宇野利泰のレビュー一覧

  • ラヴクラフト全集2

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    再読。
    個人的には全集で一番好き。SFホラーなんだけど、気付いたら異世界にいて、現世に戻るために四苦八苦する「ラヴクラフト版きさらぎ駅」みたいな話が入っています。

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    2025年11月27日
  • スミルノ博士の日記

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    ネタバレ

    ネタバレなしで読んだ方がいいです‼️‼️‼️

    本当に本当に本当に面白かった。私は事前情報無しに読んだけど、それが幸運だと気づいた。有名な本は何で有名かも入ってきちゃうからね。無知でよかった。そのくらい、読んでる間楽しめた。だから、ちょっとでもネタバレになりそうなのでネタバレ感想に設定しておく。
    あと、あとがきとか解説も面白かった。無知ゆえに江戸川乱歩の名前出てきて「!!」となったし、影響を与えた本だとは、、、勉強にもなりました。
    有名なトリックの有名な本だとは、、、感嘆するくらい見事なものでした。

    以下ちゃんとしたネタバレ↓↓↓









    本の中で、ただ叙述トリックを使うだけでなく

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    2025年11月21日
  • ピーター卿の事件簿

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    十五代デンヴァー公爵の次男坊であるピーター・ウィムジイは、ワインとコーヒーそして一流の謎が好きな貴族探偵。そんなウィムジイの魅力がたっぷり詰まった短編集。7篇収録。

    「盗まれた胃袋」が一番好き!

    ウィムジイがいいキャラなんだよねー。飄々としていて雰囲気イケメン(容姿は普通)カッコつけすぎず、でもスマートで、ザ・英国紳士。夫婦喧嘩したら黙って皿洗い始めちゃうあたりでもうダメ、めちゃくちゃ好き。
    周りも良キャラ揃いで読んでいて楽しい。
    謎自体はバカミス味もあるし、本格派には

    ウケなさそうな気はするけど(クリスティの方が日本で売れているのがおそらくそれ)バカミス&キャラ小説好きな私にはたまらん

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    2025年10月19日
  • 思考機械の事件簿1

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    ネタバレ

    ホームズのライバルとして描かれたアメリカ発のミステリ。とても読みやすい短編集で、思考機械と呼ばれる男と新聞記者がバディとなって難事件を解決していく。ホームズにおけるバディのワトソンは聞き役に徹しているイメージだが、こちらのハッチンソンくんは教授の指示通りに動き、時には教授以上の働きを見せるときもある。ていうかめちゃくちゃなオーダーすらこなしていくので、割とハッチンソンの役割が大きい。そこがホームズたちとは違うかもしれない。古きミステリながらとても読みやすく面白かった。ただただタイタニック号の事故によって亡くなってしまったのが残念でならない。

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    2025年10月08日
  • 愛蔵版 英雄コナン全集2 征服篇

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    ネタバレ

    一巻を読んでからずいぶんと時間が経ってしまった。
    心持ちとしては、カルピスは好きでも原液ではよう飲めん。味噌汁は好きでも味噌のままではそうそう食えん。そんな感じ。続けて読んだら胸焼けする。

    すべてがここにある。そう思えるほどに濃い。
    若き日に愛した菊地秀行や栗本薫の、原点の一つであろうことは間違いあるまい。この二人の作家の文体に同一の祖型を感じることがある。それはハワード、正確にはその翻訳で間違いないと思える。


    『鋼鉄の悪魔』
    廃墟から復活した城邑は、ドラゴンランスの暗黒の女王の神殿を思い出させる。べレムが復活させちゃったやつ。
    この城邑は暗緑色だという。このイメージはWoWのフェル色を

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    2025年10月05日
  • 華氏451度

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    この本を知ったきっかけはヨルシカの451から。
    動機はタイトルがかっこよくて印象深かったのと、単純に興味だったが読んでいて主人公のモンターグに感情移入してしまった。
    物語がどこに向かっていくのかの展開が読めずとても面白かった。
    何より現代社会を見透かされているかのような発言は的を得ていてすごいと感じた。
    死ぬまでに何か残したいなと思った。

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    2025年08月22日
  • 寒い国から帰ってきたスパイ

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    ネタバレ

    英国情報部員である主人公リーマス。仲間の死、同僚への欺き、恋愛、敵へのすり寄り、尋問、裁判、裏切り、逃亡とドラマのような展開がリアルに語られる。そして迎えるラスト、最後の章『26 寒い国から帰る』は4ページしかないのに、スパイという職業の厳しさを味わうには十分すぎる長さ。一つの選択、一つの失敗が即命取りつながる厳しく孤独な世界では生き残ってきたスキルの分だけ、小さな幸せからは遠ざかってしまう哀しさ。読み終わり感想を書いていると、この結末しかなかったかと思える。悲しいけど。

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    2025年06月12日
  • Xの悲劇

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    古典中の古典だけど、よく考えてみたら子供の頃読んだきりだったのであらためて。

    古い作品は今だと色々アウトな表現がいっぱいあってそこでも時代を感じる。昔読んだ時は気にならなかったのにね。

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    2025年06月10日
  • Yの悲劇

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    さずがは不朽の名作。全てが緻密で、これぞミステリ小説。名作には、名作といわれる理由がしっかりありました。

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    2025年05月08日
  • スミルノ博士の日記

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    日記をもとに事件を見ていく。
    最初からどこか違和感を持ちつつもどんどん晴れていく感覚があり、最後明かされたときにはスカッとした。
    途中から勘づいてしまうくらいにはありきたりな構成なのかもしれないがやはり最後には心がスッキリするため、ミステリーはやめられない。

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    2025年04月10日
  • スミルノ博士の日記

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    ネタバレ

    主人公が悪役として見るとすごく良かった。偏屈で他人を下に見る言葉はすらすらと、そして頭が良い。職業医者。金のために婚約をするものの、既婚女性に横恋慕しその恋心は伝えて、あわよくば、を狙っている。とても変態な性格だと思っえいたら、最後に主人公は強迫的で変態な人物と探偵が語っていて、そうそうそう!と納得した。いままで頭のおかしい主人公の一人称だったから、一般的な思考の側に立つ人間のオチの語りがしっくりときた。面白い。

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    2024年10月04日
  • ポケットにライ麦を

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    ネタバレ

    クリスティ作品に女たらしのイケメンが出てきたら犯人じゃないか?と疑う癖が付きつつあるが、正に犯人だった。パットのことは本気で好きになったんだろうなと思うと同時に、グラディスへの血も涙もない所業を思い出してやるせない。最後のマープルへの手紙のシーンが好き。ただの被害者で終わらなくて良かったと思う。

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    2024年02月03日
  • ポケットにライ麦を

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    ネタバレ

     クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。マープルが積極的に事件に乗り出す作品は珍しいが、今作では彼女が以前育てたメイドが鼻を洗濯バサミでつままれて殺害されるという事に義憤を持ち、事件が起きたフォレスキュー一族の住む屋敷に乗り込んでいく。初めに殺害された人物のポケットにはライ麦が入れられており、第二、第三の殺人と立て続けに事件が起きるが第三の事件までの異様性により、全く脈絡のない様な事件に見え、警察も手を焼いている所、マープルがマザーグースの見たてでである事を見抜き、捜査が進展していく。
     マープルは安楽椅子探偵のイメージなのだが、今回は自身の知り合いの若いお手伝いへの余りにも惨い殺人の

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    2023年08月23日
  • 愛蔵版 英雄コナン全集3 降魔篇

    ネタバレ 購入済み

    頑張れバルトゥスくん

    大抵のエピソードは美女と一緒に魔法使いや魔物を相手にてんやわんやするパターンですが、『黒河を越えて』はコナンとバルトゥスの男同士のコンビという珍しいパターン。
    バルトゥスの視点を通して、コナンの超人ぶりが改めて実感出来ると共に、そんなコナンに必死でついていくバルトゥスを応援したくなります

    #カッコいい #アツい #ドキドキハラハラ

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    2023年07月27日
  • 愛蔵版 英雄コナン全集2 征服篇

    ネタバレ 購入済み

    コナンの初登場作品を収録

    『闇の種族』は輪廻転生をテーマにした作品であると共に、コナンが初めて登場した作品でもあります

    怪物に追い詰められた時のコナンと恋敵との会話には、同じ女を愛した者同士の男の友情が感じられてとても印象深いです

    #カッコいい #アツい #ドキドキハラハラ

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    2023年07月27日
  • ポケットにライ麦を

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    155ページで主役のミス・マープルが登場したところで事件はほぼ解決です。新聞の報道から犯人がマザーグースの詩を引用していることを見抜くところがこの小説の一番おもしろい箇所であると思います。

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    2023年02月26日
  • 思考機械の事件簿1

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    ネタバレ

    「海神の晩餐」に出てきたので。

    シャーロック・ホームズのライヴァルの一人とされる、
    「思考機械」ことヴァン・ドゥーセン教授のミステリーで面白かった。
    シャーロックよりさらに頭脳派というか非肉体派で、
    小柄で瘦せていて蒼白い顔という外観はちょっと典型的だが、
    常に切手を持ち歩いているとか、
    不可能ということばにいらいらするとか、
    女性については何も知らないと断言するとか、
    面白かった。

    電話交換手とか、ガス燈とか、
    夜間の12時間労働とかいろいろ小道具も面白かったが、
    動機や容疑者を足止めしたメモの内容が
    明かされない事件があったのが少々不満。
    解説によると、このシリーズは
    Howdniet

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    2022年09月22日
  • マルタの鷹

    000

    ネタバレ 購入済み

    映画化されてます。

    主演はハンフリー、ボガード、映画は最後の最後でぶち壊しにされます。
    本編の一番美味しいところが綺麗にカットされている。
    途中までの出来が非常に良いために、最後で、バカヤロ金返せとなります。
    こちらは紙版なので楽しんでいただければと思います。
    翻訳の悲しいところで、カタカナでワンダリーと言われても
    ピンと来ませんが、原文ではwonderlyのスペルで、
    wonderにlyつけた名前って、
    名前からして怪しそうな美女が登場します。
    ハメット曰くモデルはいるそうで、モデルはただの美人らしいですが。
    映画ではカットされた最後のスペード、ハメット節が秀逸。虞美人草のエンディングの漱石節

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    2022年09月28日
  • 華氏451度

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    「世の中に本がなくても困らない」「本を読まなくても平気」な人がいる(このサイトにはいないだろうけど)。そういう人だって情報はないと困るし、ネットニュースやSNSやTVなどで収集しているだろう。この小説で書かれる「書物」と「TV」は情報を得る媒体として何が違うのだろうか? 一つは読書という行為は受け身の人には敷居が高いということにあるのかも。ネットやTVは受け身でも何とかなるが、読書は受け手が何らかの「問い」を持たない限り、行為が発動しないという不親切さがあるのだと思う。この作品で燃やされる書物は、人間の「問い」の直喩であり、その背景にある「知性」のことだと締めくくられている。読む前はもっとシニ

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    2021年07月05日
  • 華氏451度

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    昔のSF小説を読むと、人間社会の行く末を的確に予見した知性の働きに驚く。

    本が禁止された世界で、焚書官モンターグの仕事は、本を焼き払うこと。人々は本を読み、物事の本質を捉えることをやめてしまい、物事を考えるいとまを持つこともなく、「幸せ」に暮らしている。
    しかし、その世界には戦争が迫っている。テレビやラジオは戦争のことを語らず、のんきな人々は「戦争は誰か他の人が死ぬもの」と思い込んでいる。
    実は、この世界では、初めに焚書官がいたのではなく、初めには本を読まなくなった人々がいた。
    それから、本を忌み嫌う政権が生まれ、人々が惑わされないようにと本を選び禁止していった。

    これは2000年代からの

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    2021年06月24日