宇野利泰のレビュー一覧

  • アデスタを吹く冷たい風
    思いがけず面白い。短編ミステリでここまで楽しいとは。
    独裁政権下の軍人テナント少佐シリーズは手に汗握るし、陪審裁判の話は冷や汗モノ。
  • ラヴクラフト全集1
    中学生時代からラヴクラフトは愛読書でして、
    元となった「ラヴクラフト傑作集1」は
    ボロボロになるまで読み込んでいました。
    で、念願の全9巻の全集となり、この本も再読の再読。
    ・インスマウスの影・・・安上がりの旅行のはずが、
    ヘンに興味を持っちゃったために、とんでもない事件に
    巻き込まれてしまう。名状...続きを読む
  • ラヴクラフト全集1
    ラブクラフトという名を知ったのはオカルト映画だったか、菊地秀行の小説だったか??高校生ぐらいまで、クトゥルー神話というのもギリシャ神話や古事記と同じ類だと思っていたような気もする…(^^;)
    ホームズやブラウン神父といったミステリの王道を再読してたので、ホラーの常識も今一度。
  • 寒い国から帰ってきたスパイ
    池上彰さんがお薦めされている、しかも珍しくフィクション(勝手な印象ですが、よくノンフィクションをとり上げられているイメージなので)というところに興味をひかれ、はじめてのスパイ小説に挑戦。

    主人公は、冷戦下の東ドイツで諜報活動を行っていた初老のイギリス人スパイ・アレック。
    宿敵ムントとの戦いに敗れ、...続きを読む
  • ラヴクラフト全集7
    ギリシャとかが舞台の話はとっつきづらかった
    近代の話のやつは面白い
    「あの男」は雰囲気が良かった
    「忌み嫌われる家」で硫酸ぶちこんで始末するのがウケた。
    伯父さんが取り込まれるあたりは怖かった。
    初期作品は拙いと解説されているが、個人的にはむしろ読みやすくてよかった
  • 寒い国から帰ってきたスパイ
    スパイ小説の古典、面白かった!!

    アクション劇はほぼ皆無で、

    尋問描写と
    三人称で人物の所作とインサイトの描写を中心に
    進行していくので、淡々とした進行に映るのだが、

    寒い国へステージを移して以降の、
    たたみ掛け方が凄まじく、
    攻守の激しい移ろい、綯い交ぜとなる真実に辿る複数の筋、
    が 「こ...続きを読む
  • ラヴクラフト全集5
    どんなのだろう、と手にとったけどこんなの映画でいろいろみてきたなあ、という感覚にとらわれました。それだけ数々の作品に影響を与えているんですね。映像がありありと目に浮かんできます。不思議な世界に浸れました。
  • ラヴクラフト全集1
    4篇の短編集。著者が生み出した「クトゥルフ神話」とはどんなものかと思い、ホラーは苦手ですが手に取りました。

    忌み嫌われた街――“インスマウス”に好奇心で赴いた青年に舞い込んだ底知れぬ恐怖を描いた1作目の短編『インスマウスの影』。
    得体のしれない何かから、じわりじわりと追い詰められていく恐怖と不気味...続きを読む
  • ラヴクラフト全集2
    ・クトゥルフの呼び声
     これに出てくるクトゥルフという単語から、クトゥルフ神話と呼ばれるようになったらしい。地球規模で複数の人間に似たような恐怖の夢を見させることができる存在。それが海底のル・リエーの家で眠っていると。なかなか壮大なスケールの恐怖感がよい。

    ・エーリッヒ・ツァンの音楽
     呪いの旋律...続きを読む
  • Yの悲劇
    有名過ぎて一回くらいは読んでいただろうと思い込んでいました。

    未読。びっくりするぐらい初見。

    読み始めが偶然にも2月2日だったので、プロローグでやたらとテンションがあがりました。

    名探偵が敗北宣言をするという、古典定型からすると衝撃があります。

    13歳のいいところのお坊ちゃんが4歳の弟と一緒...続きを読む
  • ポケットにライ麦を
    アガサ・クリスティーがすごいのは、読者の犯人探しの視点を完璧に捉えていることだと思う。

    この事件の中心は複雑な家族関係を抱えた豪邸水松荘。けれど冒頭は被害者の職場にあるタイピング室から始まる。結論から言うとタイピング室は事件に無関係で、冒頭以降の物語はすべて水松荘で展開される。
    だけど、だからこそ...続きを読む
  • 寒い国から帰ってきたスパイ
    最後の最後で真実が明らかに。こんな世界が、実際に存在したのか、現在もあるのか…。人が信用できなくなりそう。
  • 寒い国から帰ってきたスパイ
    ティンカー、テイラー…を読んだ時、人物を覚えて追うのに必死だったけど、これは登場人物も少ないし心理描写が多いから読みやすかった。
    派手なシーンはないんだけども、これからどうなっちゃうの?というドキドキ、ハラハラするストーリーです。ただ、勧善懲悪・最強の主人公!みたいな爽快感はないかな…。
  • ポケットにライ麦を
    ミス・マープルシリーズの長編第6作目。
    「ライ麦」は本編にもタイトル通り登場するが、もう少しトリックに絡んだ方が良かったかな。
  • 華氏451度
    米国のSF・幻想文学作家のレイ・ブラッドベリによる1953年発表の作品。
    ジョージ・オーウェルの『1984年』などと並び、代表的なディストピア小説のひとつと言われる。ディストピア小説とは、SFなどで空想的な未来として、理想郷(=ユートピア)の正反対の社会(=ディストピア)を描いた小説で、その内容は政...続きを読む
  • ポケットにライ麦を
    ミス・マープルが面倒を見ていたメイドが殺された事で、ミス・マープルが乗り出すので、半分弱読み進めないとミス・マープルが登場しません。
    意外な犯人。見事にミスリードされました。
    最後にミス・マープルの思いやりと情の深さを感じてしんみりします。
  • 華氏451度
    ベンジャミンフランクリンの名前が出てきたから、某国で本当にあった話かと思って、いろんな歴史資料調べてしまった。そもそも「焚書」って言葉が存在すること自体なまなましい。。
  • 華氏451度
    華氏451度とは摂氏233度で紙が燃え始める温度。
    この物語の主役は昇火士(ファイアマン)ガイ・モンターグ。彼の仕事は政府が禁止した書物を発見し次第焼きつくすこと。しかし、彼は風変わりな少女との出会いや、本とともに自爆してしまう老女を目撃することで、禁止された本の中には何があるのか興味を持ち始め、こ...続きを読む
  • 華氏451度
    焚書官ガイ・モンターグは密告をうけて本を焼くことを仕事としていた。ある日、隣に住むクラリスという少女と話をする。そこで問いかけられる。「あんた、幸福なの?」と。それ以降、身の回りの出来事に違和感を感じ始める。テレビに夢中になる妻、本のために自殺する老女、現状を肯定し知性を批判する上司、そして戦争に向...続きを読む
  • ポケットにライ麦を
    色褪せない作品だな、と思う。

    ミスマープルが自分の育てたメイドが殺されたと知って事件解決に乗り出す。
    出てくる刑事さんが優秀で、事件を整理しつつ進めてくれるから読むのも楽。ミスリードに導くのも彼だけどね。


    事件の最後に殺されたメイドから手紙が届いていて、マープルでなくても涙がでるよな、って思う...続きを読む