宇野利泰のレビュー一覧
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購入済み
映画「ことの終わり」や「第三の男」の原作者による長編小説。
父親の賭けのかたとして、キャプテンと名乗る詐欺師に連れ出された少年は、ロンドンの片隅でキャプテンの帰りを待ちわびながら暮らす女性と生活を始める。
やがて成長した少年は、キャプテンを追ってパナマへ渡る。
奇妙な関係で結ばれた男女と少年の、複雑でひたむきな愛を描く前半、パナマを舞台に冷戦時代のスパイ戦が展開される後半。
グリーンの魅力が楽しめる作品。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ池上彰さんがお薦めされている、しかも珍しくフィクション(勝手な印象ですが、よくノンフィクションをとり上げられているイメージなので)というところに興味をひかれ、はじめてのスパイ小説に挑戦。
主人公は、冷戦下の東ドイツで諜報活動を行っていた初老のイギリス人スパイ・アレック。
宿敵ムントとの戦いに敗れ、全てを失い帰国するものの、復讐のために再び戦いに身を投じる……という筋書き。
要するに、すべての設定が渋めです。
もちろん私の普段のごく平凡な暮らしぶりと何ら共通する要素はないのですが、それでも引っ張られるように最後まで読みました。
とにかく、物語の緊張感がすごい。
冒頭に、「喋らないことも嘘の一