朝倉かすみのレビュー一覧
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この、同窓会後のBAR。あるあるやな。
で、遅れてくる誰かを待ってるって、私の中の同窓会ながれにもそんなシチュエーションあったような。雪も降り始めた時期だったなあとか。誰かが「夜空ノムコウ」歌ってたなあとか。その誰かから思い出が広がるんだな~とか(笑)
まあ、このお話ほど凄い話はないけど。
田村に昔の同窓生を重ねて読みました。
私の中の田村くんとは違うけど(笑)
愛されてるな田村。いや、話のネタがきれると「田村はまだか?」になるのか。。。
田村は深い。「どうせ死ぬから生きてるんじゃないか」
「どうせ小便になるから、水飲まないか?」の下りのセリフガ深い。
田村ずっと元気でいろよ。
また同窓会で合おう
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世評の高い作品ですが、どうも合いませんでした。
小樽の喫茶店で月に一回開かれる読書会。メンバーの平均年齢が85歳の超高齢読書サークル。そこに加わったのが伯母の跡を継いで喫茶店の雇われ店長になった主人公の若者やっくん。新人賞を得たものの次作が出せない小説家であるやっくんは、なかなか達者な老人たちに振り回されつつ・・・。
朝倉さん、初読みだと思い込んでいたのですが、『田村はまだか』の作家さんでした。16年も前の感想には「なんだか不思議な魅力のある作品」とか「ちょっと独特の文体」と言った言葉が見えます。
この作品も同じ感じです。ストーリー自身はなかなか魅力的(老人たちの生態も面白いし、途中参加するマシンガントークの釈明が特徴の主人公と同世代の女性のキャラも可愛い)な気がもするのですが、なぜか歯車が合わない。普通は読み進めるうちにどこかで「噛み合った」と感じて一気に進む事が多いのですが、この作品はまた歯車が外れる。それでも終盤は良くはなったのですが、どうも「ちょっと独特の文体」に振り回された気がします。 -
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後期高齢者による小樽の読書会に、小説を書けなくなった作家が参加し、支援したりされたりするお話。
北海道弁の響きが面白い。会話はフランクで軽妙で、その分、深く考えずに口に出しているような印象を受ける。
そして、登場する後期高齢者たちは実際に、思ったことをすぐに口に出してしまう。
おまけに、皆わがままで辛抱が出来ない。
要は老人なのだが、しぐさや表情の描写、そして、シルバニアやマンマ、蝶ネクタイなどキャラ付けが上手く、愛らしくさえ感じてしまう。
老人たちの描き方が秀逸でした。
一方で、もう一つの柱である、本が書けなくなった小説家の話は、少しおざなりな印象を受けましたので星3つとさせていただきます。 -
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ネタバレ一言で言うなれば、「人生」
個人的には、田村のひと言が良かった。
「どうせ死ぬから、今生きてるんじゃないのか」
結末や先のことを考え、今を無意味に感じるのではなく、
今、この時に全力を尽くすのが人生だなと感じた。
最初の登場人物がいいちこの人、腕白な人とかなのに、
読み終える頃にはそれぞれ名前がつく。
その人の人生を知ることで、
ただの他人から一人の登場人物に変わる感覚。
ただの三次会の一場面が、
よりリアルなものへと変わる感覚。
素敵な小説体験だと思う。
ただ、物語の起伏が少なかったり、
場面転換が急だったりと読みにくさはあるので、☆3。
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先日のお茶会で、「雨の日の心理学」と共におススメいただいたのがこちらの小説。
ここ数年、心のホームグラウンドのように通う読書会のお話を契機に、「そう言えば読書会の素敵な小説がありますよ」と教えてもらったのが、
朝倉かすみさん著「よむよむかたる」。
朝倉かすみさんは、昔、タイトルに惹かれて読んだ「田村はまだか」以来の2作目。本当にずいぶんと昔に読んだきりなので、ちゃんと覚えていないんだが、思ってた感じと違った!という印象の残る作家さんだった。
さて、今回の物語。
小樽にある喫茶シトロン。
再婚で小樽を離れるここのオーナーである叔母から、雇われ店長としてお店を任され、主人公の安田は埼玉から昔住んでいた小樽へと移住する。
叔母から任されたのは、喫茶シトロンだけでなく、ここで毎月第1金曜に開かれる「坂の途中で本を読む会」と名付けられた平均年齢85歳という超高齢メンバーが集う読書会もだ。
お年寄りメンバーに対する安田目線のモノローグと、少しお芝居じみた登場人物たちの会話劇が物語を運ぶ。
(この会話劇で進む感じは田村はまだかを思い出させた)
超高齢者メンバーの読書会が物語のキモになるという、ちょっと浮世離れした設定なのかなと思いきや、ふわふわっと柔らかいだけでなく、
妙に地に足がついた印象と、
ギリギリの俗っぽさもある。
フィクションじみたドラマティックさの一方で、どことなくリアリティも感じさせる絶妙な塩梅。
群像劇をスッキリ綺麗に見せるというより、カオスはカオスのまま、
俗世のネガティブな雰囲気を取り繕ったりしないでそのまま描きながらも、
読んでいくうちになんだか大団円になってしまう、ちょっと摩訶不思議な感覚がある。
ひとつの物語を、みんなで朗読し語り合うシーンを重ねながら、いろんなシチュエーションで、もしくは会話の中で、
ポロポロっと溢れる「誰かの不在」。
時に謎を呼び、心配のタネになり、驚きを生み、哀愁と涙とを誘う、物語として最後まで飽きさせない秀逸な構成だった。
今回も会話劇の側面も強く感じたせいか、読み終えて心に残るセリフも結構ある。
語ること、続けること、老いること。
誰かや何かの不在は、どうしたって必ずいつか起こる現象だからこそ、
何かを読み継ぎ、何かを語り継いでいく尊さを改めて感じた。
面白かったー。
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78歳から92歳の読書会に参加することになった、
28歳・安田のやっくん。
読書会の名まえは、坂の途中で本を読む会。
朗読から始まるのが、なんかいいなーと。
メンバーに聴かせるために練習してきて、
メンバーはそれを味わうように傾聴する。
みんなで受け止める雰囲気が生まれている感じ、ほっこりする。
課題本の「だれも知らない小さな国」は、子どもたち向けのお話だけど、
メンバーたちに語らせると、
死が差し迫ったお話になる。
人生経験豊かすぎる解釈だなーとこちらも興味深い。
朝倉かすみさん、初読みでしたがワードセンスがツボにはまる。
「リアルでピュアでトゥルーなフェイス」
「わたしの怪しさをかたちづくる一因になってる」
「『マイ』すぎないマイペース」
これがお気に入り~。 -
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後半、青砥が、あの時どうしたら良かったのか、相手がどういうふうに思っていたのか、とぐるぐると考えながら時を過ごす描写がリアルだった。
悩んでいる間に現実は着々とすすんでいる。そういうことって、よくある事だけど人は悩んでしまう。
青砥の目線から描かれているが、須藤はもっと切なかったのではないかと思う。本当は青砥の申し出を受け入れたい、生きたいと。でも叶わないことがわかっている。自分がいままでの人生であんな悪いことをした、だからこういう辛いことになった、と他人から見ればそんなわけないと思える発言も、無理やりにでもそう思わなければ「なんで私がこんな事に?」って、もう崩れてしまうような絶望感だったんだと思う。大人になって残された時間も体力も僅かになっていく寂しさも感じた。
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U-NEXT。とちゅうから、オーディブル。著者らしい、独特の文体、視点の短篇集。コロナ禍で、人生が狂ってしまった人たちの話。とにかく『令和かれすすき』が衝撃すぎて。
日雇いの派遣で働く、独り身の、まあまあのおばあさん。悲しみしかない細かい一人語りが続く。「つっとのおうち」のことを話すあの人との交流。あの人は誰なのか、なんなのか、よくわからず、しょっちゅう脱線して半生を語るおばあさんに、読むのつらいな、と、いらいらしていたら、ラストに戦慄が走った。ネタバレはやめときます。なんだかもう。こんなのって、ありかな。つらいな。
『ドトールにて』介護をしてきた母、妻をそれぞれ最近亡くした中年のおっさん二人が、ドトールで待ち合わせてくっちゃべる。『もう充分マジで』大学受験を失敗した男の人生。『非常用持ちだし袋』高校中退で肉体労働をして家族を養っていた男が、体を壊して退職。中三の娘は、読書家の弟のため、高校へ行かない選択をする。『みんな夢のなか』夫の浮気で離婚後、その子供を産んだシングルマザーが、コロナ禍で少し交流のあったママ友と、偶然再会する。
『非常用持ちだし袋』の「男を立てろ」ということを、冗談ぽくではあるが、家族に強いている父が、絶妙に嫌だった。