宇野利泰のレビュー一覧

  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    非常に面白かったです。物凄く遠くから回り込んで少しづつ近寄って行くような展開で前半は何をしているかよく見えて来ないので面白く有りませんでしたが、ページをめくる毎に物語に吸い寄せられて…敵の敵は味方みたいな話だけど、終盤、一番遠くにいる人物が一番大きな絵を描いているのが見えて来出した所なんて、無茶苦茶オモシロイです。殺伐とした暴力が横行するのではなく、敵味方と云えど利害関係こそで動いているんだなぁ〜って感心させられてしまいました。もう50年ほど前の本ですが翻訳も良くてとても読みやすかったです。

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    2014年10月03日
  • ポケットにライ麦を

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    ネタバレ

    ミス・マープルシリーズ第6弾。
    今回はマープルの家で教育した若いメイドが事件の中で殺されていたことから怒りに燃えたマープルが登場する。そのせいかいつも以上に警察に協力しているし活動的な雰囲気。
    被害者の死に方は歌に合わせたもの…というところからああいう風になるとは。
    ラストのマープルには普段からは窺えないあんなに熱い人だったんだと感じた。後の「復讐の女神」はマープル自体のことかなと勝手に推測。

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    2014年08月02日
  • 華氏451度

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    ネタバレ

    本を読むのはもちろん、持っているだけでもダメ、本があるのが見つかったら全て焼かれてしまう、そんな世界を描いたディストピアもの。

    ジョージオーウェルの「一九八四年」も同じような世界観だが、読者の掴み方はブラッドベリの方が上では、と思うぐらい一気に引き込まれる。

    今のネット社会からすると、禁書の世界はあまり共感できる世界観ではないかもしれない、本好き以外は。

    本を焼く側の主人公が本の素晴らしさを知り、追われる身になり、迷う、これにドキドキさせられながら、主人公に気持ちに入り込んでいく。

    感情のなかったところに感情が芽生えていく様に心動かされたからだろう。

    ただ少し残念だったのは、ラストの

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    2014年07月21日
  • Xの悲劇

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    エラリー・クイーン初読!
    どうやら『Yの悲劇』の方が有名らしいですね。何も知らずに『Xの悲劇』を手に取りました……
    面白いッ!
    すごい描写が細かい。
    本当にあった話じゃないかと疑うほど。土地勘もないし、分かりにくい所もあるけれど、それに勝るレーン氏の推理、観察力‼︎
    ちょうど並行して、SHARLOCKを観ていたので、「ホームズだ!ホームズだ!」とワクワクしながら読みました。
    最後まで、レーン氏は種明かしをしないので読者も一緒に推理できるんですが、もう最初からダメでした。全く追いつけない……
    種明かし読んで、「そこかよー」となる。
    サム警部になった気分です。

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    2014年03月25日
  • ポケットにライ麦を

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    クリスティの真骨頂ですね。
    彼女の犯人の動機はお金か愛情のため、の大体二択なんですが(まぁ一番多い動機だとは思いますが)犯人を判らせずにあっと驚かせる。
    被害者がとてもかわいそうですが、犯罪の餌食になってしまった人は残らず可哀そうですね。

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    2012年12月28日
  • ポケットにライ麦を

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    舞台が村ではないので、他のマープル作品のような牧歌的な雰囲気はなかった。それに被害者がミスマープルの知り合いということで、マープルも謎解きを楽しんでいるような明るさがなく、マープル物としては暗くシリアスな雰囲気。私はほのぼのした話の方が好きだけど、この作品のファンが多いのは納得。ラストは思い出すたび胸が詰まる。最初に読んだ時は、マザーグースは必要だったのか?と思ったけど、もう一度読み返してみると犯人の狡猾さを改めて感じた。

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    2012年10月31日
  • 犯罪カレンダー(7月~12月)

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    短編集☆ミステリー歳時記(´¬`)エラリー・クイーンとニッキィ・ポーター名コンビだょね。お父さんもいいキャラしてるし(笑)

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    2012年09月22日
  • ギリシャ棺の秘密

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    かなり凝った設定で、読み応えがあった。
    犯人は、やっぱりかーという感じだったが、そこに至るまでの二転三転が面白かった。エラリーが悩み、読者も同じ泥沼に嵌まるという。裏を掻いて裏を掻いて元に戻れなくなる、という。。。

    エラリー最初の事件、というのが一番の味噌かもしれない。エピソード1、というか、レジェンドオブ、というか。ある程度続いてきたシリーズの途中でこれを挟むというのも、ドラマ的だと思う。

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    2012年09月19日
  • 犯罪カレンダー(1月~6月)

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    短編もの☆1月から6月まで月ごとのイベントに合わせて事件を解決していく作り(^O^)/
    短編だからさくさく読めて持ち歩くのにちょうどいいかな。
    ニッキィって赤毛なんだねぇ。

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    2012年09月09日
  • ポケットにライ麦を

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    なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
    一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
    ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。

    ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。

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    2012年08月29日
  • ラヴクラフト全集2

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    引越しなどで散逸していた創元推理文庫のラブクラフト全集を、再度買い直した。2巻には、「クトゥルフの呼び声」、他2篇が採録されている。
    この中で最も気に入ったのは、中編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」である。怪しげな古代魔術に魅入られて次第に変貌を遂げていく、主人公。
    苦労しながらも、彼の「ゴール」に向かって前進していく過程は、ちょっと謎解きと似た面白さがある。
    また、細部まで作りこまれた世界観がたまらないのと同時に、古代探求に熱中する主人公の姿に、ある種の共感を覚えてしまう。(決して、こうなりたいというわけではないが・・・あしからず)。

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    2012年08月11日
  • ポケットにライ麦を

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    ネタバレ

    いちいから作られた毒薬タキシン。これがタキサンであり、ここからタキソールやタキソテールの抗がん剤が出来て自分が使うことになるとは、昔最初に読んだ時は思いもしなかった

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    2012年04月29日
  • ラヴクラフト全集2

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    『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』が素晴らしい。
    ラヴクラフトには珍しいらしい長編だけど、
    長さに見合った壮大なストーリー。
    やっぱりラヴクラフトは必読だな。

    ところでこれは映画化されているらしいけれど、
    微妙なところだ。
    B級でもいいけど「ポー」を騙るのはちょっと...。
    ポーもラヴクラフトもどちらも可哀相だ。

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    2012年04月21日
  • 思考機械の事件簿1

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    東野圭吾のガリレオが好きな人は一読の価値有り。1905年ジャック・フットレル著『思考機械』が酷似しています。哲学博士&法学博士&王立学会会員&医学博士&歯科博士・・・のヴァン・ドゥーゼン博士の頭部は大きく異様という下りは異なるけど。

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    2012年04月03日
  • Yの悲劇

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    異常な性癖の持ち主揃いとして有名なハッター家。その主人ヨーク・ハッタ―の自殺を発端に、少年の毒入り卵酒の誤飲騒ぎ、楽器を使った撲殺と不可解な事件が続き、ドルリー・レーン氏の出番となる。
    ***
    あまりにも有名な古典ミステリの傑作たる所以を思い知る一方で、評価されすぎでは?とも思った。
    真相を掴んだように見えながらなかなか推理を披露しないレーン氏、警部や検事を含め情緒豊かな登場人物に疲れたり、イライラしながら読み進めたのに、真相解明を引き延ばした理由が腑に落ちず。。
    当時、この点はすんなり受け入れられたんだろうか。

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    2012年03月12日
  • ラヴクラフト全集2

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    短篇「エーリッヒ・ツァンの音楽」が好き。
    恐怖はサッと姿を現し、またスッと闇に消えていくのであります。

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    2011年12月14日
  • Xの悲劇

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    バーナビー・ロスによる、ドルリイ・レーン四部作の一作目。って言うまでも無く有名な作品。エラリイ・クイーンとバーナビー・ロスはどちらも覆面作家として売り出していたので、両者による覆面会談なんて事をやったらしい。ご存知の通り中の人は同一(フレデリック・ダネイとマンフレッド・リー)なので、要するに自演乙。このレビュー、全然内容に触れてないや。まあいいよね。

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    2011年11月03日
  • Yの悲劇

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    ネタバレ

    金持ちきちがいハッター家で起きる毒物を使った聾唖盲者殺人未遂や楽器マンドリンで撲殺された鬼婆。NYの港で溺死自殺したと思われるヨーク・ハッター(Y)が案出した探偵小説の殺人プロットどおりに犯行を行うのは意外な人。犯人の動機がいまいち説得力不足だけど、面白かった。

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    2011年10月13日
  • Xの悲劇

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    ネタバレ

    外国物は人物名を覚えられなくて敬遠してたけど、さすが巨匠の作品だけあって面白かった。ドルリイ・レーンがサム警視に変装して調査をするところはちょっと現実離れしていたけど、論理的な推理はまさに奇跡。

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    2011年10月09日
  • Yの悲劇

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    一家通して個々に特異な特徴を持つハッター家で起こる奇怪な殺人事件及び殺人未遂事件。
    主人公は聾者の元俳優、ドルリー・レーン。前作「Xの悲劇」で鮮やかな推理を披露した彼が直面する底知れぬ悪意。相対した彼の苦悩と決断の様は事件の様相とはまた別の面白さをはらんでいる。

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    2011年09月09日