宇野利泰のレビュー一覧
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ネタバレ本を読むのはもちろん、持っているだけでもダメ、本があるのが見つかったら全て焼かれてしまう、そんな世界を描いたディストピアもの。
ジョージオーウェルの「一九八四年」も同じような世界観だが、読者の掴み方はブラッドベリの方が上では、と思うぐらい一気に引き込まれる。
今のネット社会からすると、禁書の世界はあまり共感できる世界観ではないかもしれない、本好き以外は。
本を焼く側の主人公が本の素晴らしさを知り、追われる身になり、迷う、これにドキドキさせられながら、主人公に気持ちに入り込んでいく。
感情のなかったところに感情が芽生えていく様に心動かされたからだろう。
ただ少し残念だったのは、ラストの -
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エラリー・クイーン初読!
どうやら『Yの悲劇』の方が有名らしいですね。何も知らずに『Xの悲劇』を手に取りました……
面白いッ!
すごい描写が細かい。
本当にあった話じゃないかと疑うほど。土地勘もないし、分かりにくい所もあるけれど、それに勝るレーン氏の推理、観察力‼︎
ちょうど並行して、SHARLOCKを観ていたので、「ホームズだ!ホームズだ!」とワクワクしながら読みました。
最後まで、レーン氏は種明かしをしないので読者も一緒に推理できるんですが、もう最初からダメでした。全く追いつけない……
種明かし読んで、「そこかよー」となる。
サム警部になった気分です。 -
Posted by ブクログ
なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。
ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。 -
Posted by ブクログ
引越しなどで散逸していた創元推理文庫のラブクラフト全集を、再度買い直した。2巻には、「クトゥルフの呼び声」、他2篇が採録されている。
この中で最も気に入ったのは、中編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」である。怪しげな古代魔術に魅入られて次第に変貌を遂げていく、主人公。
苦労しながらも、彼の「ゴール」に向かって前進していく過程は、ちょっと謎解きと似た面白さがある。
また、細部まで作りこまれた世界観がたまらないのと同時に、古代探求に熱中する主人公の姿に、ある種の共感を覚えてしまう。(決して、こうなりたいというわけではないが・・・あしからず)。