朝倉かすみのレビュー一覧
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ネタバレ3点台前半
・学生時代、恋心を抱き合いながら結ばれなかった青砥健奨と須藤葉子が、50歳になり偶然再会。互いに紆余曲折の人生を経て独り身、金銭的にも裕福ではないながらも、少しずつ友情の枠をはみ出して心近づいていく2人。
・そんな中で須藤は大腸癌を患い、人工肛門装着を余儀なくされるなど生活が大きく変わる。目一杯支えたいと願う青砥に対し、須藤は全てを頼ることをよしとせず、ゆっくりと手探りするような2人の闘病生活は続いていく。
・手術、抗がん剤治療を終えた最初の検診を終えた日、青砥は須藤に「一緒にならないか」と思いを伝える。しかし須藤はそれを受けず、さらにはもう会わないと伝える。青砥はなんとか1年後に -
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ネタバレけんぐゎい
著者:朝倉かすみ
発行:2026年4月30日
光文社
初出:「小説宝石」2023年1.2月合併号~2025年11月号
「けんぐゎい」とは「圏外」のこと。主人公のふゆは、幼い頃に疱瘡を患ったが何とか生きのび、顔を始めとする全身に疱瘡の跡、痘痕(あばた)を残している。父親は腕利きの左官だったが酒で早逝、母親はふゆのことを不細工呼ばわりして育てた。妹のりよは美人のため、比較する表現をいつもされていた。ただし、姉、妹は仲がよかった。時代設定は江戸後期の文政年間、ふゆは嫁に行けないことが多くの人々の前提となっている。他に少し発達障害っぽい力持ちの女性も出てくるが、顔に痘痕がある女性、発達 -
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ネタバレ『平場の月』を上梓した朝倉かすみさんの短編。
表紙絵が懐かしい…小学校の作文とかに、先生がこんなスタンプ押したりしていたなあ…
何かしらに頑張っている人を応援するような話かな…タイトルから想像したこんな内容とはちょっと違う。
7編の短編集なのだが、それぞれ登場人物は何の関連性もない。
『森のような大きな生き物』では、オリンピックに登場した前髪をカラーゴムでゆわえた小柄の女の子選手…これは誰のことか想像つくだろうが、さまざまなスポーツに登場する人気のある女子選手を応援する普通人の話。この話だけが、タイトルに合っている。
「地元裁判」…その小さな町だけのルールがあり、それを守れない家族が排除 -
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ネタバレコンプレックス、マイノリティ、出自、女の連帯などのテーマがちりばめられた作品だと思っている。
出自(いのち)で幸せが決まるのか、性質(もってうまれたもの)で幸せが決まるのか。
私は「圏外」を「マイノリティ」の表象と捉えた。
<あらすじ>
「女性の幸せは子どもを産んで育てること」という時代に生きる主人公ふゆ。
しかし幼少期の病気の後遺症で、自分は子どもを産めない人生だと自覚する。
彼女が手にする幸せとは。幸せとは何か。
<印象的なシーン>
コンプレックス(ぶつぶつ)のせいで、あれもできないこれでもできないのは気のせいだと気づいたところ。竹林の崩壊。
<印象的な設定>
最後に生まれたのが -
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びっくりした。想像してた短編集と全然違った。
全然違って、想像より面白かった。
「頑張るあなたに届けたい、勝手に応援短編集」と帯にあったので、例えば友人だったり子どもだったり、アイドルだったりを応援する人達が主役の、爽やかな物語たちなんだろうなと思っていた。
物語の幕開け『森のような、大きな生き物』でまず、「誰かを応援すること」で元気を貰えることは確かだし、自分の心の支えにもなるし、自分も頑張ろうと思える、尊い行為であると同時に、他人の人生を消費する行為であることや、垣間見える暴力性、身勝手さをも暴いている。私たちは誰かを応援するとき、往々にしてその誰かに勝手に期待をして、そこから外れた言動を -
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ネタバレ痘痕面であることをもって「おまえは圏外」「一生外側にいるしかない」「おまえはを世間並の人間にしてやれるのはわたしだけ」と呪縛を掛けられ、主人に手籠めにされ堕胎を強要されるおふゆ。それでもおふゆは胸の内に観念と堪忍の竹林を育て耐え続ける。中盤まではひたすら救いのない展開でしんどいが、後半は一転して女産医として女性を救う側となり…。
自分の中の真黒い部分である「くゎいぶつ」の心や、心の中の黒珠に住む得体のしれない(でも常にふゆを肯定してくれる)「ウニコール」は、心の闇かもしれないが、救いのない運命の中でふゆが尊厳をもって生き抜くためには不可欠のものだったと思う。
最後、ふゆはちかが遺した双子を老舗 -
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この、同窓会後のBAR。あるあるやな。
で、遅れてくる誰かを待ってるって、私の中の同窓会ながれにもそんなシチュエーションあったような。雪も降り始めた時期だったなあとか。誰かが「夜空ノムコウ」歌ってたなあとか。その誰かから思い出が広がるんだな~とか(笑)
まあ、このお話ほど凄い話はないけど。
田村に昔の同窓生を重ねて読みました。
私の中の田村くんとは違うけど(笑)
愛されてるな田村。いや、話のネタがきれると「田村はまだか?」になるのか。。。
田村は深い。「どうせ死ぬから生きてるんじゃないか」
「どうせ小便になるから、水飲まないか?」の下りのセリフガ深い。
田村ずっと元気でいろよ。
また同窓会で合 -
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世評の高い作品ですが、どうも合いませんでした。
小樽の喫茶店で月に一回開かれる読書会。メンバーの平均年齢が85歳の超高齢読書サークル。そこに加わったのが伯母の跡を継いで喫茶店の雇われ店長になった主人公の若者やっくん。新人賞を得たものの次作が出せない小説家であるやっくんは、なかなか達者な老人たちに振り回されつつ・・・。
朝倉さん、初読みだと思い込んでいたのですが、『田村はまだか』の作家さんでした。16年も前の感想には「なんだか不思議な魅力のある作品」とか「ちょっと独特の文体」と言った言葉が見えます。
この作品も同じ感じです。ストーリー自身はなかなか魅力的(老人たちの生態も面白いし、途中参加するマ -
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後期高齢者による小樽の読書会に、小説を書けなくなった作家が参加し、支援したりされたりするお話。
北海道弁の響きが面白い。会話はフランクで軽妙で、その分、深く考えずに口に出しているような印象を受ける。
そして、登場する後期高齢者たちは実際に、思ったことをすぐに口に出してしまう。
おまけに、皆わがままで辛抱が出来ない。
要は老人なのだが、しぐさや表情の描写、そして、シルバニアやマンマ、蝶ネクタイなどキャラ付けが上手く、愛らしくさえ感じてしまう。
老人たちの描き方が秀逸でした。
一方で、もう一つの柱である、本が書けなくなった小説家の話は、少しおざなりな印象を受けましたので星3つとさせていただ -
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ネタバレ一言で言うなれば、「人生」
個人的には、田村のひと言が良かった。
「どうせ死ぬから、今生きてるんじゃないのか」
結末や先のことを考え、今を無意味に感じるのではなく、
今、この時に全力を尽くすのが人生だなと感じた。
最初の登場人物がいいちこの人、腕白な人とかなのに、
読み終える頃にはそれぞれ名前がつく。
その人の人生を知ることで、
ただの他人から一人の登場人物に変わる感覚。
ただの三次会の一場面が、
よりリアルなものへと変わる感覚。
素敵な小説体験だと思う。
ただ、物語の起伏が少なかったり、
場面転換が急だったりと読みにくさはあるので、☆3。