って、大人っぽい短編集
    コロナ禍に影響を一番受けたであろう弱者階級の静かな叫びが聞こえるようだ
    初めの章「令和枯れすすき」
    『ずっとのおうち』の後継者に、
    怖いけれども、なってみるのもいいかも…
    なんて思ってしまった

    0
    2025年09月24日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    今の社会の生活水準の平均値がどの辺りにあるのかはよく分からないけれど・・・
    この本の登場人物たちは多分、平均値より上ではない。
    それぞれ違う主人公の短編集だけれど、一作目の印象が強かったせいか、「駅の南口を降り、蕎麦屋を右に曲がり、線路沿いに直進したら薄茶色のマンションを左折、細道を歩くと丁字路に出て、突き当たりのクリーニング屋さんの並びの一軒家」
    という描写がほとんどの作品に共通して出てくることから、ホラー的な結末を考えてしまった。

    どのお話でも、人生の選択に迷っている人が主役。コロナ禍という特殊な状況にも翻弄されて、生活設計が狂ったり、一変してしまった人も多い。コロナ禍の前に戻れたとしたら・・・
    でも戻れない。色々なことが変わってしまった。
    変わってしまった世界に合わせて、自分も変わっていくしかない、そんなふうにしてみんな生きているのだろう。

    【令和枯れすすき】
    61歳おひとり様の「わたし」。年金受給まではなんとしても働かなくてはならないが、すでに要らない老人に分類されている。
    ある日、変わり者の「あの人」に話しかけられて、驚くべき誘いを受ける。
    ・・・これ、ドアを開けたら本当にその光景があるのでしょうか?からかわれただけとか?
    でも、死にたがっている人、死んでも誰も困らない人、というふうに見られたってことですよね?
    【ドトールにて】
    宗茂(むねしげ)とケン坊は地元の保育園からの幼馴染で、ともに58歳。宗茂は母親を、ケン坊は植物状態だった奥さんを、それぞれ亡くしたばかり。艶福家のケン坊にはすでに彼女がいて、周囲からどう思われるか気にしている。天涯孤独の宗茂は家族を妄想する。
    【もう充分マジで】
    鏑木明人(かぶらぎ あきと)は、彼女の心夏(ここなつ)と二人で、将来の人生設計を綿密に立てていたが、国立大学の受験に失敗して、古びた大規模マンションの裏のコンビニでバイトをしている。深夜のコンビニに入り浸る、銀河(ぎんが)(7歳)と風雅(ふうが)(5歳)の兄弟は、マンションの住人だという。・・・ネグレクトする親って、キラキラネームを付けがちなのかな、と、放送中のドラマを思い出す。
    【非常用持ちだし袋】
    小豆沢芙実(あずさわ ふみ)昨日、中学の卒業式だった。父が体調を崩して働けなくなって以来、郵便局で働く母が我が家のリーダーとなっていった。5教科はまるで出来ないが、そのほかは人より優れている。高校は必ず行かなくてはならないのか?
    ・・・弟の青龍(せいりゅう)と、駅のベンチでずっと両親を待つ。帰って来ないんじゃないか、あの一戸建てで首でも吊ってるんじゃないかと変な想像をしてしまいました。
    【みんな夢のなか】
    蟹江立夏(かにえ りっか)は妊娠7ヶ月の折に夫の浮気が判明し、大喧嘩の末に離婚した。
    コロナ禍の頃のママ友との喧嘩の記憶。運命の女と死別して老け込んだ元夫。皆、時の流れ。立夏は、息子が生まれてからの8年間の越し方を、ほとんど思い出せない。まるで夢の中にいるようだった。
    ・・・すぎていく日々、よほど印象に残ること以外は、全部溶けて消えていく気がする。

    0
    2025年09月09日
  • 遊佐家の四週間

    Posted by ブクログ

    家族の話だよね。と 読み始めて みえこが登場してから 家族の話が ちょっとづつ変わっていく、やっぱり家族の話 だよね。思っていたのと 違う展開に ちょっとちょっと となったけど。結局 この家族 どうしたかったんだろ〜?というモヤモヤで 終わってしまった。朝倉かすみさんってこういう話も書いていたんだと 新しい発見。なんとなく 消化不良な感じがするのは ホント 個人の感想です(笑)

    0
    2025年08月11日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    田村を待ち続けながらそれぞれの人物の人生が短編で読める。
    人生っていろんなことがあるよね、いつ誰が田村のようになってもおかしくないよね。
    人生何があるか分からないよ、そんな印象でした。

    0
    2025年07月07日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    朝倉かすみさん、大好きだ。
    この短編集の中では、ダントツ良かったのは、「令和枯れすすき」
    ジジババの、枯れよう、切なさを描かせたら、この人の右に出るものは今のところいないのでは。

    少しだけ残念なのは「非常持ちだし袋」
    この5篇の中では一番長く、途中までは、主人公の姉弟の行く末が気になって、これはまた味わい深いと思っていたのだが、主人公が自衛官を目指すあたりから、着地点がわからなくなってしまった。最後の終わり方も、青龍ってそういう子だったっけ?とポカンとしてしまった。
    これは、長編として一冊の小説にしないといけない内容なのでは。
    大河小説になりそうなくらい主人公たちが動き始めたのに、字数の関係で終わらせてしまった感あり。

    でも、まあ、ファンとしては、朝倉かすみさんの小説が読めるだけで至福ですけど。

    0
    2025年06月25日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    年齢さまざまな者が、今の自分をどう思っているのか…現実はこうなんだというそれぞれの生きざまを見せつけられた。

    何をもって自分はどん底だと感じるのか、それは人それぞれで…だけどなんとかしようと思って生きている。
    それをありのまま見せてくれた、全5編の短編集。

    令和枯れすすき〜派遣で働く者の明日は…
    ドトールにて〜天涯孤独の楽しみは…
    もう充分マジで〜大学受験を失敗した後の人生
    非常用持ちだし袋〜父親が働けなくなった後の自分
    みんな夢のなか〜シングルマザーの今後





    0
    2025年06月07日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    タイトルから予想していた内容と ちょっと違ったけど、どの掌編(使い方あっているかな?)も 読み終わったら じーんときた。コロナ禍という 共通経験があるんだね、私たち。だから 余計に それもありだし そうくるか!も。芙実ちゃんその後、ムーちゃんとケン坊はずっと友だちでいられるかなぁ、ずっとのおうちは案外近所にあるんじゃないか?とか 大丈夫立夏はちゃんと自分で立てるよー!みたいに つい声がでちゃう。読み終わると ほんのり希望が見える。そこが朝倉かすみさんの 好きなところです。

    0
    2025年05月25日
  • にぎやかな落日

    Posted by ブクログ

    北海道で夫が特養に入っていて一人暮らしをする80代のおもちさんの日々。日常が淡々と綴られているといえばいえるんだけど、おもちさんの日常としてみるとそれはそれでいろいろな悲喜こもごもがあるんだな。
    おもちさんは近所に息子の妻がいてよく相手をしてくれるし、東京に住む娘も時折帰ってくるし毎日2回電話をし合う仲。友達も多いし、書きものをしたり自分の好みも存分に出しながら暮らしている。糖尿病を抱えているし時々記憶がふわってなるけどいまのところ大丈夫。
    最初は『おらおらでひとりいぐも』を彷彿とさせる気がして、6本の連作短編のうち2編目くらいまではおもちさんの頭のなかと現実が行ったり来たりしているのかなと思っていたけど、そうでもないようで前述のとおり淡々と毎日が描かれる。とはいえ、最後のほうにはおもちさんは自宅を離れ高齢者向けマンションで暮らすようになるんだよね。でもそれだって不承不承の転居ではなく気に入ってお引っ越ししてるし。老いというと憂いとか悲しさとか滑稽さ基調で描かれることが多いけど、こんな幸せな小説があるのはよい。

    0
    2025年05月19日
  • 棺桶も花もいらない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よむよむかたるに比べて、主人公の年齢は様々になった。老若男女問わず、その生き様が淡々と紡がれている。
    誰にも迷惑をかけず消えていくのか、
    第二の人生を見つけるのか、
    同級生と違う道を歩むことを決めたのか。
    すごく淡々と、でもそれぞれの生き方が、
    はたまた終わり方が濃く描かれていた。
    中でも気になるのは芙美である。
    自分のことを理解し、その上で弟のために、家族のために行動していた芙美。3年後どうなったのかがとても気になった。敷島とも、また会える日が来ていたらいいなとも思う。

    0
    2025年06月17日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

     言われると、あっ! その感情、心の隅にある〜
    言われて再確認する。

     そんな文章があちこちに!!

     最後は感動です❢

    0
    2025年04月07日
  • 好かれようとしない

    Posted by ブクログ

    すごいドロドロの話でした。内気な女子は共感するのかもしれませんが、50代男の自分としては全然よくわかんない世界でした。こんな風に考える人もいるんだなぁということで学び。

    0
    2025年01月03日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

    同窓会を開きたくなる本です。
    私は幹事で毎回大変ですが、また何年後かには開いて、本書を思い出すことでしょう。

    0
    2024年11月15日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

    <目次>
    略

    <内容>
    40歳の小学校の同窓会。その2次会の会場となったすすき野のスナックに集まった5人の同窓生。小学校時代、ちょっと変だった「田村」。でもいじめられるわけでもなく、孤高の存在だった。その「田村」が2次会にやってくる…。待っている間に5人のエピソードが語られる。狂言回しはスナックの主。しかし「田村」はすぐそこで交通事故に遭って意識不明⁈最終話で怪我から回復した「田村」が現れて…。

    0
    2024年07月20日
  • にぎやかな落日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おもちさんは84歳になった。
    夫は急に弱って特養に入り、一人暮らしになった。
    近くに住む息子のお嫁さんはよくできた人で、色々とおもちさんの面倒を見てくれる。
    東京に住む娘も気に掛けてくれていて、朝に晩に電話してくれる。
    時には訪ねてきてくれる。
    近所には同年齢の友人もいるし、幸せな老後には違いないがやっぱり寂しい。
    糖尿病を患うようになって、好きなものを食べられなくなった。隠れて食べてもバレる。
    心配した娘の計らいで、高齢者マンションに暮らすようになって食事の面倒から解放された。
    恵まれた老後だと思うが、ただそれだけだ。

    0
    2024年03月14日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

    同じ場所にいる人たちの
    心の中、頭の中を覗くような物語。

    ▶︎読んでほしい人
    同窓会へ行くかどうか迷ってる人

    ▶︎きっかけ
    一万円選書にリストアップされていたから。

    0
    2024年03月02日
  • にぎやかな落日

    Posted by ブクログ

    老い、病気、介護、心配事が尽きない日々。ちょっとしたことで浮き沈みしたり、モヤモヤしたり晴れたりするおもちさんの頭の中の表現の仕方が多様で、そうか、ご高齢の方に喋りかけるときは気をつけないとな、なんて思わされた。
    北海道出身の作家さんたちの作品は多く読んできたのだけれど全面的に北海道弁?で書かれたものは初めて読んだかも。時に煩わしいけど新鮮。函館の親戚のおばさんもちょっとこんな喋り方だったな。

    0
    2024年01月31日
  • 田村はまだか

    Posted by ブクログ

    一時話題になった本なので手に取ってみた。
    もう40歳になって、小学校のクラス会が行われた。
    5人の男女が三次会に流れたが、そこに来るはずの田村が来ない。
    田村とほかの5人の思い出や現在が行き交い、そして怒涛の感動が待ち受けるはずの最終章へ。

    読みやすかったし、面白くない訳ではなかったが、私には怒涛の感動とはならなかった。

    0
    2023年12月26日
  • 泥酔懺悔

    Posted by ブクログ

    藤野かおりさんの章が好きだった。三浦しおんさんの章は何かほっこりした。
    大道珠貴という作家は知らなかったが、とても気持ち悪い文章を書く人だなと思った。

    0
    2023年07月29日
  • 泥酔懺悔

    Posted by ブクログ

    女性作家やエッセイストが綴る、お酒にまつわるアンソロジーエッセイ。

    泥酔懺悔、という名に恥じず、お酒での失敗を赤裸々に語る人もいれば、全く逆で下戸だという人や別にそこまでお酒が好きではないという人まで様々。
    お酒との付き合い方にもそれぞれスタイルがあり面白いです。

    個人的におもしろいなと思ったのは、西加奈子さんの書く『名女優』の中の一説。「酔い方は、初めて泥酔したときに決まる」という話。
    私は割とお酒に強いので泥酔したことはないのですが、小さい頃にウイスキーボンボンやちょっとお高めなラムレーズンアイスを少しだけもらって食べた時の、気分が高揚して楽しくなって、贅沢なあの感じを今も覚えていますし、実際今でもお酒を飲むとふわっと楽しくなる方です。
    もしかしたら本当にこの説、あり得るのかも??

    0
    2023年06月05日