朝倉かすみのレビュー一覧
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文庫版の表紙はビミョウ。 『田村はまだか』の浅倉かすみさんによる短編集。30代半ば~40代前半くらいの女性たちをめぐるお話。意外なことにセックスがらみがテーマになっていて、タイトルの「玩具」というのは、「玩具にされる」ということにつながっているそうで。とはいえ、エロい感じはあまりせず、山田詠美の『学問』における性のような、そういう原始的な感じでした。高校の同級生だった4人が35歳のときと43歳になったときに集まるお話が2篇入っており、それがこの短編集をまとめる風になっています。その4人が、性を本能として理解している風の女性(独身)と、そんな風には受け入れられず頭でっかちで奥手ながらいったん理解
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Posted by ブクログ
ネタバレ連作短編集。「ともしびマーケット」というスーパーと、それに関連した人たちのお話。
全9章で各章いろんな人物が主役として登場。14歳の中学生から70のじいさんまでバリエーションに富んでいますが、それが各章の好感度の差につながってしまった気がします。
14歳女子中学生の、中二病ど真ん中の妄想を拡大させながら、悶え苦しみつつ(?)告白するエピソードはとても面白かったですが、うらぶれた中年男女のエピソードはあまり引き込まれず…
あと、連作の軸となる「ともしびマーケット」があんまり機能していないような… スーパー外でのエピソードが多すぎて存在感が希薄なのに加え、各章の人物たちがさほど密接に絡んでい -
Posted by ブクログ
ネタバレ5つの短編が収められた作品。著者のデビュー作のほか、表題の『肝、焼ける』の2つが文学賞を取っていたようです。
巻末解説の豊崎女史は全作品を絶賛してましたが、個人的には『肝、焼ける』と最後に置かれた『一入』以外は、それほど面白いとは思えず。まぁ、すべての作品において主人公が妙齢の(時に妙齢以上の)独身女性なので、共感して読めということに無理があることを考えると、仕方ないか。
主人公とされている女性と同じような立場の方が読んだら、どんな印象を持つんだろう、というところが、ちょっと気になりました。共感なのか、同族嫌悪なのか、憐憫なのか。
それによって、この著者の作品が今後も読まれ続けるかどうかが